美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

県選抜美術展 地区審査会で考える

2013-12-23 23:56:49 | 日記

この前、青森県中学校選抜美術展の地区審査会が行われた。
写真は審査の様子。

ちょっと加工することに。作品に対しても審査している先生方に対しても、こういう配慮が必要なのかな…と思いまして。スマホのアプリ「Picsart」で加工しました。

 

さて、審査会は例年通りの雰囲気でした。
各学校から選ばれし作品が一堂に会すのですから、なかなか見応えがあります。

規模が小さい本校は、出品割り当て数がかなり少ないのが現状です。平面作品は2点、立体作品が2~3点とされています。

う~む…仕方ないのですが、限られた枠の中に誰のどの作品を出品してあげればいいのか毎年悩むのです。制作者にとってはこの県の美術展に出品してあげるのと、市の美術展に出品してあげるのとでは、どちらがいいものか?

県展だと美術館に展示。 でも急がなきゃ審査会の時期が早い。 市の方だと急がなくてもいいけど、展示は市の文化センター。いつもの場所といった感じ。 入賞を狙ってるような子には考えさせました。

この写真の作品制作者は、県展を狙いました。もともと美術が得意な子。ちょっと高みを狙いたかったんですね。 幸い審査会前日に完成させることができ、見事地区No.1作品に!頑張った甲斐があったなー、よかったなーと努力を称えてあげたい。

 

さて、いつも審査会が近くなると考えます。

これでいいのかな?と。

作品展で入賞すれば、表彰されて周囲から称えられるし、個人の記録にも残る。展示されてたくさんの方々に自分の表現したものを鑑賞してもらえる。自分の経験上言えるのですが、とても名誉なこととして、自分の記憶にずっと残ります。

しかし、こういった作品展の審査会に出して、ある程度上の賞をもらうような作品は、大きく迫力があったり、すごく時間や手がかかっていたり…。純粋に美術の授業だけで完成させるには無理があるような作品が多いと思います。

自分は、作品展など気にしなければ、きっと面白いだろうなーという題材案はいくつか持っています。「美術って面白い!」って生徒たちにも、見る人たちにも思ってもらえそうな気はするのです。しかしそれは、入賞したり作品展で展示されて驚きや感動を与えるほどのものにはなり得ないと思うのです。

それでもいいじゃないか!入賞のために美術やってるんじゃないし!

…でも、入賞したい!って子もいるし、小学校で入賞経験がある子なんかは、本人及び保護者が期待してるってこともあるし…。

 

んー………。

この問題はずーっと前から考えています。

今現在はそういった「面白さ」とか「感動」に、「制作時間」や「入賞の可能性」を加えてバランスをとりながら題材を開発し、実践しているつもりです。基本姿勢はバランス重視。

しかしこのバランスを保つのも難しい…。感動にこだわれば制作時間が長引く。面白さを重視したら入賞の可能性が低くなる。全てのバランスが見事にとれたら、何も際だたない…………。

題材開発は難しいのです。

でも面白い。

だからまた考えよう。

たくさん考えて実践していれば、いつか自分の理想に近いものができるかもしれない!その頃には!…学習指導要領も変わってるかもしれないけど。

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