“大河ドラマ”の概念を私なりにいくつか挙げれば、
1つは日本の歴史から題材をとっていること。だから時代劇ということになる。
2つには、歴史上メジャーな人物を主人公に据えていること。
3つには、時代考証がしっかりとなされていること。
4つには、起用される俳優も歴史的な人物像とそれなりに見合う(つりあう)俳優であること。
また、現代的には、その俳優が(大きな)スキャンダルをかかえていないこと。
等々、である。
さて、今年の『花燃ゆ』は、吉田松陰の末妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文を主人公にしているが、説明・補足があったとしても、視聴者は主人公をイメージとして描けるだろうか。否である。
主演が井上真央氏であることは否定はしない。むしろ、彼女がこれまで演じてきた役どころや彼女の人となりから、一般に知られていない主人公を創り、知られていない人物だけに演じやすいのではないかと思う。
ただ、彼女に依存するだけでは〝大河〟とはなりえない。
“イケメン俳優”を多く起用していて、ネット上では『イケメン大河』と呼ばれているそうである。
吉田松陰役の伊勢谷友介氏は、昨年、某女優との関係を週刊誌に取り上げられていたのではないだろうか。役どころに見合っているとは思えない。
また、小田村伊之助役の大沢たかお氏は、某民放の現代と江戸時代を行き来するドラマの主人公のイメージを強く思わせる絵面(つら)である。
久坂玄瑞役の東出昌大氏も同局の朝ドラ『ごちそうさん』でのキャラクターが強く、視聴者はその役としての彼を引きずる形になってしまうのではないか。
文の姉の寿を演じる優香氏においては、志村けんとのコンビで、パッと見の可愛さもあってバラエティ番組で受け入れられたが、シリアスなドラマの経験には乏しいようで、不安材料視できるのではないか。
そもそも伊勢谷友介・大沢たかお・東出昌大各氏が“イケメン”と呼ぶべき人たちなのかも私にはわからない。他にも“イケメン”と言われる人たちがいるらしいが、私にはわからない。
だから、視聴率が、第1話は16.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2話は13.4%と下降したのではないか。
前途多難!!
文の子ども時代を演じた子役が井上真央氏によく似ているとか、タイトル字の『花燃ゆ』が英語を含みこませた創作文字であるとか、他にもあるかも知れない話題で視聴者をドラマに引きつけようとしているのか知れないが、どこまで引きつけられるか,観ないけれど、時々の番組に関する情報を得ようと思う。