「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

長期停滞に陥るヨーロッパ経済をウクライナ紛争が加速している<2024・12・19

2025-01-12 20:37:02 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

そもそもEUは、ヨーロッパ政治の妥協と矛盾の産物であり一見機能しているように見えますが、内部矛盾が時間の経過とともに大きくなり、もう無い方がマシになりつつあります。過去記事にその事情を何回か書きました。ここでは詳細には触れません。分からない人は、過去記事を読んでください。
その内部矛盾の最大のものは、意思決定機関であるEU政府の首脳が、EUの大国の密室の談合で決まる点にあります。寡頭政治であり、しかもEUの大国の意見が及びにくい構造になっています。決まってしまえば、EU首脳の独裁政治に近い性質があります。驚くでしょう❓
普通、どんなボロな国であろうとその国の大統領や首相は、何らかの国民の選挙で選ばれます。この最も肝心な部分がEU政府には欠落しています。だからEU政府には、EU市民の意思が反映されません。選挙民に責任を負わないEU首脳の独裁政治と化しています。現実に合わない政治をEU首脳が好き勝手にやっています。だからEU政府が間違えると、その害がEU全体に及び、それを修正することが出来ません。

こんな政治を続けていれば、ヨーロッパは全体的に経済は低調になり各国の政治や社会も混乱していきます。ウクライナ紛争の欧州へのデメリットが、それを加速させました。

<その例を表す記事>Newsweek
①2024・12・16
『欧州自動車大手ステランテイスの惨状、タヴァレスの退職金160億円、すべてが誤り』
②2024・11・30
『トヨタ バランシエンヌ工場絶好調に見る欧州自動車業界の現実』 

それを端的に現わしているのが②の記事です。
EU政府の弊害が欧州の自動車メーカー全部に及んでいることが分かります。
トヨタのバランシエンヌ工場が「絶好調」なのは、ハイブリッド車だけを製造しているからです。他のメーカーの工場は、EV車の生産が主力ですから工場のベースでは軒並み経営赤字に陥りました。赤字削減とリストラの話ばかりだそうです。なぜ、こうなったかと言うとEU政府が全面EV車移行を決めて、2035年にはEV車しか販売できないようになります。だから欧州メーカーは、ほぼ全面的にEV生産に移行しました。
ドイツのフォルクスワーゲンの話も紹介しました。

ところがEV車が売れてたのは、各国の補助金があったからです。無い袖は振れなくなり、補助金は廃止になりました。
ガッビ~~ン❓
販売価格の高いヨーロッパのEV車は、一気に売れなくなりました。
しかし、ヨーロッパのユーザーはEV車を買わなくてはなりません。代わって売れているのが中国の格安のEV車ばかりになりました。EUの自動車メーカーは、軒並み販売不振に陥り大赤字に陥りました。

どうして、こうなったかと言うとドイツ経済をダメにした環境極左勢力がEU政府にも大量に流れ込んだからです。

自動車メーカーで言うと大体「日産」と同じか、もっとひどい状況があります。

これは自動車メーカーの例ですが、他の製造業でも似たようなことが起きているようです。
これが結局、所得の伸び悩みやインフレでの大幅な目減りを生み出します。これが社会不安の原因になります。
そこに移民の大量受け入れが加わり、移民排斥運動がどの国でも強まりました。国によっては激化しています。
「人・モノ・金」が自由に動くと言うことは、犯罪者も自由に動くと言うことです。
それどころか、暴力極右や暴力極左も連携を強めるでしょう。
特にドイツでは、クーデター未遂やクーデター計画が摘発されています。これは嘘や冗談ではなく、記事を検索すれば過去記事があります。
ウイキペデイア【2022年ドイツクーデター未遂事件】

犯罪が増え、ニュースでは出てきませんが、再び組織犯罪が社会の底辺で勢力を拡大していると思います。
犯罪組織は、子供たちを殺人の道具として利用するようになりました。スウエ-デンやフランスで起きていてニュースになっています。自由や人権を強調した結果、犯罪組織が非行少年層に浸透することを防げません。これは、実際に近年起きていることです。
だから、どこの国でも極右勢力が政治的に支持を増やし、逆に極左勢力が支持を増やしている国もあります。
全部、社会の衰退と不安定要因です。
ウクライナ紛争が、元々あったこれらの事象を拡大したと言えます。
ドイツとフランスは、政治が混乱して当分そのままでしょう。

ウクライナ紛争にはEUからも巨額の資金が投入されています。全く生産性のない資金です。これをEU社会に投資していれば、今よりは遥かにマシな経済状況があるでしょう。
また、ヨーロッパ地域の戦争は自由な貿易を阻害し、またロシア産の安いエネルギーも買えなくなりました。これらも経済の下押し要因です。

つまりウクライナ紛争は、落ち目のヨーロッパ経済の落ち目度合いを加速していると言えます。
政治や社会の不安定さも拡大しています。

戦争にのめり込む愚かさが、分かりますか❓
おまけに軍拡まで始めました。益々、ムダ金の支出が増えます。
要は、今のヨーロッパは全部ダメと言うことです。
と言うより「どうするんだ❓」の話です。

 

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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