これは2024年2月25日付のNYタイムスが、CIAがウクライナに関与したことについてのリーク記事です。
記事のリンク
https://www.nytimes.com/2024/02/25/world/europe/cia-ukraine-intelligence-russia-war.html
それに対してスプートニクが記事内容に対して反論しています。
その当時、偶然この記事を見かけて日記に書きました。
少し不足しているのは当時は私の理解不足で書き入りない部分があったかもしれません。
スプートニクが転載したNYタイムスの記事内容の一部
「NYT紙の記事によると、CIAは2016年から8年間にわたってロシア国境付近のウクライナに12か所の秘密情報作戦基地を建設した。ウクライナと米諜報機関との「パートナーシップ」は、マイダン革命後、ウクライナ新政権が保安庁長官にヴァレンティン・ナリヴァイチェンコ氏を任命した後、つまり「10年前に構築された」とされている。ナリヴァイチェンコ氏は当時のCIA長官のジョン・ブレナン氏と英国情報局秘密情報部(MI6)に連絡し、ウクライナ治安局(SBU)の「抜本的」再建へ支援要請を行った。」
これだとCIAが、ウクライナに関与したのは2014年クーデター後だと言うことになります。
つまり、CIAの2014年クーデターへの関与を消すためのリーク情報だというのがロシアの主張です。
NYタイムスの記事の通りだとすると、かなりおかしなことになります。2015年のCNNのインタビューの中でバラク大統領が、2014年クーデターへのアメリカの関与を認めたという指摘が、ウイキペデイアの記述の中で出てきます。今、そのリンクを追うとリンク切れになっています。
じゃあ、アメリカの誰が関与したんだ❓こうなるでしょう。
<ロシア外務省マリア・ザハロワ公式報道官の主張>
『CIAはキエフ政権がスパイだけでなく、過激派、急峻主義者、テロリスト、凶悪犯の訓練を支援してきました。 いいですか。 この一連の動きが最も顕著だったのは 2013 年から 2014 年の間です』
『露外務省マリア・ザハロワ公式報道官はNYTの報道について、こう指摘している。 「民主主義者や民間人を装ってマイダンに参加した人々は、主にポーランドとバルト三国の基地で訓練を受けてきたのです。 我々はこのことについてずっと訴え続けてきました」。
ウクライナで漏洩のCIA作戦文書 キエフの「終焉は間近」を示唆=元CIA職員
2024年3月2日, 09:05 (更新: 2024年3月2日, 09:07)
https://sputniknews.jp/20240302/ciacia-17965062.html
CIAの2014年ウクライナ・クーデターへの関与を明確に主張しているのは、この記事で初めて読みました。ここまで断言した記事は、見たことがありませんでした。疑いは持っていましたが、ニュース的根拠がなかったのです。ザハロワ報道官の指摘は、明確にCIAの関与を示しています。そしてザハロワ報道官は、ロシアは以前からこのように主張していると言っています。
西側のメデイアが、例によって「きれいに」無視してきたわけです。
こうなると、西側の「ロシアが先に手を出した」と言うお決まりのプロパガンダは、嘘であることになります。クーデターを主導したのが、CIAであるならアメリカが先に手を出したことは明らかです。
ウクライナ紛争に関する西側のプロパガンダは、根底から崩れます。その意味でザハロワ報道官の主張は非常に重要です。
☆これに関しては、プーチン大統領も2024年のタッカー・カールソン氏のインタビューの中で少し触れています。プーチン氏によれば・・・
2013年にアメリカとロシアの間でウクライナでの混乱について交渉して合意したことがあったそうです。ロシア側が大統領勢力を押さえ、アメリカがクーデター勢力を抑えて、出来るだけ早く選挙をすることになったそうです。だから、当時のウクライナ大統領は警察力や軍事力での強制的な鎮圧を控えたというのです。結果は、アメリカのクーデター決行でロシアは騙されたことになります。「この時、アメリカは50億ドルの資金を使った」とも発言していました。
こう聞くと、2015年当時のオバマ大統領がCNNのインタビューの中でクーデターへのアメリカの関与を認めたという話も辻褄が合うでしょう❓
『元FOXカールソン氏、プーチン氏にインタビュー実施-大統領府確認』
2024年2月7日 22:40 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-07/S8HJQTDWRGG000
Youtube
タッカーカールソン プーチンインタビュー (全編 : 2時間7分) (日本語音声版は概要欄にリンク) Tucker Carlson, Putin interview 2024年2月6日
