to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

あなたを抱きしめる日まで

2014-03-19 21:24:48 | the cinema (ア行)

それは、人生を取り戻す旅
原題 PHILOMENA
製作年度 2013年
製作国・地域 フランス/イギリス
上映時間 98分
原作 マーティン・シックススミス 『あなたを抱きしめる日まで』(集英社刊)
脚本 スティーヴ・クーガン/ジェフ・ポープ
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ/スティーヴ・クーガン/ソフィ・ケネディ・クラーク/アンナ・マックスウェル・マーティン/ミシェル・フェアリー/バーバラ・ジェフォード

10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離された女性の実話を、スティーヴン・フリアーズ監督が映画化したもの
1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じ、ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共にアメリカに旅出つが……。

ロマンス小説が大好きで、誰にでも遠慮なくものを言う田舎者のフィロミナと、
元エリート記者で今は崖っぷちのマーティンの、再起をかけたアンソニー捜しの旅。
旅の初めこそ、自分の好きな小説をまるごと話し続けるフィロミナを疎ましく感じていた
エリート意識の強いマーティンの、心に芽生えるもの、、、

女性であればフィロミナに寄り添い、
男性であればマーティンのように、、そんな理解と決断ができるか問いながら
2人の会話にクスリと笑い、ずっと秘めてきた母としての愛に胸を熱くし、
最後にはやはり、引き裂かれた母の想いの深さに辿り着く心の旅のドラマです。


家族の恥だからと家を追い出され、修道院に入れられた1952年の少女たち。
わずか1時間の面会時間に廊下を走る、まだ幼い母たち―…この修道院の描写があったから、
その後の47年という長い月日を、フィロミナがわが子のことを一瞬たりとも忘れたことがない
という、切なさが説得力を持って、私も感情移入できたと思う。。。

ガンコなまでに世間ずれしていない、信心深くてお茶目なフィロミナに
老いて尚、様々に繰り出される、選択の時…―
行くか行かないか、逢うか止めるか、帰るか泊まるか・・・公表するかしないか.....

インテリで紳士だけど神を信じないマーティンにとっても
再起をかけた記事という以上の、記者魂に触れる旅の終わり....
後悔し、苦しむフィロミナの傍にいて、彼自身も揺らぎ変化をする様子が、
大げさな演出も無く映されていくのが、却って観客と一体化していくように感じたというのか、
哀しい実話であるけれど、このフィロミナの旅のお供がマーティンで良かった!
という想いで帰ってきた二人を迎えることが出来る。

エンドロールに流れる実際の写真の数々を、誰もがフィロミナの目で追うでしょう.....

いつもは強力なインパクトのジュディ・デンチがコレは可愛さ全開
スティーヴ・クーガンも私は初めてでしたが、ステキに変わっていく紳士がお似合いで、
佳い作品でした

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恭子ちゃん春ドラマ続報♪ | トップ | 「サイレント・プア」会見と... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mig)
2014-03-23 00:09:27
こんばんは~
kiraさん気に入ったんですね★
私は子供がいないせいもあるのかそんなに共感できずでした~。
宗教色濃いところも苦手だったかも。
スティーヴクーガンは久々に真面目な役みました 笑
返信する
migちゃん♪ (kira)
2014-03-26 12:30:23
こんにちは~
そうそう、カトリック信者というのが大きく、
子供を取られながら、自分を責めるだけというのは
ちょっと日本人的には共感し難いところでしたよね~。
キャストに負うところも多かった気がしました、私も
返信する
Unknown (Nakaji)
2014-08-10 20:13:05
こんにちは。

なんか素敵な作品だったよね~

>ジュディ・デンチがコレは可愛さ全開
そうそう!かわいいし、なんかよかったわ~♪

彼女の演技があったから、感情移入できたな~
返信する
Nakajiさん♪ (kira)
2014-08-11 22:50:51
こんばんはー☆

コレは実話が基になっていて、
いまだにフィロミナのように探し続けている親がいるということが、
切ないです。事実は小説よりも残酷です。

普通のかわいい、おかあさん、ジュディ・デンチに
良識ある紳士のスティーヴ・クーガンのコンビもなかなか面白かった
返信する
Unknown (くう)
2014-12-16 01:25:30
>大げさな演出も無く映されていくのが、却って観客と一体化していくように感じたというのか、
哀しい実話であるけれど、このフィロミナの旅のお供がマーティンで良かった!
という想いで帰ってきた二人を迎えることが出来る。

これだけの重たい過去をにじませながら、あんなにコミカルに描くというのはなかなか難しいことだと思いましたわ~。
嫌な話なのに後味は決して悪くなく、2人のホントの親子のような旅を楽しみました。
いい映画ですね~^^
返信する
くうさ~ん♪ (kira)
2014-12-28 10:17:24
これは、主人公の「もし?」ではなく、
観客の側に、いくつもの「もし?」が突き付けられたような気になりましたよね?
もし、私が子供をうばわれたとしたら・・・
もし、わが子が○○だと知ったら・・・
もし、修道院の事実を私が知ったとして、それを許せるだろうか・・?
などなど考えてしまいましたよ~
返信する

コメントを投稿

the cinema (ア行)」カテゴリの最新記事