「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ジョージアの大統領選挙を巡るゴタゴタに見る内政干渉<2024・12・17

2025-01-12 17:18:05 | ヨーロッパ

Newsweek 2024年12月16日
『ジョージア大統領選の勝者はロシア!?東欧に増えつつあるハイブリッド戦争の隠し子』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/529193_1.php

まあ、自己主張しかない記事です。西側のプロパガンダのみを主張します。目的は選挙結果を否定してEUに有利な方向に持っていこうとします。
まず、当選したミハイル・サアカシュヴィリ氏に「極右政治家」のレッテルを張ります。「極右」とか「ポピュリスト」というレッテル貼りを見たら、眉唾に思った方がいいでしょう。ドイツのAfDも全く同じ論理(屁理屈)で否定します。否定されても地方議会選では、AfDは30%程度の支持があります。30%の支持のある政党に「極右」だの「ポピュリスト」は、ないでしょう。大体、どんな政党でもポピュリスト的性質を内蔵しています。ない政党は、ありません。いわゆる右派的な主張は、どこの国でも普通にあります。

ジョージアについては、知ってほしいことがあります。
ジョージアは、1991年旧ソ連から独立しました。その後、内政が混乱します。そこでエドアルド・シェワルナゼ氏が国家指導者として招聘され2003年11月まで大統領として社会主義体制のジョージアを、西欧式民主主義国家に変えていきました。
その後の政権を担う政党が「統一国民党」です。
2004年1月から(中断期間あり)2013年11月まで大統領を務めたのが、「ミヘイル・アサカシュベリ」です。経歴を見ても分かる通りアメリカの支援を受けています。かなり強権的な政治を行い言論弾圧や政敵排除などを武器に独裁的政治を行います。当然、アメリカがバックですから強烈な反ロシア政策を外交の方針とします。
2007年から大規模な抗議デモが起きるようになりました。

「※この辺りを見るとウクライナの2014年クーデターと酷似しているのが分かると思います。」

何回か日記に書きました。2008年4月ルーマニアのブカレストで開催されたNATO首脳会議でアメリカは、NATOの東方拡大政策を決定しました。
これを受けてサアカシュヴィリは、2008年8月7日、南オセチアに軍事侵攻し駐留していたロシア軍と戦争が始まります。
ウイキペデイア【南オセチア戦争】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%81%E3%82%A2%E7%B4%9B%E4%BA%89_(2008%E5%B9%B4)
ウイキペデイア【ミヘイル・サアカシュヴィリ】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AA
この戦争は、当時フランスのサルコジ大統領が、素早く停戦交渉に動き8月15日に停戦になりました。
(この時、サルコジと調停に動いたのが現大統領のズラビシビリです)

「★しつこいですが、ウクライナ紛争とほとんど同じ構図なのが分かると思います。」

そしてサアカシュヴィリの独裁に反対して反政府運動を指導したのが、現大統領のズラビシビリと政党「ジョージアの夢」です。2012年10月グルジア(当時)議会選で「ジョージアの夢」が勝利して、事実上サアカシュヴィリは権力を失いました。
2013年10月の大統領選で「統一国民運動」が敗北し、完全に権力を失いました。
その後、サアカシュヴィリはウクライナ2014年クーデターへの関与を始めます。
2015年2月、ウクライナのポロシェンコ大統領(アメリカの傀儡)はサアカシュビヴィリを招聘し、しばらくウクライナで重職を務めます。この頃の事情は、ウイキペデイアの記述が詳しいです。オデッサの親ロ派弾圧にも少し触れています。2014年以降のウクライナの歴史は、親ロシア派の差別と弾圧の歴史でもあります。これが、結局ウクライナ紛争へと繋がります。ウクライナ紛争は、「民主主義を守る」戦いとは、程遠いものです。

さて次に今回大統領選に不出馬の前ジョージア大統領のサメロ・ズラビシュヴィリについて見てみます。
ウイキペデイア【サメロ・ズラビシュヴィリ】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AA
1952年フランスのパリで亡命ジョージア人一家に生まれてフランスで育ったフランス人です。
1974年フランス外務省に入省。2003年、駐フランス大使に任命される。2004年、ジョージア国籍を取得し、当時のサアカシュヴィリ大統領が外務大臣に任命して外務大臣に就任(2004年3月)。
「国会議員との争いが続き2005年2月、外相更迭。ジョージアの大使の多くもズラビシュヴィリを痛烈に批判した」
その直前、フランス外務省を退職。ここまでフランス外務省から給与を受け取っています。

その後、ジョージアで政界入りし、反サアカシュヴィリ運動に参加します。
その後、経緯があり2018年8月大統領選に出馬、当選して大統領に就任。この時は「ジョージアの夢」の支援を受けます。
しかし、その後ジョージアの夢と対立するようになります。理由は❓
「ジョージアの夢が親ロシア的で、EU加盟に消極的である」
分かりますね❓
ズラビシュヴィリは事実上フランス人であり、フランス(またはEU)の代理人であると言えます。当然、EUからズラビシュヴィリの関係する政治団体などに活動資金が提供されているでしょう。その活動資金を断つために作られた法律があります。
「外国の代理人法」です。ズラビシュヴィリには一定の支持者がいます。EUの支援を受けて反政府的活動を強められるとジョージア政府は困るでしょう❓事実上フランス(またはEU)の代理人です。しかし、強権的には排除できません。EUとの摩擦が大きくなるに決まっているからです。

だからジョージアで激しく政府に抗議活動を行っているグループは、ほとんどズラビシュヴィリの支援者だと思います。ほとんど形を変えたEUの内政干渉と言えます。ジョージアには、元大統領のサアカシュヴィリを支援する勢力も残っています。だから余り強権的な事は、分裂を避けるためにしていません。

ズラビシュヴィリは、「ジョージアの夢」を親ロシア的だと批判しています。
ロシアとの戦争を戦って犠牲者の出ているジョージアが親ロシア的であるわけがないでしょう❓
ジョージアの夢の外交政策の基本は、中立です。反ロシア的な態度を見せればロシアが内政干渉するに決まっています。親EU的な雰囲気が強まれば、やはりロシアが内政干渉するでしょう。ロシアとの摩擦を避け外国からの干渉を排除するには、ジョージアは中立政策をとる以外にありません。これをEUやズラビシュヴィリは,親ロシア的だと批判しています。

そうではなく、「EUに靡かないのが悪い」と言っているだけです。
それを欧米や日本のマスコミは、見た通りの記事で批判します。
中立であることさえ批判します。

呆れませんか❓
内政干渉が、ひどすぎるでしょう。
ひど過ぎる内政干渉を行っているのは東ヨーロッパでは、ほとんどEUの側です。
モルドバでもルーマニアでも同じです。EUの内政干渉を完全に排除しているベラルーシのルカシェンコ❓
「欧州最後の独裁者ですと!」
意味は⇒EUの内政干渉を排除している⇒だから極悪

恐れ入りました!
(しかも、ズラビシュヴィリは大統領選をボイコットしておいて大統領に居座ると言っています。見苦しいでしょう!)

 

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項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


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