最初は半信半疑でしたが、ニュースを見ていると徐々にトランプ政権のウクライナ紛争に対する認識と今後の対応が見えてきました。これまでのバイデン民主党政権の政策を180度大転換しました。
その前にトランプ氏の「認識」について書きます。トランプ氏は、一見奇矯で突飛な発言をするから正常な現状認識など無いように見えます。しかし、それは表面的なことで現実には多分アメリカの歴代の有力政治家の中で最も正常な現状認識をする人物です。
私が、それを「エっ❓」と思ったのが、第1次政権時代です。
トランプ氏が何気なく発言した内容に驚いたからです。前後の脈略は忘れましたが・・・
【イラク戦争は間違いだった・・・】
これを発言したアメリカの有力政治家は、他には知りません。
イラク戦争はアメリカが一方的にイラクに戦争を仕掛けてサダム・フセイン政権を叩き潰しただけで理由も正当性もありません。アメリカの一方的な悪事です。それを認めることは、普通はアメリカの政治家には出来ないと思います。トランプ氏は、あっさりと【イラク戦争は間違いだった・・・】と発言しました。
公式に認めるとか謝罪するという話ではありません。しかし、間違いは間違いとして認める勇気があります。
これを踏まえると、今回のウクライナ紛争への認識も分かります。
そしてトランプ大統領の口癖の「デイール」の意味は、「対立せずまず交渉しよう」と言う意味だろうと思います。
だから当然トランプ氏は戦争が嫌いだろうと思います。むしろ戦争を終わらせる方に努力します。20年に及んだアフガン戦争を実際に終わらせたのは、第1次政権時代のトランプ氏です。オバマさんが放置して何もしなかった訳ですが、トランプ氏はタリバンとの交渉を命令しました。その交渉の結果、アメリカの撤退が決まりました。ただし、その撤退が実行されたのはバイデン政権になってからです。自分の手柄にしようと功を焦ったバイデンさんは、大失敗しました。みじめなアメリカの逃走劇になりました。しかし、タリバンはトランプ氏との約束を守り混乱の中撤退するアメリカ軍やNATO軍を攻撃せず、特にNATO市民の撤退を保護しました。
この経緯を見ても戦争に対するトランプ氏の考え方が、良く分かります。
トランプ氏は、ウクライナ紛争に関して中立的な立場から認識しています。
つまり2014年ウクライナ・クーデターからウクライナ紛争に至るアメリカ(=バイデン)の違法な内政干渉に批判的な目で見て認識しています。それはロシアの言い分がより正しいと考えている事になります。その認識の上でウクライナ和平を作り出そうとしています。
※関連日記
ウクライナ紛争についてのウラジーミル・プーチン大統領の主張<2025・02・15
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/398e258daca68341f8f8828636217b86
2014年マイダン革命にアメリカは50億ドル使ったという話〈米国国際開発庁(USAID)<ウクライナ紛争2025・02・05
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/c8394cd94aed84d2f5142d77f93bbf59
ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)と極右民兵組織(2014年クーデターを主導した❓)<2025・01・18
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/c342733ebbc3bd7c6e7cd6299fe2572c
2024年2月25日NYタイムスのCIAのウクライナ関与に関する記事とスプートニクの反論<再掲載2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3171a86e3f55fb9d6ff47b6486db326c
つまり、アメリカ(バイデン)が主導して2014年クーデターに始まるウクライナのNATO取り込み政策を巨額の資金を投じて長期にわたり行っていますから、アメリカ国内では当然、今は隠されているその経緯は、特に政治の上層部では常識的な事だろうと思います。
ロシア極悪キャンペーンをやるために民主党系のマスコミを総動員して、それを一時的に隠しているだけです。国防総省にもCIAにも共和党支持者は、います。当然、そこから共和党にも情報は提供されていると思います。西側の市民は騙せても米民主党のライバルである共和党の有力者や議員を騙せるわけではありません。
そのような事情でトランプ氏もトランプ政権の幹部も、バイデン民主党が2014年から継続してやってきたウクライナがらみの「悪事」を知っています。2014年以降、アメリカはウクライナ工作で莫大な資金を使っていると思います。その隠れ蓑の資金の一部が米国国際開発庁(USAID)を通してウクライナに流されています。トランプ政権が強引に米国国際開発庁(USAID)を閉鎖したのは、これが理由です。
バイデン民主党が悪事を働いたとトランプ氏が認識しているなら、ウクライナへの関与を止めてバイデン政権が投入した資金の一部でも回収しなければなりません。地下資源の話が出てきたのは、これが理由です。
そして関与を止めるならロシアと交渉して停戦から和平構築に持っていかなければ、なりません。
交渉するなら、まず外交ルートを正常化する必要があります。それが、リヤド会談です。
ウクライナとヨーロッパが除外されたのは、カチンコチンの主戦派がいたなら邪魔をするに決まっているからです。
だから、今後も米ロの直接交渉でやっていくでしょう。
そして2014年以降のバイデン政権の政策の誤りを認めるならロシアの言い分をある程度認めて折り合うしかありません。
要は、2013年までの政治状況に戻せば、ロシアも折り合うことが出来ます。
争いの一番の原因が、2014年クーデターから始まったバイデン氏の強引なウクライナNATO取り込みにあるのは明らかです。
2013年以前のウクライナは、どうであったか❓
中立地帯であり、NATOとロシアの緩衝地帯でした。
その状態に戻したところで、アメリカにもロシアにも不満はありません。
