サイレント・プア――「声なき貧困」、あるいは「見えない貧しさ」。
現代における貧困は単なる経済的貧しさを意味しない、地域における孤独や弧立こそ、新しい今の時代の貧しさなのだという、取材を通じた現実を基に、
真の豊かさとは何かを問うドラマ。
ドラマ10 『サイレント・プア』毎週火曜 午後10時00分~10時48分
作者 相良敦子
演出 伊勢田雅也/清水拓哉/長谷知記
音楽 佐橋俊彦
主題歌 Hold Your Hand/Perfume
出演 深田恭子/北村有起哉/桜庭ななみ/坂井真紀/香川京子/大地康雄/市毛良枝/米倉斉加年
【第1回】その手を離さない
社会から孤立した人たちの「SOS」を見つけ出し、手を差し伸べようと、今日も町を駆け回るコミュニティ・ソーシャルワーカーの里見涼(深田恭子)。近隣住民から苦情のあったゴミ屋敷の対応に乗り出すが、その主は江田房枝(香川京子)というお年寄りだった。最愛の息子を亡くしたのがゴミをためたきっかけと知った涼は、庭にある栗の木に着目。房枝の心を開くとともに、近所の人たちに房枝のことを知ってもらおうと・・・
人は誰でも自分のテリトリーを守りたい。職場でも。私生活の環境でも、、。
ゴミ屋敷の苦情を申し立てに来た住民たちもそうであったと思う。
そして現場で彼女たちにに出会った涼は「ありがとうございます」という....。
そこに今、孤独の淵に居る江田房枝の存在を教えて下さって、ありがとう、なのだ。
近隣住民がゴミに覆われた家に不安を感じるのも当然。でも、
役所に申し立てれば(税金を払ってるのだから)それで万事解決とならない、
法制度の隙間の案件…―
申し立てに来る住民も「困っている」それは、自分のテリトリーを守りたいから。イコール、
無関心ではないからと捉えて、お礼を言うのですね。
....このシーンがこのドラマの象徴的なテーマを描いていたのではないかと思います。
でも、第1回なので、どうしても社協(社会福祉協議会)での涼の立場CSWからの説明が入ってくるのは仕方ないところ。
現にコミュニティソーシャルワーカーという言葉と、それが福祉の仕事だと解っていても
現実の活動などは全く知らない。。。なので、
「予算はやれない」「予算は結構です」も、驚いてしまったけど、
このCSWの支援の仕方そのものを考えると、なるほど~なのですね~。
1軒のゴミ屋敷の撤去に、役所の数人では1日2日かけても終わらない。
そこは人海戦術が一番。地域住民の力を集めなければ、サクサクと進まなかった。
ゴミ屋敷は社会的孤立の象徴――
「助け合う? 誰と誰が、どうやって?」
まさに、それをコーディネトしていくコミュニティ・ソーシャル・ワーカーなのですね。
孤独は作られる…
闇の中から微かに聴こえるSOSを拾い、孤独な人を孤立させない。
そんな恭子ちゃん演じる涼には実在のモデルが大阪・豊中市社協にいらっしゃって、
桜庭ななみさんがドラマ撮影にあたって渡されて勉強したというコミックは、
『セーフティネットコミュニティソーシャルワーカーの現場 ホームレスとカレーライス』
といって、ひきこもり当事者団体の方が描き、豊中市社協の出版になっているようです。
こういった就労支援もコミュニティ・ソーシャル・ワーカーの仕事のひとつだとか。
先日のスタパでも恭子ちゃんが言っていましたが、まだまだ
毎回難しい事例に立ち会っていくことになる涼とともに、
懸命に生きて来たのに、今孤独に沈みそうなひとの声を聴いてみたいと思います。
日ごろはどこか遠くの出来事のような社協という中から生まれた、
だけど、私たちの生活圏の直ぐ傍にある″孤独が主人公″のドラマ。
沢山の方に観て戴きたいと思います!
【再放送】総合 2014年4月15日(火) 午前1時25分から(月曜深夜)