「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシア側からウクライナ戦線を眺めてみると?<ウクライナ紛争2023年7月

2023-07-24 21:35:47 | ウクライナ紛争

去年の今頃までは、ロシア軍が圧倒的に優勢でした。8月ごろにやっとウクライナ軍は、前線の安定化(ロシア軍の進撃を止める)に成功してなんとか陣地戦に持ち込みました。

その後、欧米諸国の支援を生かして武器装備を備蓄し進みすぎたロシア軍を攻撃し始めて9月の大反撃作戦に結び付けました。前線が伸びきって戦力が疎になったロシア軍は、もろくハルキウ州大敗北になりました。その後ロシア軍は、はっきり劣勢になります。

一方でこのころロシア軍のウクライナ戦線の総指揮官が変わります。

あだなは「アルマゲドン将軍」 ウクライナ侵攻の新総司令官、スロヴィキン将軍とはどんな人物か
2022年10月13日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63238056

直前にクリミア橋が爆破されました。
その報復のためにロシア軍最強の上級大将を任命したと思います。その後、ウクライナ各地で実行された無差別爆撃は、まさに「アルマゲドン将軍」でした。

しかし、それだけではなくロシア軍全体の作戦計画が大きく変更されました。全部攻めるのではなく、南部は防御し東部で攻勢をとるのが基本的作戦になりました。これが今も続くロシア軍の基本的作戦計画です。

その計画に基付き南部は要塞化され専守防衛になりました。ロシア軍の攻勢は、東部に限られています。

東部限定でロシア軍の冬の大攻勢は行われましたが、ロシア軍にとって成功とは言えない結果でした。

負け戦の気配があった前線が安定したのでロシア国防省はワグネルとスロヴィキン排除に出ます。スロヴィキンは総司令官から副司令官に格下げになりました。総司令官は、参謀総長です。お手柄は、参謀総長と国防省でなければならないからです。
更に頭に乗った参謀総長と国防相ラインは、ワグネル潰しに出ます。

ワグネル武装蜂起事件の大きな背景には、このような流れがあります。スロヴィキン・ワグネル・ライン(=ロシア軍反主流派)の勢力を削ごうとするロシア軍主流派の動きです。

ロシア軍主流派の目論見は、一応成功しました。ワグネルはロシア国内から追放されました。スロヴィキンは軟禁状態にあるようで完全に参謀本部からは、引き離されました。

しかし、その結果ロシア軍にもたらされたのは?
ロシア軍最強の突撃部隊ワグネル兵数万人は、消滅しました。
ロシア軍で最も有力な将軍であると思われるスロヴィキン上級大将は、参謀本部から追放されました。それは、無能な将軍たちが今後、ウクライナ戦線の指揮を執ることを意味します。

おそらく去年前半の無能で愚かな作戦が再現されるでしょう。それを是正するために意見具申するまともな将校や将官も排除されます。

「休養中」、解任、恐らく死亡 ロシアの消えた将官たちが明らかにする軍内の亀裂
2023.07.14 Fri posted at 22:00 JST
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63238056

優秀な将官の戦死もあります。それらは、全部無能な茶坊主に置き換わると思います。(ロシア軍主流派は、無能な茶坊主集団です。汚職=利益と自分たちの地位を守ることにしか興味がありません。戦争の勝敗など、どうでもいい集団です。)

つまり、ロシア軍参謀本部にまともな作戦計画を立案する参謀や将軍は、既にいないと思います。一連のゴタゴタの後に出来上がった参謀本部は、去年の前半と同じようなものだと思います。前線で指揮を執る将官にしても同じです。

その結果、ロシア軍は去年と同じ頭のない手足だけの烏合の衆になる可能性が高いと思います。優秀な将官や将校が抜けて行けば、そうならざるを得ません。

一方でウクライナ軍は、武器装備の面でも人員の面でも強化され去年よりは、はるかに強い軍隊に変化しています。

そして、今?
ウクライナ戦線からのニュースが極端に減りました。
理由は、ウクライナ側が情報を絞っているからだと思います。なぜ?情報を絞るのか?ロシア側にヒントを与えないためです。

その次に起きることは?
(私が、ロシア軍の参謀総長であるなら警戒を厳重にしてウクライナ軍の動向を見張ります)

※ロシア軍は、今東部戦線のバフムト・リマン・クピャンスク方面に予備部隊のかなりの部分を投入していると思います。予備部隊が少なくなると、当然ながら他の戦線が危うくなっても応援部隊を送れません。その戦線は突破されるリスクが高まります。ウクライナ軍は、ロシア軍の予備部隊の移動を待っていたと思います。

東部戦線では、バフムトではロシア軍が劣勢であり増援部隊を送り込んでいます。
リマンとクピャンスク方面ではロシア軍が若干進出しておりロシア軍は更に攻めるために予備兵力を投入しているようです。
※これが、ウクライナ軍の罠だとしたら?

去年と反対のことをウクライナ軍は目論んでいるのかもしれません。もし、そうならウクライナ軍の仕掛けた罠にロシア軍は、嵌っています。1~2か月で結果が判明するでしょう。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。