「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ワグネルの武装蜂起がロシアにもたらしたもの<2023年6月

2023-06-26 15:30:37 | ロシアと周辺国

ロシアの世界が激変してしまいました。それ以前はプーチン氏は帝王のごとくふるまっていました。24日のテレビ放送でもプリゴジン氏を反逆者と呼びワグネルの部隊を鎮圧し厳罰に処する旨を怒りに燃えた表情で発言していました。

しかし、それから1日も経たないうちに意味不明な妥協が成立しワグネルは、矛を収めました。プリゴジン氏もワグネルの戦闘員も刑事訴追は、されないようです。プーチン氏の命令は、実行されませんでした。

理由は、ワグネルの部隊からモスクワを防衛するロシア軍の部隊がいないからであろうと思います。動員可能な前線に投入できる部隊は、全部ウクライナに送り込んでいると思います。鎮圧は無理だから、誰かがプーチン氏を説得して意味不明な妥協が成立したのであろうと思います。

結果、ロシアではご法度の政権批判と軍部批判は見逃されました。武装蜂起は、どこの国でも反逆罪であり重罪です。その訴追も取り下げられました。つまり、法も秩序も無視されたことになります。

そして今回の一連の行動の中で、プリゴジン氏は・・
ショイグ国防相とゲラシモフ総司令官を名指しで批判しています。
要は、この二人がプーチン氏とロシア国民を騙して戦争に引き込んだと批判しています。
更には・・
情報組織とプーチン氏を除く大統領府も腐敗と汚職が蔓延した組織だと批判しています。これは、ロシア人なら誰でも知っていることです。言えば逮捕投獄されるから誰も言いませんでした。

これまで政府の弾圧を恐れて誰も言わなかったことを堂々と批判しました。そのプリゴジン氏を逮捕投獄しないと言うことは他の人にも発言権があることになります。

何よりロシア政府にとって困るのが、数万人規模の部隊を率いてモスクワに進撃すれば、それを阻止するロシア軍がいない事が分かりました。モスクワに進撃すれば、そく市街戦が勃発します。

今回、プリゴジン氏がそれを避けたのは、やれば悪人にされるからです。

そしてベラルーシに移動したからといてプリゴジン氏がいなくなるわけでは、ありません。どちらかと言うと、誰も言えなかったことを堂々と主張した英雄としてベラルーシに移動します。今後も暗殺されなければ、ロシアの内政に影響を持ち続けるでしょう。

更には、ウクライナ領にいるロシア軍は最強の突撃部隊を失いました。ロシア国防省とプリゴジン氏が明確に対立した以上、ワグネルの部隊がこれまでのようにロシアのために命を捨てて戦闘に従事することは、なくなると思います。ロシア軍は、今後弱い支離滅裂なロシア軍の正規兵で戦うしかありません。つまり、ロシア軍は大きな戦力を失いました。ワグネルは、一つの軍団として組織されているから強いのであり、ロシア軍の指揮下に入れば普通の部隊になります。ワグネルのコアな兵力は、おそらくプリゴジン氏と行動を共にすると思います。

それは、すぐにウクライナ戦線に影響があると思います。ロシア軍は防戦一方になり、攻勢を取ることが出来なくなると思います。

一時しのぎでロシア政府とロシア軍は、プリゴジン氏と妥協しました。しかし、それは一時しのぎにすぎずロシアの内蔵する問題は、形を変えて様々なところに出てくると思います。

ワグネルの武装蜂起は始まりであって、終わりではないと思います。ロシア国民だって、こんなバカげた戦争は終わりにするべきだと考えている人は、少なからずいると思います。

プーチン氏が裸の王様であることが、誰の目にも明らかになったと思います。反乱軍を武力で鎮圧できないようでは、すでに終わっていると思います。反乱軍が英雄になった感があります。

何より一番大きな点は、数万人規模の部隊を率いて武装蜂起すれば、モスクワに進撃することが簡単に出来ることを証明しました。そしてそれを阻止したり抵抗する地方勢力もいませんでした。むしろ、ロシア国民は武装蜂起を歓迎していましたね・・



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