ウクライナ、セバストポリの艦船修理工場に大規模攻撃 火災発生、24人負傷
2023.09.13 Wed posted at 19:40 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209073.html
ウクライナ軍が13日未明、南部クリミア半島セバストポリ港の艦船修理施設に対して大規模攻撃を仕掛けたとの内容です。具体的には、セバストポリ市にあるオルジョニキーゼ艦船修理工場に対して巡航ミサイル10発が撃ち込まれたようです。(ロシア側は7発撃墜との発表)
ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」と大型揚陸艦「ミンスク」の2隻が損傷したとの情報もあります。
2023.09.17
ウクライナが露セバストポリ海軍基地への攻撃で狙った大きな成果
https://forbesjapan.com/articles/detail/66030
※これが、艦船修理工場を攻撃した時の映像だそうです。
Ukraine strikes Russia’s Black Sea fleet in major attack
https://www.youtube.com/watch?v=7n-CzWZzNi8
専門的な意見では、実はロシアにとって大問題(大損害)が発生したと言うことです。何が大問題かと言うと?
まず、ウクライナの攻撃のリスクのあるセバストポリ市にあるオルジョニキーゼ艦船修理工場に2隻の艦船を入れて修理していたことです。理由は、ここ以外に「乾ドックがないからだそうです。長年、ロシアの黒海艦隊をここで修理してきたのが理由です。
他には、ロシア南部のノボロシスク港にも利用可能な乾ドックを有しているが、それは「浮き乾」ドックで戦闘による損傷の修理や大規模な改修を効率的に行えないそうです。
つまり、本格的な艦船の修理を行える「乾ドック」があるのは、オルジョニキーゼ艦船修理工場だけのようです。
そして「乾ドック」は、それ自体が大型の施設であるだけでなく重機械が複雑に組み合わさってできていて簡単に修理したり建設できるものでは、ないとのことです。
映像を見る限りでは、かなりの損害と言うより大規模に破壊されたと見るべきでしょうね。
ここが破壊されてしまうとロシアの黒海艦隊は、本格的な修理は不可能になります。非効率(=時間がかかる)で大規模な修理の出来ない「浮き乾ドック」しかなくなりました。しかも、こちらは8月4日に損害を受けたオレネゴルスキー・ゴルニャク揚陸艦(ロプチャ級揚陸艦)が入っており当分、使えません。
今後、損傷を受けたロシアの艦船は修理できないか、修理できたとしてもかなりの時間がかかることになります。事実上、修理する手段がないことになります。
今後は、ウクライナ軍に艦船を攻撃され損傷を受けると港に係留して浮かべておくしかありません。ウクライナ軍は、暇なときにそれを狙ってミサイルを撃ち込むでしょう。動かない標的ですから比較的簡単だと思います。
ニュースだけ見ると、単にディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」と大型揚陸艦「ミンスク」の2隻が損傷しただけのように思います。
しかし、実際には黒海でロシア軍が唯一保有する「乾ドック」を装備したオルジョニキーゼ艦船修理工場を失ったと言うことでした。
修理不可能ですから、これからはロシア軍は破壊された分だけ作戦可能な艦船が減っていくことになります。
早速、1隻動けなくなりましたね。これは戦争が終わるまで作戦には参加できないと思います。セバストポリ海軍基地に係留しておくだけしか出来ません。
『ウクライナの海上ドローン、ロシアのミサイル艦を攻撃=関係筋』
2023年9月16日午前 2:18 GMT+91日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/SAHKVO6RARPAZEZ44VTDOVWF3M-2023-09-15/
黒海のロシアの艦船は長くは、作戦行動は出来なくなると思います。それも順次、ウクライナ軍の攻撃目標になるでしょう。そして、セバストポリ海軍基地は基地としての機能を半ば失っていると思います。
と言うウクライナ軍の超大戦果が実現されたようです。そして、これが黒海での勢力図の変化です。クリミア半島の西側の海域は、ウクライナの勢力圏になったと思います。クリミア半島の西側の防空設備はかなり破壊され、それとともにレーダー施設も破壊されました。