(1)前途多難なドイツ
ロイター
ドイツ総選挙、最大野党CDU・CSUが勝利 極右第2党に躍進
By Sarah Marsh, Matthias Williams
2025年2月24日午前 8:57 GMT+94時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/DAYSD3LBDZNUDGXKB5HHRWKLPI-2025-02-23/
選挙結果は事前の予想通りであり驚く点は何もありません。
選挙前の連立与党である、社会民主党(SPD)と緑の党は、国民から「バッテン!」を食らいました。
代わりに躍進したのが、右派「ドイツのための選択肢(AfD)」です。得票率20・5%と倍増の大躍進でした。
第1党の保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は消去法で選ばれたにすぎません。
新興極左のBSWは、5%を獲得して議会で議席を持ちました。
問題は、この後の連立交渉です。
単に安定政権を作るなら、社会民主党(SPD)と緑の党を加えれば過半数は維持できます。
そかし、これをやると否定された旧連立政権の2党が又政権に参加して、総選挙で示された民意を無視することになります。
米副大統領のヴァンス氏が、厳しく批判したのはこの部分です。
もしドイツが自由主義国家であり民主主義国家であるなら、国民から大きな支持を受けた「ドイツのための選択肢(AfD)」と連立を組むのが、筋道です。
しかし、これまでドイツ政界では既存の3党が、AfDを差別し弾圧に近い排除をしてきました。理由はどうあれ、これは民主主義の否定であり、既存3党の集団独裁と言うべき状況です。
「この異常な状況を更に続けるのか❓」
「AfDと連立を組んで正常な民主主義国家に戻るのか❓」
ドイツは大きな歴史の岐路に立っていると言えます。
異常な状態を続けるなら、政府統制が更に強まり警察国家になっていくでしょう。表面民主主義・中身集団独裁体制が常態になる可能性が強いと思います。その先にあるのは左派独裁です。
ドイツは今の段階で半分、左派集団独裁に近いと言えます。最も大切なマスメデイアが左派のプロパガンダ機関になっているからです。マスメデイア、特にドイツ公共放送を左派支持から中立に戻さないと、段々「いつか来た道」を歩み続けることになると思います。
その意味でドイツの言論の自由は半分失われています。民主主義まで失われたら独裁国家になるでしょう。そうなってドイツが繫栄することは、ありません。現在ですら経済的な落ち込みと社会不安は、かなりひどいです。それを抑えようとすれば、否応なく警察国家になります。
※もし、CDUが社会民主党(SPD)と緑の党との連立政権を作ったらどうなるか❓
アメリカは、あれほど強引ともいえる警告を出しています。左派連立を続けるならドイツの切り捨てに動くのでは、ないか・と思います。具体的にはドイツからの輸入を制限するでしょう。
「ドイツの輸出依存率は、GDPの40%をも占めています。」
輸出先は、「カナダ・米国・メキシコ(10.8%)」ですので壊滅的とまでは言えませんが、10%近い減少は、ドイツ経済に大きな打撃を与えると思います。ロシア貿易とロシア格安のエネルギーを失った負の影響はドイツ経済を落ち込ませました。加えてドイツの稼ぎ頭の中国貿易も縮小気味です。ここにアメリカ輸出の急減が加われば、意味が分かると思います。単に軍事や防衛だけの話では、ないのです。アメリカとの関係改善を図らなければ、ドイツは徐々に沈んでいくだろうと思います。
『次期首相候補のメルツCDU党首は、欧州が米国からの「真の独立」を達成できるよう取り組むと表明した。』
イデオロギーを前面に押し出しました。実は、これはメルケルが目指した道です。その結果が、ウクライナ紛争を利用したドイツ叩きです。見事に叩かれた結果が、ドイツ経済の今の惨状です。昔、日本でもありましたね❓
故キッシンジャー博士の言葉
「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」
これを考えると敵になる方が致命的でない分マシかもしれません。しかし、ドイツの経済的繁栄が失われるのは確実です。そして、このままAfDを政治から排除し続ければ、AfD支持率の高い(30%前後)旧東ドイツ地区では分離独立運動が起きる可能性が高いと思います。既にクーデター未遂事件が起きました。
BBC
ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と
2022年12月7日更新 2022年12月8日
https://www.bbc.com/japanese/63884601
この計画をドイツ警察が探知したのは・・・・・
『捜査当局は、今年4月に「愛国者連合」と名乗るグループの誘拐計画を摘発した際に、「ライヒスビュルガー」の存在を知ったとみられている。』
ほとんどノーマークだった訳です。だから実際にシンパや支持者がどれだけいるのかは、この時点では全く把握できていません。左派独裁のような政治が続くうちにヘイトや人種差別は過激に取り締まっているようですが、社会にとって本当に危険な過激派は野放し状態だったようです。危険な連中を放置して、ほぼ無害な市民をセッセと取り締まっているわけです。
イデオロギー争いに明け暮れていると、社会の実質の部分がどんどん劣化するという好例です。
スウエーデンで犯罪組織が拡大して蔓延っている現状を過去日記で書きました。もう構成員が3万人以上いるようです。スウエーデン国外にも組織を拡大中のようです。
つまり自由主義や民主主義は脆いものであり、運用が杜撰であったり間違えていれば、すぐ独裁社会や犯罪社会が生まれてくるという事を示しています。
民主主義を守らなくていいから、過激派や犯罪者を取り締まれ!という事です。
これが、ドイツの前途多難の大雑把な内容です。
(2)政治が不安定な西欧
大分疲れてきたので、ここは過去日記を読んでください。
政治が上手くいっていないのは、どの国も同じです。
それに対する国民の不満を外(ウクライナ紛争)に向けようとしていますが、それで国民を騙せている様子はありません。
益々不満を積もらせた国民は、今の西欧が大嫌いな右派勢力を支持するように更になると思います。
トランプ政権は、左派が支配する国の切り捨てに動きそうな気がします。
ロシアと外交関係を復活させ、様々な分野での協力関係を復活させる動きが顕著です。
イーロン・マスクなどロシアが、ウエルカムしています。
日本のユニクロもウエルカムされています。ここはロシア市場への復帰を望まれています。
アメリカにとってビジネスの相手として西欧よりロシアの方が、遥かに利益が多いです。
それを西欧諸国の多くは理解していないようです。
バイデン政権とは徹底的に対立しましたが、ロシアはバイデンさんとロシアの安全保障をかけて戦ったのであり、アメリカと戦った分けではありません。全部は無理かもしれませんがアメリカが希望するエネルギー分野では、アメリカ企業はロシアに復帰できるのでないですか❓
アメリカの大統領がバカでなければ、ロシアと全面的な対立は避けると思います。
対立してもアメリカが一方的に不利益が大きいからです。むしろロシアにはビジネスチャンスが多いです。
アメリカがNATOの東方拡大を止めれば、そのビジネスチャンスに参加できます。
トランプ氏は、そうしているだけです。ロシアと折り合うならヨーロッパ防衛など大して気にしないでしょう❓
精々、「半分こ」しようや・・・程度でしょう。
イデオロギーを振りかざして叫んでいると❓
あ~れ~~~❓
どんどん貧乏になっている国が、結構あるような❓
※関連日記目次
項目「ヨーロッパ」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d