to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

リリィ、はちみつ色の秘密

2010-07-15 22:15:31 | the cinema (ラ・ワ行)
母はやさしい人だった。
そして私を捨てた。

原題 THE SECRET LIFE OF BEES
製作年度 2008年
上映時間 110分
原作 スー・モンク・キッド 『リリィ、はちみつ色の夏』(世界文化社刊)
監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド
出演 クイーン・ラティファ/ダコタ・ファニング/ジェニファー・ハドソン/アリシア・キーズ/ソフィー・オコネドー/ネイト・パーカー/トリスタン・ワイルズ/ヒラリー・バートン/ポール・ベタニー

1964年、アメリカ南部サウスカロライナ州。4歳の時に誤って母を銃で撃ち殺してしまい、以来罪の意識を抱えたまま生きてきた少女リリィ。冷酷な父との生活に疲れ果てていたリリィは、14歳となった夏の日、黒人家政婦のロザリンが白人から暴力を受けたのをきっかけに、彼女を連れて家を飛び出し、亡き母の本当の心を探る旅に出る。母の遺品を頼りに、ヒッチハイクでティブロンという町に向かうリリィとロザリン。やがてその町で養蜂業を営むボートライト家の黒人三姉妹、オーガスト、ジューン、メイとめぐり会い、ロザリンと共に彼女たちに優しく迎え入れられるリリィだったが…。

舞台は公民憲法が制定されたばかりの1964年。
それまで大っぴらになされていた人種差別を禁止する法律が、この年の7月にジョンソン大統領によって署名され施行された。
とはいえ、白人の意識がそう簡単に変わるはずもなく、まして舞台は南部。
私たち日本人には到底理解できない、白人の黒人に対する激しい差別意識、根深い虐待は、この作品全体のもう一つのテーマにもなっている。

物語は、14歳の少女リリィの母への切ないまでの思慕と、自分の解放を軸に、
たくましく生きる人々との交流の中で、避けられない人種差別の悲劇を織り込みながら、
ドラマティックにティブロンの、ある夏を描いていく。

人種や性別を超えた友情や、連帯感、姉妹の絆、親子の感情、そして繕えない夫婦の亀裂―。
なかなか濃いキャストばかりで、内容もてんこ盛りなのに、
スッキリとして解りやすい物語になっていました。

時代背景と切り離せない黒人との接触で、ちょっと怖いシーンもあるんだろうなぁ~と思っていたら
やっぱりでてきましたね~、、、
昔、KKKなるものを初めて映画で観た時、怖くて夢に見た記憶があります。
それでもそういうシーンは、やはり原作者の少女時代の体験が元になっているだけあって、かなりリアルだと言う気がします。

法律が制定されたとはいえ、今でも現実には差別はあるけど、
生き難い時代、めげずに寄り添って生きる女性たちが頼もしいです。

肉親への愛を求める少女が、知恵と勇気で人生に飛び出し、成長していくのをハラハラと見守りながら観ていました。
ダコタちゃん、こういう役、上手いです