「北の山・じろう」日記

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ロシア軍を舐めていると1年後に痛い目に会う(ロシア軍2024年の目標は❓)<ウクライナ紛争2024.3.3

2024-03-04 08:58:17 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2023年はロシア軍は、バフムトを思いっきり犠牲を出して攻め落としました。
今年2月は、アウデイーイウカをやはり大きな犠牲を出しながら最後は攻め落としました。
これを単に大統領選挙用の無理攻めだと言う人もいます。
しかし選挙用の戦果ならもっと少ない犠牲で攻め落とせる場所もあります。そして航空万能論GFの戦況変化図を見るとアウデイーイウカ攻略の攻撃は、2023年3月ごろから静かに始まっていました。その攻撃の仕上げが去年の9月ごろからの猛攻です。

バフムトとアウデイーイウカを大きな犠牲を出しながら攻め落としたのには、戦術的な理由があるはずです。

バフムトは交通の要衝です。
北に向かえばスラビャンスクСлов'янськ
西に向かえばコンスタンチノフカКостянтинівка

やはり、バフムト方面はコンスタンチノフカがポイントです。
南に下ればアウデイーイウカ
西に向かえばディミトロフМирноградとPokrovskがあります。Pokrovskはウクライナ軍の補給拠点だそうです。ドネツク州北部のクラマトルスクКраматорськも補給拠点です。
クラマトルスクからルートH-20を南下するとコンスタンチノフカを経由してアウデイーイウカに至ります。

コンスタンチノフカを制圧する事は、クラマトルスクからルートH-20の南方面の補給を遮断することになります。
その先にあるのが、ロシアの支配するゴルロフカ:Горлівкаの西を塞いでいるDruzhba、ジェルジンスク:Торецьк、アルテーモヴェ:Залізне、Niu-York、Shyroka Balkaなどがあります。この付近への補給は、大きく迂回しなければならなくなります。

コンスタンチノフカからルートT-0504を南西方向に下るともう一つの補給拠点のPokrovskに至ります。ここを進撃すると益々補給が困難になります。更にはゴルロフカ西のウクライナ側の軍事拠点を大きく包囲することになります。

アウデイーイウカから西方向は、大きな要塞になるような都市が見当たりません。村か町程度の集落が点在しています。大きな街道がないので街道沿いの都市が発展しなかったのでしょうね❓
しかもアウデイーイウカの西は、低地が続いて防御ラインも建設しにくいです。建設するとすれば大掛かりな土木工事が必要です。ウクライナ軍が、それを準備しているとは思えませんから、これから建設しても急造の簡単な防衛ラインくらいしか作れないと思います。
ロシア軍が、西に進撃するとディミトロフМирноградとPokrovsk付近まで都市と呼べるような町がありません。だからこの方面の防御は、かなり難しいと思います。

コンスタンチノフカかからルートT-0504を南西方向に下ると丁度、ディミトロフМирноградとPokrovsk付近で合流します。

ウクライナ軍の補給を遮断すると言う観点から考えると、このような方向で攻撃するのがロシア軍にとっては合理的です。ウクライナ軍はドネツク州の補給が一気に苦しくなります。

アウデイーイウカは既に制圧しましたからロシア軍は、西に進撃するだけです。北に行くかと思いましたが西を中心に攻めると思います。

そう考えると次にロシア軍が大きな戦力を投入して攻撃を開始するのは、チャシブ・ヤールChasiv Yarであることになります。すぐ西がコンスタンチノフカです。攻め始めたら大きな犠牲を出してでも一気にコンスタンチノフカまで攻め落とすと思います。
その次は、ルートT-0504を南西方向に進撃すると思います。
そうするとゴルロフカの西のウクライナ軍の拠点群は更に包囲されます。北にも南にも撤退できませんから包囲の開いている西方向に撤退するしかありません。撤退しなければ、大きな包囲網が完成します。補給が途絶えれば、干乾しになるしかありません。

私がロシア軍の将軍なら、このような作戦計画を立てます。1年後にはドネツク州の西側がゾロっとロシア領になっていると思います。
ロシア人のやることは、気が長いことを忘れると痛い目に会うと思います。
今年は、既にアウデイーイウカで痛い目に会いました。
戦線を縮小し守りを固めないとウクライナ軍は、結構2024年は痛い思いをすることになりそうです。

※もう遅い気もしますが、ヘルソン市ドニプロ川東岸の攻撃作戦を止め、ザポリージャ戦線は進撃開始位置まで撤退し余った戦力をコンスタンチノフカКостянтинівкаとチャシブ・ヤールChasiv Yarの防衛に振り向けないと、防衛は難しいように思います。この拠点が陥落すれば、上記で書いた状況が生まれます。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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