11月22日(土)
丹沢 高取山1の続き
帰宅して入浴後、リュックの整理。
飲んでいないポカリスエット500mlが残った。
歩き始める前に鶴巻温泉駅前のコンビニで2本買った。
私は原則、登山中は水分を一滴も取らない。
大学山岳部時代に訓練して、緊急時以外飲まないのだ。
勿論、登山中に水場、或いは沢があれば補給するが・
今回もミカンを一つ食べただけ。
では、もう一本はどうしたか!
高取山から下山して弘法山に向かった。
急峻な登山道は大小の石と木の根の下りは滑り易いので
慎重にゆっくり下った。
加齢を重ね、筋力の衰えで登りも辛いが
下りの方がもっと厄介なのだ。
山での事故は下山中が多い。
足腰の疲労から、石に躓いたり、木の根に引っ掛けて上体を支え切れず
滑落するのだ。
筋肉の弾力性が失われるので、一歩下ろすだけでも
膝と足指に負担がかかる。
山道を見下ろすと、若者が軽快な足取りで登って来る。
山道は登り優先なので、脇に避けて待つ。
若者は私の下まで来た。
立ち止まって
「あの~ この先には水が飲めるところはありますか」?
「頂上まではない、下っても蓑毛のバス停近くまで行かないと無いよ」
「どうしたの」?
「昨日夜、家で水を用意したのですが、リュックに入れるのを忘れた」
住まいは鶴巻温泉で21歳の大学生と名乗った。
若者だけに新陳代謝も激しいから水分の消耗が激しい。
私は、リュックからポカリスエットを取り出し
若者に渡した。
若者は丁重に「ありがとうございます」と礼を述べ
急登を勢い良く登り、樹林の中に消えて行った。
下りながら、これは親切なことか? 優しいことか?
同情心か?
チョット考えてしまった。
この山道ルートで水無しで危険なことはない。
喉は渇くが3時間程で水がある処まで辿り着く。
私に出会なければ、又は他の登山者だったら
水を渡しただろうか?
若者の安易な準備と行動
無知が周囲を巻き込むのだ。
彼にとっては、単なる親切で優しいオジサンでしかない。
直ぐに忘れてしまう出来事。
水無しで登れば、不安と渇きに苦しむ。
これからの人生では、そのような状況下の実体験を踏むのが良いはずだが?
私はいつも、お人よしで人生騙され続けてきた。
相手に無償で与えることによって、酷い仕打ちに遭ってきた。
今年の5月4日 丹沢 高松山登山でも、負傷した女性に遭遇した。
中高年も含めて、手軽な登山ブームは安易な危険が潜む。
40年前は一定の山好き青年が登山本を読み
訓練したが、今は ネットでハイキングコースを検索
コピーして登山口まで車でやって来る。
ジャージ上下のオジサンは、山林の伐採人にしか見えない。