to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

テラビシアにかける橋

2008-02-05 16:27:52 | the cinema (タ行)
              この橋を渡れば、またきみに会える―
原題 BRIDGE TO TERABITHIA
製作年度 2007年
製作国 地域: アメリカ
上映時間 95分
原作 キャサリン・パターソン
脚本 ジェフ・ストックウェル 、デヴィッド・パターソン
監督 ガボア・クスポ
音楽 アーロン・ジグマン
出演 ジョシュ・ハッチャーソン/アナソフィア・ロブ/ズーイー・デシャネル/ロバート・パトリック

国際アンデルセン賞を受賞したキャサリン・パターソンの同名ベストセラー児童小説を映画化。

女兄弟ばかりの貧しい家庭で育った小学5年生のジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)と、引っ越してきたばかりの個性的な少女レスリー(アナソフィア・ロブ)。学校を牛耳るいじめっ子のターゲットにされてばかりの2人はやがて親友同士となり、近所の森に美しい空想上の王国“テラビシア”を作る。(シネマトゥデイ)

これは宣伝の派手派手しさとか、「ナルニア国物語」のスタッフ云々という言葉から、
子供二人が異世界で華々しい冒険をするかのような印象を持ってしまいがちだけど、
実際は、子供の心理、子供たちの現実をキチンと描いた良作でした。

貧しいということでイジメられていたジェス。だけど徒競走は得意。
いじめっ子を負かすチャンスだった。
だけど、突然現れた転校生のレスリーは男子より早かった!
一番になり損ねたジェスは当然レスリーに厭な感情を持ってしまうが、彼女は皆とつるまないジェスに近づいてくる。
子供ながら個を大事にするレスリーもまた他の皆に馴染まないものを感じ、
ジェスと空想の世界を共有しようとする。

川を越えた森の中で二人は『テラビシア王国』を守る、王と王女。
現実世界では、相変わらずイジメは続いていたけど、
家は相変わらず生活が苦しかったけど、
お金は無くても夢は見れる!家や親も関係ない、世界にただ一人の自分!
風のように、風より速く、走っていける――レスリーと一緒に

空想の世界を文章にして先生に認められるレスリーと、
想像で絵を描くのが得意なジェスは、森の中での遊びを通して互いに協力し合い
襲い掛かる敵に立ち向かい、恐怖から逃げない勇気を身につけていく。

誰もが自分の中で、一度は思ったはず。悪をやっつける、自分はヒーローでありたい!
王国で彼らはこころを鍛える!
そうして戦って、現実世界に帰って行く・・・

『チャーリーとチョコレート工場』とはうって変わって、溌剌としたレスリーをアナソフィア・ロブちゃんが魅力的に演じて
主演のジョシュ・ハッチャーソンくんも、貧しさからくるやり場のない怒り、少年らしい憧れ、喪失感を見事に伝えてみせる

本来子供は、田舎の子も、都会の子も、
どこでも自分たちの世界で成りきりごっこ遊びができるものだと思う。
そして、そこでいつも自分がヒーローになりたがる。
我が家の子供もそうだった。怪獣役はいやなのだ。
だからウルトラマンが何人もいて、彼らは目に見えない敵、怪獣と戦うことになる(笑)

これは、夢みる事を忘れて大人になろうとしている、世界中のジェスやレスリーに
かつて子供だった大人からのとびきり優しい、王国への招待状なのだ

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今の子供の時間は速くなっているように思う。。
親は子供に色んなものを押し付けていないか?時には夢みる事さえも........
子供は子供とのかかわりの中で学び取り、育って行く。
一番観て欲しいのは忙しい子供たちではあるけれど、、
子を持つ親にとっても、そこを学び取るための作品でした