https://www.youtube.com/watch?v=PlL7hFii1fY
当時のバックナンバーを再掲載します。
判断は、皆さんがしてください。
『元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏とは❓<ウクライナ紛争2024.3.12』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/9af39aad7bd5aa11e402af8d5496ac1f
『2月25日ニューヨーク・タイムズ紙の記事についてのスプートニクの記事<ウクライナ紛争2024.3.12』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/98bff74d894c1bb1baeed18e35167dfa
『2月25日ニューヨーク・タイムズ紙のウクライナにおけるCIAの活動に関する記事<ウクライナ紛争2024.3.12』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6bdadc066170ebf038e9bd3d4c42a88e
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2月25日のNYタイムスの記事のリンク
https://www.nytimes.com/2024/02/25/world/europe/cia-ukraine-intelligence-russia-war.html
スプートニク
ウクライナで漏洩のCIA作戦文書 キエフの「終焉は間近」を示唆=元CIA職員
2024年3月2日, 09:05 (更新: 2024年3月2日, 09:07)
https://sputniknews.jp/20240302/ciacia-17965062.html
さすがロシア政府のプロパガンダ用の新聞であるだけに西側のメデイアは、絶対に書けない内容を軽々と書いています。やはり情報を双方から得るのは、大切だと思います。
まず興味深いのは・・・
『「私たちとウクライナの反ソ・反露分子とのつながりは1955年に遡る。つまり、CIAがバンデーラ信奉者ら(ウクライナ民族主義者組織)に関与し始めたのは1940年代後半から1950年代前半まで遡るということだ。 NYT紙はその関係がまるで新しいもの、あるいはここ 10 ~ 15 年の間に出来上がったものだと言おうとしている。 それはナンセンスだ」ジョンソン氏はこう強調する。』
ウクライナの民族主義者とCIAの関係は、1950年代まで遡るという部分です。
この当時は、ソ連内部に情報源を持ち反ソ連的な協力者の確保が目的だったと思います。
やや飛躍した話をすると、それが1991年8月24日ウクライナの独立につながったとも言えます。
当然、その後もズブズブの関係は続いたでしょう。
2点目は、2014年の過激民族主義者のウクライナ・クーデターについてのCIAの関与です。
『「CIAはキエフ政権がスパイだけでなく、過激派、急峻主義者、テロリスト、凶悪犯の訓練を支援してきました。 いいですか。 この一連の動きが最も顕著だったのは 2013 年から 2014 年の間です」
露外務省マリア・ザハロワ公式報道官はNYTの報道について、こう指摘している。 「民主主義者や民間人を装ってマイダンに参加した人々は、主にポーランドとバルト三国の基地で訓練を受けてきたのです。 我々はこのことについてずっと訴え続けてきました」。』
露外務省マリア・ザハロワ公式報道官は、このことをずっと訴え続けてきたと主張しています。
多分、事実でしょう。
西側の政府は、「ロシアのプロパガンダであり嘘である!」ともみ消してきたと思います。
これが全世界に報道されていれば、2014年のロシアのクリミア侵攻も、2014年から始まったドンバス戦争もその後の評価は、全然違っていたと思います。
2014年ウクライナ・クーデターもそうです。
アメリカが、ウクライナの過激民族主義者や極右、テロリスト(ネオナチ)などを組織して訓練を施して実行させたとすると、小汚い傀儡政権を作ったことになります。
オバマ元大統領は、2015年CNNのインタビューに対してアメリカの関与を認めています。
そこからウクライナが外交方針を大転換してNATO加盟路線に突っ走ります。クーデター後、憲法を改正して憲法にまでNATO加盟推進を加えています。その後、NATO加盟路線は強まり、2019年大統領選挙では突如ゼレンスキーが現れ大統領に当選します。
その後は、対ロ強硬路線は更に激化して2022年2月24日を迎えました。
こうやって辿ると一連の物語が出来上がります。
少なくともロシアの言い分も、きちんと聞くべきですね❓
