よく泣く母

今日も母は歌を歌いながら泣いてばかり。

『庭の千草』や『忘れな草をあなたに』を歌って、
「こういう歌いいね～、いろいろ思い出すね…、悲しいね…」
そして、
「私にも、そんな時代があったんだよって言いたいの…」
って何度何度も言う。
今はおばあちゃんの私にも、若い良い時代があったんだって言いたかったよう。

「昨日コーラスの先生が『庭の千草』を歌ってくれてね。もう素晴らしかったよ。」
って私が言うと、
「えー！そうなの～？」ってまた泣く。
ああ、あの先生の歌声母にも聴かせたい。
きっと号泣かも。

私のことも分からない時があるくらいの母だけど、歌は絶対忘れない。
そしてきっと、その頃の気持ちもどこか蘇ってくるのかな。
なんだか私も一緒にキュンとなる。

それにしてもこの頃、前よりよく泣く母。
どうしたのかな。