今年もりんごの木の名札を設置する季節になりました。
本日の天気予報は午後から雨。
よって授業交換で3・4時間目を農園活動に。
2,3年生全員が、美術の授業で制作した円筒形の名札を持って園地へ向かいました。
昨年までは『名札なんだから自分の名前をレタリングしてデザインに入れましょう』だったのですが、今年デビューした2年生の名札はちょっとだけ違います。
制作の段階を簡単に記すと…
1.明朝体・ゴシック体の基本的なレタリングの実習を2時間
2.ポスターカラーの使い方実習(色の学習含む)を2時間
3.自分の名前に使われている字を一文字だけ使用してマークをデザイン
4.そのマークを使って名札のデザインを考える
5.「タッチサークルステンド」を活用して、光を通す名札として制作
要は、レタリングを授業でどの程度重要視すべきか? を考えた結果、これまでちょっと無駄に重要視し過ぎていたなとの結論に至ったわけです。
であれば、基本的なことさえ教え学ばせたら、あとはそれを生かしてマークのデザインに時間を割いた方が良いだろうと。
『名札』ではありますが、そのまんまの名前を入れるのではなく、自分のマークを入れた作品に転換してみたということです。
そして出来上がったものが、ようやく本日園地へ。
昨年度1年生の時に完成させた後この名札は、半年美術室の窓際に展示したり、作品展に出品したりして翌年園地にデビューする仕組みをとっています。
よって園地へのデビューは2年生からとなるわけです。
どれもマークのデザインを生かし、工夫された作品に仕上がったと思います。
若干りんごのイメージが強すぎるかな…?
「りんご関係なくていいよ。」「自分らしさが出るデザインの工夫を。」と言い続けたつもりでしたが、『りんごの木の名札』のイメージが強すぎるのでしょう…。
さて、色と光で園地に華やかさを与えたい
そんな思いで本題材に取り組んでもらっています。だから名札の設置箇所も大事です。
今年は生徒が取り付けた後に一つ一つ点検して回りながら、光が良く当たる箇所に設置しなおすなどひと手間を加えてみました。
するとやっぱり生徒たちは葉や枝の陰になるような光の当たらない箇所に取り付けている子もいれば、このように枝を傷つけてしまうような取り付け方をしているものがけっこうあったので、回ってみて正解でした。
ちなみにこのようにアルミ針金をぐるぐる巻きにしてしまうと、数か月後には枝が成長して太くなり、針金は枝にめり込んで取れなくなってしまうのです。
もちろん実へ十分な栄養を運ぶことを妨げてしまいます。
そんなこんなで全作品の設置を点検・調整し終えた頃には、園地に人影はなく。
慌てて給食に遅れぬよう急ぎ足で学校へ戻りました。
あいにくの曇り空。
光を通して華やかに…といった感じは、今日見ることができませんでしたが、それでもなかなかきれいに仕上がったと思います。
ただ残念なのは数が少ないこと…。
もっともっとたくさんの作品が枝に吊るされると、きっと園地はもっと華やかになるだろうと容易に想像できます。しかし少ない生徒数ゆえ、こればっかりはどうにもなりません。
名札を大きくすることを考えたこともあります。
一人が制作するものを小さくして数を増やすことも考えました。
しかし、そうやって色々華やかさをメインに考えていくうちに、
本来の農園作業の邪魔になってしまう可能性に気づき…
無駄に制作時間を要し、授業時間を削ってしまうであろうことに気づき…
優先するものを間違って、本質を見失ってはいけませんね。
あくまでここで優先すべきは『学校りんご農園』。
そこにひとつ美術の華を添える程度のモノでなければなりません。
作業の邪魔になったり、枝や実を傷つけてしまったりして、みんなから煙たがられる作品では美術の工芸作品としての機能性も失格。
ほどほどに、この程度で留めておくべき題材だと思います。
さて例年よりも暑くなるのが早く、作業はちょっと大変…。
しかし保護者の方々・地域の方々の手を借り、真面目に手をかけて育てていますから、りんごの実たちもかなり大きくなりました。
地道な作業はこれからも毎週続きます。
天気が良い日に日差しを受け、この作品たちが少しでもみんなの疲れを癒してくれるといいな。