聞けばウクライナや欧米が垂れ流すプロパガンダやフェイクニュースとは、違う側面が見えてきます。
スプートニクの記事が正しいかどうかは、不明です。
しかし私が探しても見つからなかった情報は、ありました。
国際政治における謀略の一端が分かると思います。
綺麗なプロパガンダやフェイクニュースとは、違う側面が裏に隠されていることが、時々あります。
ウクライナ紛争は、その典型例と言えます。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27
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2月25日ニューヨーク・タイムズ紙のウクライナにおけるCIAの活動に関する記事
記事のリンク
https://www.nytimes.com/2024/02/25/world/europe/cia-ukraine-intelligence-russia-war.html
今のところ西側のメデイアは、例によって無視しています。
都合がよいロシア側は、政府広報紙の「スプートニク」が報道しています。
https://sputniknews.jp/20240302/ciacia-17965062.html
「スプートニク」の記事の要点
リーク内容は、CIAのウクライナにおける活動に関するものです。
「スプートニク」の分析によると❓
NYタイムスの記事は、情報操作を意図していると主張しています。
その主張
『西側情報機関のウクライナへの積極的な関与が初めて開始されたのは2014年2月のユーロマイダン・クーデター後だったという同紙の主張に異議を唱えた。』
NYタイムスのリーク内容
『NYT紙の記事によると、CIAは2016年から8年間にわたってロシア国境付近のウクライナに12か所の秘密情報作戦基地を建設した。ウクライナと米諜報機関との「パートナーシップ」は、マイダン革命後、ウクライナ新政権が保安庁長官にヴァレンティン・ナリヴァイチェンコ氏を任命した後、つまり「10年前に構築された」とされている。ナリヴァイチェンコ氏は当時のCIA長官のジョン・ブレナン氏と英国情報局秘密情報部(MI6)に連絡し、ウクライナ治安局(SBU)の「抜本的」再建へ支援要請を行った。』
これが、主なリーク内容のようです。
どのようなツテがあるのか不明ですが、スプートニクは元CIA職員ラリー・ジョンソン氏に連絡してコメントを求めました。
以下、その内容を一部引用・・・・・・・・・
「NYT紙は、クーデター発生を支援した米国と英国の役割、そしてマイダンで何が起こったかについて嘘をついている。 彼らは『ああ、マイダン革命が起きて、事後にCIAに連絡が来たんだ』というふりをしているが、 それは真実ではない」
・・・・・
ジョンソン氏の示唆は、NYT紙がウクライナのクーデター、マレーシア航空MH17便撃墜事件、2014年に始まる、ドンバスでのウクライナの懲罰的な「対テロ作戦」の事実を無視し、「ロシアは侵略者」というストーリーを捏造しようとしているのではないかというものだ。
このストーリーの中では「偽情報が次から次へと出てくる」と、同氏は語る。
「NYT紙は、こうしたテロを実行するウクライナに対し、米国はこれを抑制しようとしていたと書いている。 つまり、『ロシアに対する攻撃は米国のせいではなく、ウクライナ人自身が勝手に行動したのだ』というメッセージを我々が送ろうとしているようなものだ」ジョンソン氏はこう語り、これもまた公的な機関がついている嘘であると述べた。
「私たちとウクライナの反ソ・反露分子とのつながりは1955年に遡る。つまり、CIAがバンデーラ信奉者ら(ウクライナ民族主義者組織)に関与し始めたのは1940年代後半から1950年代前半まで遡るということだ。 NYT紙はその関係がまるで新しいもの、あるいはここ 10 ~ 15 年の間に出来上がったものだと言おうとしている。 それはナンセンスだ」ジョンソン氏はこう強調する。
ネズミは沈没船から逃げ出す
今、ウクライナで代理戦争が行われており、ロシアがドンバスに進軍し、米国と欧州の軍事支援の遅れが懸念される中で、このリーク記事が発表された理由について、ジョンソン氏は、ワシントンがウクライナ計画の終了を決定したというシグナルかもしれないと示唆した。
「これはウクライナが終わりが近づいていることを示していると思う。NYT紙が今、これをリークしている理由はそれしかない。 なぜなら、ウクライナ人自身がそうした情報を公表しているではないか。 これはネズミが沈没船から逃げ出し始めている兆候だ。 つまり米国は、この戦いの責任は自分たちにはないと言いたい。 『私たちはできる限りを尽くした。争いはこの狂ったウクライナ人たちのせいだ』と。これは『ウクライナに罪を転嫁する』というストーリーの一部だ」
