木下寄席 きおろしよせ

生で落語を聴く会

左談次師匠を悼む

2018-05-11 00:18:40 | 俳句
左談次師匠を悼んで
 花筏三途の川へ間に合ひし

添削
 花筏三途の川をおほひしか
 
落語のファンになって日が浅いので、立川左談次師匠の落語を聞く機会も少なかった。
体調を壊されてからの「がん病棟」は、軽い口調で笑った。
特に、立川左談次落語生活50周年特別興行に、行けたのがよかった。
しゃべっちゃいけないのに、最後には声が出てしまっていた。高座が好きだったんだね。

俳句と落語「茶の湯」

2018-03-29 10:29:59 | 俳句
プレバト俳句でお馴染みの辛口先生、夏井いつき編「続・絶滅寸前季語辞典」に、
「水圏戯(すいけんぎ)」春の季語を紹介していた。これは石鹸玉の副題で、江戸時代にシャボン玉売りという仕事があったという。
「茶の湯」で定吉が泡が立たない「茶」を見て、ムクの皮の粉を買ってくる。泡が立つこと夥しい。この下りは定吉にとって自然な選択であった。
夏場、江戸では「玉や玉や玉や」と、上方では「吹き玉やさぼん玉吹けば五色の玉が出る」と、子どものおもちゃであるさぼん玉売りがやってきた。
材料がムクロジ(無患子)の実の皮であった。実は羽根つきの羽根の玉にも使った。石けんの代用としていたから、定吉が泡=ムクロジと発想するのも合点がいく。泡の立ちようも半端なかったろう。ムクロジだけでは秋の季語である。
「水圏戯」水と戯れるで、シャボン玉とは納得するが、「圏」?丸・輪という意味で生まれた言葉だろうか。
確かに絶滅寸前季語辞典に載るだけはある。


俳句入門第1回

2017-11-08 23:54:11 | 俳句
NHK学園の「はじめての俳句」を5月に開始して、10月から「俳句入門」コースへ進んだ。
その第1回が戻ってきた。「俳句入門」は五段階評価で、添削指導が丁寧で助かる。
独りよがりな俳句を作る恐れがあったから、どうしても添削を受けたかった。
TV「プレバト」を見てもわかるように、自分自身の俳句の良し悪しが客観的に分からないものだ。
俳句の魅力は「言葉」です。日本語の味わい深い言葉、美しい言葉を発見するのです。
Åこれは、Aに小さな丸が付いた、五段階評価の一位の評価です。頑張るのみ。
今回提出した句の季語は「秋彼岸」「残る蚊」「あけび」です。

6/30 俳句と落語

2017-07-01 01:11:04 | 俳句
朝顔の引き捨てられし莟(つぼみ)かな  子規

明治27年の作、句の前書きに
 草庵の囲ひあるとある限り蕣(あさがお)はひつかせて朝な朝な楽しみにある日家主なる人の使して杉垣枯れなんとて尽くそを引かせたる誠に悲しく浮世のさまなりけり
子規の心情を思うに哀しい。この句を知って、落語の「人情八百屋」の家主がすぐに浮かんだ。
ぼて振り八百屋が、客の貧乏暮らしを見かねて与えた銭を、家主が店賃として奪っていく様だ。
引き捨てられた莟、咲くこともなかった莟、莟という表現により痛々しさが倍増する。

6/25 落語と俳句

2017-06-25 21:26:20 | 俳句
子規句集より二句
 正月の人あつまりし落語かな
 春の夜や寄席の崩れの人通り
明治28年の句である。今も落語ブームだそうだ。
この句からも、当時の寄席の賑わいがわかる。
NHK学園の、第2回目のリポートが返ってきた。初心者を続けさせる配慮が伺える。
分かっていても褒められると嬉しいものだ。2泊3日で旅行中も俳句の吟行よろしく作ったね。
下手の横好きってやつです。

6/17 落語と俳句

2017-06-18 00:23:23 | 俳句
明治26年の作
行燈の油なめけり嫁が君  子規

「はじめての俳句」の2回目のレポートを提出したばかりの俳句超初心者です。
季語が分かりませんでした。
この句の季語は嫁が君である。正月三が日に鼠を呼ぶ忌み名。関西地方のことばという。
この句を読んで、落語「もう半分」「脛かじり」が同時に思い起こされた。
行燈の油をなめるのは、赤ん坊である。老人の金を盗んで自殺に追い込み、その金で店を成功させ、こどもにも恵まれた夫婦。生まれた赤ん坊の顔が自殺に追い込んだ老人の顔だった。この赤ん坊が、夜な夜な行燈の油をなめるのだ。
もう一つは、勘当された若旦那が入り婿に行った先の娘が、夜寝床を抜け出し、墓場で死んだ赤ん坊を食べていた。
怪談じみた噺、気味悪い噺として、同時に思い出させる句であった。