航空万能論
2024・12・17
『ヴェリカノボルシカを巡る戦い、ウクライナ軍兵士に残され逃げ道はあと僅』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-for-velika-novosilka-leaves-ukrainian-soldiers-with-few-escape-routes/
2024・12・16
②『ロシア軍がヴェリカノボロシカで致命的な突破、トレツク市内でも大きく前進』
2024・12・15
『ヴェリカ・ノボルシカを巡る戦い、ウクライナ軍部隊が包囲される可能性』
ここ3日で大きく部分的にロシア軍が前進しています。と言っても記事で言っているのは、モクリ・ヤリー川沿い南にある拠点のマフリフカについて報告しています。
前に書いたときは、ヴァリカ・ノボルシカ北3~4km付近のノヴィ・コマールまでロシア軍が突破したことを書きました。その後、ウクライナ軍は反撃作戦を行いノヴィ・コマールを一旦奪還しました。しかし、予備兵力のないウクライナ軍は、南側の拠点から兵力を引き抜いて攻撃部隊を編成しました。
その結果、南でロシア軍の進撃を阻止していたマカリフカ方面が弱体化し、この一帯でロシア軍が大きく前進し、今はマカリフカが完全包囲寸前です。戦況図の通りだと、もう脱出の空間はありません。その北のブラホダトネは、既にロシア軍が制圧し、その直ぐ西のストルジュベも風前の灯火です。
やむを得ないこととは言え、南から兵力の引き抜きを行ったためロシア軍は一気にこの方面を攻めてヴェリカ・ノボルシカの南に残る拠点は、ネスクチネだけです。ここからはヴェリカ・ノボルシカの市街地と連続しています。ヴェリカ・ノボルシカ自体は川に挟まれた低地にあります。西のやや標高の高いネスクチネをロシア軍が攻略するとヴェリカ・ノボルシカも、そう長くは交戦出来そうにありません。
更に悪いことに一旦、奪還したノヴィ・コマールの市街地の東側は再びロシア軍が占領しました。
つまりヴェリカ・ノボルシカの補給路が再び2本物理的に遮断されました。もう、ここからは撤退すら出来ません。
残る補給路は西からくるルートO-0510だけです。これすら南のロシア軍から4km程度の距離であり射撃管制下にあります。こうして、再びヴェリカ・ノボルシカは補給困難に陥りました。
今、撤退を開始しないと後は北西方向に開いている畑地帯を徒歩で逃げるしかなくなります。
ヴェリカ・ノボルシカの西にいるロシア軍が北上してルートO-0510を遮断するとそれが現実化します。
このような事情でロシア軍が、ヴェリカ・ノボルシカを三方向から包囲する寸前です。今のロシア軍の進撃具合だと数日から1週間程度で、そうなると思います。
ヴェリカ・ノボルシカをロシア軍が制圧したら、西のザポリージャ方面、北のドニプロ州とドネツク州方面にはウクライナ軍の要塞になりそうな拠点は、ありません。ここから北にロシア軍が進撃したならば、クラホベ方面を大きく包囲することになります。更に北上すると中部ドネツク最後の拠点のポクロウシクのかなり西に進出できます。ここまで行けば、ポクロウシク一帯は補給路を失います。
9月の戦況図を見ると信じられない思いがします。当時は、ヴフレダールの要塞がまだ抵抗していました。陥落後、3か月程度で南ドネツクが3分の2以上、ロシア軍に制圧されました。もう1~2か月後には、南ドネツクは全域ロシア軍が制圧し、そのロシア軍は中部ドネツク(ポクロウシク)の包囲作戦に参加するでしょう。
以前から何回か書いた通り、「クルスク侵攻作戦は事実上、南ドネツクと中部ドネツクを放棄するのと同じだ」と言うのは、このような状況を指しています。
防衛ラインを完全に突破されてしまえば、兵力兵力に劣るウクライナ軍は、このエリアを守ることが不可能です。
ウクライナ軍に出来ることは、大きく後方に撤退し防衛ラインを作り直すことだけです。今のように各個撃破が続くと、そうでなくても少ない兵力を更に失うことになり、戦争継続さえ不可能になります。
もう今となっては、ウクライナはトランプ氏の停戦調停に期待するしかありません。不調に終わったり、調停が長引けばその分領土の喪失が続きます。
②の記事は、トレツ市街でのロシア軍の前進を報告しています。9月から市街戦を戦ってきたウクライナ軍も力尽きようとしています。トレツクをロシア軍が制圧すれば、次はコンスタンチノフカです。コンスタンチノフカは、北部ドネツクの要塞都市群の一番南の玄関口です。そのころには、チャシブ・ヤールを攻撃中のロシア軍も合流するでしょう。いよいよスラビャンスクが危なくなります。ここまでロシア軍が到達するとドネツク州は、ほぼ全域をロシア軍が制圧する事になります。敗勢に陥る前線が増えていくでしょう。
ここからは、戦うだけ敗勢が濃くなっていくと思います。ゼレンスキーは、お構いなしに戦争を継続すると思います。ウクライナに救国の英雄は現れるのか❓(ゼレンスキーを排除しろ!と言う意味です)
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27