記事の中で言及された12 か所の秘密基地に関して、ジョンソン氏は、ロシアはこれらの施設を把握しており、米国はそれらを消すためにすでに行動をとったか、あるいはとるであろうとの見解を示した。
・・・・・・引用終わり
以下、URLから読んでください。
もちろん、スプートニクがコメントを求めた元CIA職員ラリー・ジョンソン氏が実在の人物であるのか❓本当にこのようなコメントをしたのか❓は不明です。
しかし、単なるロシアのプロパガンダにしてはかなり細かいところまで触れています。
そしてウクライナ紛争が、ウクライナと欧米が垂れ流す「キレイ」なプロパガンダやフェイクニュースとは違う一面があることを、強く示唆しているのも事実です。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27
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【IWJ号外】元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏が「『ワシントン・ポスト』はCIAの御用聞き!こんなニュース(ノルド・ストリーム爆破はウクライナ軍将校がやった)は、CIAのプロパガンダ!」 2023.11.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/cia
特集 ロシア、ウクライナ侵攻!!
IWJ代表の岩上安身です。
元CIA分析官で元国務省職員のラリー・ジョンソン氏が、ノルド・ストリーム爆破に関する『ワシントン・ポスト』の記事を徹底批判しました。IWJは、『スプートニク日本』と『スプートニク・インターナショナル』による、このインタビューを日刊IWJガイド11月16日号でお伝えしました。
原口 一博
https://twitter.com/kharaguchi/status/1764669439113613627
元CIA諜報員で国務省職員のラリー・ジョンソン氏、タッカー・カールソンのインタビューについて語る。
https://www.youtube.com/watch?v=hWIrCALBFps
「米政権は大敗に備えている」 元CIA分析官 機密文書流出の理由について語る
2023年4月21日, 02:54
https://sputniknews.jp/20230421/cia-15744995.html
元CIA分析官で元国務省職員のラリー・ジョンソンは実在の人物で、強烈な反ネオコン主義者のようです。
スプートニクに情報を提供するのは、以前からのようです。
そもそもラリー・ジョンソンが実在する人物なのか調べてみましたが、確かに存在し活動しているようです。
CIAにしてみれば、身内の裏切り者ですが今のところ無事なようです。
反ネオコン・グループからの何らかの支援があるのかもしれません。
そうなると❓
ウクライナで漏洩のCIA作戦文書 キエフの「終焉は間近」を示唆=元CIA職員
2024年3月2日, 09:05 (更新: 2024年3月2日, 09:07)
https://sputniknews.jp/20240302/ciacia-17965062.html
スプートニクのこの記事の中に出てきたコメントは、ラリー・ジョンソン氏本人のコメントである可能性が高いと思います。
やたら詳しいのもそのはずで元CIA分析官なら相当のことを知っていると思います。
元CIA退職者なら誰でもいいわけではなく、CIAの意を汲んでミス・リード情報を流す関係者もいます。
前後の脈略と実績が判断のポイントです。
ラリー・ジョンソン氏はここ数年の事しかわかりませんが一貫して同じ論調です。
やはりネオコンとそれに同調しているグループに対して糾弾する姿勢は一貫性があります。
ネオコンは、アメリカの国益を損なうと判断しているからそうしているのだと思います。
アメリカのメデイアもヨーロッパのメデイアも反主流の異端児の意見を取り上げるはずはありません。
敵のスプートニクを、自分の意見表明の手段として利用するのは、納得できます。
そして、西側ではほぼ無視されたFOXニュースのタッカー・カールソンのプーチン氏へのインタビューについても触れています。当然ながら、これは貴重な情報でありこのインタビューを黙殺する西側の態度は、幼稚であると言えます。
「彼を知り・・・」
知ろうとしない愚か者には、敗北があるだけです。
『元CIA諜報員で国務省職員のラリー・ジョンソン氏、タッカー・カールソンのインタビューについて語る。』
https://www.youtube.com/watch?v=hWIrCALBFps
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27