あなたは殺人犯ですか?
上映時間 141分
原作 吉田修一『怒り』(中央公論新社刊)
脚本 監督 李相日
音楽 坂本龍一
出演 渡辺謙/森山未來/松山ケンイチ/綾野剛/広瀬すず/原日出子/池脇千鶴/宮崎あおい/妻夫木聡
八王子で残忍な夫婦殺人事件が起こるが、犯人の行方は杳として知れず、整形して日本のどこかで一般の市民に紛れて逃亡生活を送っていると見られていた。事件から1年後、千葉・東京・沖縄に素性の知れない3人の青年が現われる。歌舞伎町の風俗店で働いているところを発見され、千葉の漁港で働く父・洋平に連れ戻された愛子。漁港にふらりと現われ働き始めた青年・田代と恋に落ちるが…。東京の大手通信会社に勤めるゲイの優馬は、クラブで出会った直人を気に入り家に連れ帰るが…。母に連れられ、東京から沖縄の離島に引っ越してきた高校生の泉は、無人島に1人で住みついている謎めいたバックパッカー田中に心惹かれていくが…。そんな中、TVでは1年前の事件に関して逃亡中の犯人の情報を求める公開捜査番組が放送されていたのだが…。
コチラも、公開初日に観たのに、今頃の感想となってしまいましたが
サスペンスとしての展開が、ヒューマンドラマとしての面白さも増幅させて、
何れも主役級のキャストの演技もあって、素晴らしかったです
凄惨な事件現場に残された“怒 ”の文字――…
そして登場する3つの場所に現れる素性の知れない3人の青年。
その3人に心惹かれて拘ってしまう人たち。。。
寂れた港町、東京のカオス歌舞伎町、無人島…―
逃亡者が潜伏するに持ってこいのシチュエーションであり、そこで拘った人にも
それぞれの結末があり、観ている間犯人特定に集中していた観客も、その終盤にきて
タイトルの意味を思い知るのですよね、、、。
世の不条理に対する怒り、
愛する人を信じきれない自分への怒り、
不甲斐ない自分への怒り――
でも、、ずっと尾を引くのは、
愛する人を疑ってしまう事に始まる深い闇……
人を信じることの難しさと、
疑ってもみなかった為に起こる悲劇――
傷ついても人は生きていかなくちゃならない。
あるドラマでの爺やのセリフ、「人間は強いんだ」を思い出しました。
彼ら(彼女ら)を観てきて、、そう無言のエールを送りたくなりました。
どなたにもお薦めというわけにいかないけれど、凄い作品でした。
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