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ロシアの脅威を喚きたてるヨーロッパは、ロシア恐怖症で気が狂っています。
それほど恐ろしいなら何故ロシアとの軍事対決を選んだんだ❓
バカ過ぎるでしょう。それにロシアはポーランドの西に攻め入るとは一切言っていません。
あくまでウクライナ限定の特別軍事作戦だと最初から主張しています。
今のロシアの軍事力と経済力でヨーロッパ侵略など出来るはずが無いでしょう❓
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バカと気違いは、この際無視してアメリカとロシアは正常な関係に戻ろうや・と言うのがリヤド会談の趣旨です。
さて、そう考えるとこれまでのトランプ氏の発言も意味が分かります。
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「ウクライナのNATO加盟は現実的な解決策ではない」
当然でしょう❓それがロシアが軍事侵攻した最大の理由です。ここを避けては和平はあり得ません。
ウクライナの中立化とNATO加盟放棄は最低条件です。アメリカが認めない限り永遠にウクライナのNATO加盟は不可能です。当然、これは和平条件の中に入れられるでしょう。
「領土は元には戻らないかもしれない」
欲しければ自力で取り戻せ・と言うことでしょうね。諦めろ・と言う意味です。
他の部分は、交渉して何とか折り合いは可能だろうと思います。
この部分ではアメリカは既にロシアに譲歩済み・と言うことだろうと思います。
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その後、トランプ政権からは露骨なゼレンスキー追放のような情報が、頻繁にリークされています。
ゼレンスキーが和平の最大の障害ですから、やがて何らかの手段で排除するというアナウンスメントだろうと思います。
ウクライナ人が自分たちでやるのが望ましいですが、そうしなければアメリカが何らかの手段で排除するでしょう。
そして、アメリカ(トランプ政権)はロシア批判を止めました。
※関連記事
トランプ米大統領「ロシアはウクライナ全土を占領可能」 プーチン氏の侵攻責任は認めず
2025/2/22 07:53
https://www.sankei.com/article/20250222-44FSXET22JNODHHHBTFLTYTTAU/
ウクライナ侵攻3年に合わせたG7共同声明、米国が「ロシアの侵略」言及に反対
2025.02.21 Fri posted at 15:03 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35229686.html
【解説】トランプ氏はロシアに同調、米の対ウクライナ方針を覆す
2025年2月20日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4gdlly93lwo
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バイデン政権に非があるのなら、ロシアの軍事力の行使も賛成は出来ないが正当防衛的な部分があるという解釈です。
そうであるならロシアのウクライナ軍事侵略の定義は誤りであり、精々「ウクライナ紛争」としか言えません。
つまり、中立の視点に立てば、誰でもこう表現します。
だから、私の日記シリーズも「中立の視点で見るウクライナ紛争」になっています。
トランプ政権は、これまでのバイデン政権のプロパガンダと情報捏造は止めると言うことでもあります。
だから、真っ向からバイデン政権の解釈を主張するヨーロッパやゼレンスキーとは対立します。
むしろ和平の敵であることになります。そのためゼレンスキーの追放の話が出てきました。
アメリカの後ろ盾を失ったゼレンスキーは、亡命するしかないでしょう。
親切に「フランスに逃げるべきだ」と言う声もあります。アメリカはダメと言うことでしょうね❓
散々トランプ氏と米共和党に逆らってきましたから、何か罪を着せられて投獄されるかもしれません。
バイデン息子のハンターを追求するときは有力証人になります。
アメリカに逃げない方が、無難です。
そしてロシアからも重要なリークがありました。
ロイター
ロシア、ウクライナ復興に凍結資産活用で合意も 和平協議=関係筋
By ロイター編集
2025年2月22日午前 4:39 GMT+93時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/CN2VC36TUZJU5AKSPU6EWH5UKM-2025-02-21/
ロシアの凍結海外資産の処理も混乱を招く原因です。かなりの巨額ですからロシアが仮に返還を受けて資金を回収すればヨーロッパやアメリカの国債市場は大混乱が起きます。そうせずに資金を移動するには、戦後の復興資金に充当するのが無難だろうとは、思います。
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凍結資産の分配案を巡るロシア内の協議に詳しい関係筋によると、ロシアは説明責任が保証されることを条件に、凍結資産の最大3分の2をウクライナ復興に充てることに同意する可能性がある。残りの3分の1について、現在ロシアが自国の一部と見なしているウクライナ東部の占領地域の復興に充てることを提案する可能性があるという。
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仮にこうなるのであれば、ウクライナにとっても良いことだろうと思います。何より西側の国債市場には良いことです。ロシアは全額の請求権がありますから、大きな譲歩と言えます。約3000億─3500億ドルですから、すごい巨額です。
次に問題になるのは和平合意の最大の障害となっているウクライナ国内の問題です。
誰が見てもそれは明らかです。
バイデンさんと戦争バブルに踊り狂った哀れなピエロは、逃げ出すしかないようですね❓
ヨーロッパも年貢の納め時でしょう❓
あるいは、アメリカと決別するのか❓
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27