あらぐさ(雑草)のこころ

(備忘録)真実は見えないところにある

オリオン座ベテルギウス超新星爆発

2011-07-15 16:55:00 | ノンジャンル


ご存じ美しい造形を見せつけるオリオン座です。
オリオン座の左肩の赤い星が、恒星の一生を超新星爆発で終えようとしている、太陽の20倍もある赤色超巨星「ベテルギウス」です。

僕が一番気になっているのは、超新星爆発で起こる「ガンマ線バースト」による地球への直撃です。
過去、地球の生命活動は、超新星爆発で放出されたガンマ線によって、生物がほぼ全滅するという危機があったと証明されています。
同時に放出されるニュートリノは、人体や地球さえ通り抜けるほど小さいので、影響はないのですが、ガンマ線はオゾン層を破壊し、生命に致命的なダメージを与えるあらゆる宇宙線を降り注がせる原因となる強い電磁波なので、これが超新星爆発した星の自転方向で決まるのが不安材料でした。
しかし、ベテルギウスの精密な観測により、太陽系方向にはガンマ線は放出されない自転方向だと観測結果が出ています。

ベテルギウスの超新星爆発は、太陽が二つになるほどの明るさで輝く天体ショーであり、生きているうちに是非見たいものですが、もしかしたら、観測の結果、1年以内で見られるかもしれないのは楽しみです。
600光年という宇宙的には近い距離にあるベテルギウスですが、地球時間の「現在」の時間尺度では、すでに光の速さで600年以上前には、超新星爆発が終わっているかもしれないので、いつ見られるかはわからないですね。
明日か、10年後か。

「ガンマ線バースト」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9E%E7%B7%9A%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88

ベテルギウス関係「Wikipedia」から抜粋。

ベテルギウスは、地球周辺で近い将来II型超新星爆発を起こすであろう赤色超巨星の一つに挙げられている。これは、ベテルギウスの質量が太陽の約20倍もあり、かつ脈動変光するほど赤色超巨星として不安定な状態にあるとされるからである。
ベテルギウスが主系列星の段階に入ったのは約1000万年前と推定されているが、質量が大きい星ほど核融合反応が激しく進行するので短命となる(太陽及び太陽とほぼ同じ質量の恒星の場合、主系列星段階は約100億年続くと推定されている)。このシナリオは質量の大きな恒星の典型的な一生である。
ベテルギウスが超新星爆発を起こした際には地球にも何らかの影響が出ると言われていた。(過去の地球における生物大量絶滅は、ガンマ線バーストの直撃が原因ではないかとされるものがある) これは、ガンマ線(ガンマ線バースト)により、オゾン層が傷つくことで惑星および生命体へ宇宙線が多量に降り注ぐからである。
超新星爆発の際のガンマ線放出については、近年恒星の自転軸から2°の範囲で指向性があることがわかっている。 これについて、NASAのハッブル宇宙望遠鏡による自転方向の観測結果で、ベテルギウスの自転軸は地球から20°ずれていて、ガンマ線バーストが直撃する心配はなくなったとされる。
なお、超新星爆発した際の明るさについてSN 1054と同規模の爆発と仮定すると、地球からベテルギウスまでの距離は、かに星雲までの距離のほぼ1⁄10であるため明るさは100倍程度と概算できる。SN 1054は-6等級以上の明るさだったと推定されるので、100倍だと-11等級を越える明るさとなる。これは半月よりも明るく、昼でも点光源で輝くことになる。その後は中性子星またはブラックホールとなると考えられている。


「The Huffington Post」の記事

http://www.huffingtonpost.com/2011/01/20/two-suns-twin-stars_n_811864.html

(日本語訳)
冬の夜空に輝くオリオン座、その肩に位置する赤い巨星ベテルギウス。地球から640光年の彼方にあり、直径が太陽の1000倍という、とてつもなく大きな星だ。オーストラリアの研究者によると、そのベテルギウスが、2012年に星の最後をむかえ超新星爆発し、地球にとって2つ目の太陽となる可能性があるというのだ。この発言に海外のネットユーザーは騒然、さまざまな議論を巻き起こしているのである。
超新星爆発とは、星がその一生を終え、最後に大爆発を起こす天体現象である。実はベテルギウスは現在急速に収縮中であり、ここ15年で大きさが15%縮んだという報告がある。また2010年には、NASAがベテルギウスの表面が変形している写真を公開しているのだ。ベテルギウス爆発の前触れが各地で観測されており、いつ超新星爆発をしてもおかしくない状態なのである。もっとも、地球から見えるベテルギウスは640年前の姿なので、実際のベテルギウスはすでに爆発している可能性もあるという。
南クィーンズ大学の物理学者ブラッド・カーター博士によると、「もし超新星爆発が起きたら、少なくとも2週間は2つの太陽が見られることとなり、そしてその間、夜はなくなるだろう」と驚きの事実を語り、さらに、「このスターウォーズみたいなシナリオは、場合によってはもっと先のこととなるかもしれないが、2012年までに見られる可能性がある」というのだ。
2週間も夜がなくなってしまったら、一体どうなってしまうのだろうか? このような大規模な天体現象ともなれば、地球に及ぼす影響も計り知れないだろう。
一説によると、超新星爆発を起こした星から25光年の範囲内は、そのエネルギーで全てが焼き尽くされるという。例えば地球から8.6光年しか離れていないシリウスが超新星爆発を起こすと、地球上の生命は確実に滅亡すると言われている。カーター博士が言うには、「たとえベテルギウスの超新星爆発が夜空を明るくしたとしても、地球上に降り注ぐエネルギーの99%は無害で、人体や地球をそのまま通過していく」とのことだ。
博士は明るくなる以外の危険性はないとしているのだが、「地球滅亡に関わる危険がある」と指摘する科学者もいる。現在のところ、有識者の間でも意見が分かれているようだ。問題の時期については、どれほど精密な天体望遠鏡や最先端のコンピュータを使っても、いつ爆発するのかを的確に予測することは不可能という。実際のところ、本当に2012年にベテルギウスが爆発するかどうかは、断言できないようである。
依然、不明な点が多いのだが、「必ず近い将来爆発する」という点では、科学者の間で意見が一致しているようだ。いずれにしても、ベテルギウスが大爆発を起こしたとすれば、世紀の天体ショーになることは間違いない。オリオンの肩がなくなってしまうのは非常に残念だが、ちょっと見てみたい気もする。

screenshot:huffingtonpost.com