航空万能論
2024・12・05
『シリア内戦、ドローンの登場でシリア政府軍の戦術が機能しなくなった』
『反政府組織が県都ハマーに侵入、シリア政府軍は街を放棄して撤退』
2024・12・06
②『反政府組織がハマー市を解放、シリア政府軍は装備を捨ててホムスに後退』
2024・12・07
『反政府組織がホムス郊外まで前進、シリア南部でも政府軍がダイアー県を放棄』
※記事は、タイトルを検索して読んでください。
県都ハマーの陥落は「来た、見た、勝った」です。
ほぼ政府軍は、無抵抗で撤退したようです。
更にハマーからホムスまでの距離は、約32ｋｍ。
これを、１日程度で進撃したようです。
つまり、この間では政府軍はいなかったのだろうと思います。
ここ（北部）とは、相当距離が離れている南部ダイアー県では政府軍は、ダマスカスへの撤退の安全と引き換えに
ダイアー県全域から撤退したようです。
と言うわけで反政府勢力が多方面から攻撃を仕掛け、政府軍が一気に崩壊しダマスカスに撤退しつつある様子が見えます。
そして②の記事のコメント欄に、各勢力の色分けとバックの国や勢力が書いてあります。
やはり、裏にトルコとアメリカ、そしてイスラエルがいるのが分かります。
今回、一番目立っている「シャーム解放機構（旧アルカイダ系）」のバックには、まずトルコ、そしてアメリカも支援しているようです。
ISISについても、おもしろい記述があります。
一時期は勢力が大きくなりすぎて、総がかりで叩きましたが、今はどうやらアメリカの支配の及ぶ砂漠の方で活動しているようです。あくまでコメント欄の記述の範囲の話ですが・・・・
アメリカ（主に訓練と武器提供）＋イスラエル（資金提供？）
特にシャーム機構とISISの謎は、イスラム過激派のはずなのに一切イスラエルに敵対しない点です。
ISISに関しては、最初からどこかの国が支援しているはずです。最初はアメリカではないと思います。
では、どこ❓候補として考えられる国は、二つあります。
「テロとの戦い！」などと都合の良いときは「キレイごと！」のスローガンを叫びながら、裏では利用しているという魑魅魍魎ぶり！
トルコは、いつの間にはシャーム機構のパトロンになっていたようです。
トルコの場合は分かります。国境付近に緩衝地帯と安全地域を設定して、トルコ国内のシリア難民の帰還が大きな目的だからです。ただし、トルコには絶対提携できないグループが、２つあります。
クルド人とISISです。
ところがアメリカはクルド人は早いうちから支援しています。
ISISは、問題があります。
こうしてみると北部ではトルコとアメリカは、一応味方の関係です。
それ以外では、敵対関係です。
こうして大国の思惑と謀略が入り乱れ、魑魅魍魎の世界が形成されています。
反政府軍が折り合える共通点があります。
アサド独裁政権を打倒する！
この一点では、合意が可能です。
そこで今回、誰かが主導して「アサド打倒」で統一行動を取ることにしたのだろうと思います。
こうなると政府軍は、周囲全部が敵です。
かなわないから自分たちの根拠地であるダマスカス周辺に、とりあえず集結しようと言うことのようです。
こうなった理由は、ウクライナ紛争とガザ紛争・レバノン紛争でアサド政府軍の支援国である、ロシアとイランに余力がなくなり地上兵力で大きな支援をしていたヒズボラがイスラエルとの戦争で大きく消耗したからだろうと思います。
この駆け引きでは、アメリカ＆イスラエル＋トルコのグループが成功したと言えます。
特にシャーム機構の急激な前進は大きく、現在攻撃を始めるホムスの制圧に成功すると❓
アサド政府軍は、地中海側の支配地と切り離されます。切り離されてしまえば、地中海側の地域もシャーム機構が制圧すると思います。
こうなるとアサド政府軍は、海へのアクセスを失い内陸国になります。
周辺の敵味方の関係を見るとレバノン経由でしか、外からの物資の輸送が出来ません。
このような状況を反政府側は狙っているようです。
逆にシャーム機構は、地中海へのアクセスを得ることが出来ます。
※以上の状況を見ると、少なくともアサド政府軍は相当、支配地を削られ弱体化が避けられないと思います。
シリアからイラン革命防衛隊の幹部や外交官が、首都ダマスカスから外国に退避を始めたようです。
イランが逃げ出すようでは、相当危険なのかもしれません。
時事通信
2024年12月7日
『イラン軍幹部らがシリア（から）退避 反体制派の攻勢受けー米報道』
ソース NYタイムス電子版