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安倍政権、TPP交渉参加を表明

2013-03-15 22:31:37 | 社会

安倍政権はTPP交渉へ参加する意思を固めた様だが、昨年の衆院選から強く訴えていた、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。これを主張する様に、交渉参加を表明すると同時に関税撤廃を拒否する分野も表明している。

農業分野や保険分野など。

だが、東京新聞が3月7日に掲載しているが「「環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、二〇一一年十一月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。複数の外交関係筋への取材で七日分かった。」らしい。

安倍政権の主張する「聖域」とは「関税撤廃の例外」を示しているはず。
東京新聞の記事をそのまま受け入れれば、TPP交渉に参加を表明した安倍政権の主張する「聖域」が確保できなければ交渉から辞退しようとしても、参加九カ国の条文により不可能な事と捉える事も出来るのではないか。

だが、東京新聞が記事掲載をしたのは、7日であり自民党が交渉参加への条件として「聖域」が得られなければ交渉脱退するとしたのは昨日であり、自民党が決議した内容を承諾しても参加表明を行っている筈。
東京新聞の掲載した内容は自民党も安倍首相もしっかりと把握していた筈だ。

なのに、「聖域」を確保できなければ交渉から脱退、辞退するとしたのだろうか。東京新聞の記事と安倍政権の行動は全く相違している。
東京新聞の記事が正確な情報であれば、TPP交渉へ参加した日本は、「聖域」が得る事がなかろうと独自に辞退する事は不可能となるのではないか。交渉の打ち切りは参加9ヵ国の承諾がなければならないとしているのだろうから。


東京新聞の記事には、自分は何故か納得させられる事が出来ない。

だが、TPP交渉は既に参加している9カ国が定め原則とする条文は分野に関する事であり、協定全体に関する事では無い筈だ。
これまでに参加国による各分野の交渉で定めた結果のみが決定的なのだろうし、追加参加国からの再交渉は認められないとされているののかもしれない。

現在21分野で交渉が行われているとされるTPP。21分野の中で、既に合意がされている分野での再交渉は難しいのかもしれない。
だが、追加参加国の交渉の仕方によっては決して不可能とは言い切れないのではないだろうか。

2005年にTPPを開始したのはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヵ国であり、この時点でTPPに関する条約が確定されてなければなかったのではないか。
だが、条約が確定されたのは交渉拡大によりアメリカなどが加わってからの事だろう。

条約の確定に経済大国の影響力が大きく影響している事は間違いないんじゃないだろうか。既に参加している、或いは参加表明した国々で大きな経済力を持つのは日本とアメリカの2国と思われる。
日本経済もTPP交渉には大きく影響していくのではないかと思われるが。

また、全ての交渉分野で既に合意されている事など無いだろう。
一体どれだけの分野での合意がされているのだろうか。特に関税撤廃に関し、どの分野でどの様な合意がされているのだろうか。
現在でも多くの分野で交渉は行われている筈だ。

TPPでの既に合意されているかもしれない分野の交渉権などは参加9カ国のみにあり、追加参加国には認められないとされている。
既にその分野での交渉は終了し、後から参加した国々には何も主張する権利は無いとしているという事だろう。

後からTPPに参加を求める国々は、既に定められている分野の条文には絶対に従わなければならないとしているのでないのか。
その分野の合意条文に対する再交渉は難しいのかもしれないが、全ての交渉参加国が承諾できる分野の合意の条文が作成されなければ、意味ある協定締結はなされないのではないだろうか。
そうでなければ、後から交渉に参加しようとする国々は交渉参加するのでは無く、単にTPP協定に加わろうとしているだけになってしまう。

外務省のTPPに関する情報を見てみれば、「TPPの輪郭」に「1、協定の5つの特徴」、「3、協定条文案」がある。

「協定の5つの特徴」には「生きている協定」があり、「将来の貿易の課題や新規参加国の追加に伴う課題に対処するための協定の更新」とある。
これは参加9カ国により先に定められた協定は絶対では無く、追加参加国に伴う協定の更新があるとしている。
追加参加国があれば、それに伴う協定の改定があるとしているのではないか。

協定条文案には、9カ国による協定を原則とするのでは無く、「事実上全ての交渉グループで統合条文案を作成」とある。
TPPに関する協定は先の参加9カ国のみで確定される事では無く、交渉に参加するすべての国によって定められるとされているのではないか。

故に、決して参加国による交渉は終了してなどおらず、追加参加国があろうと、その国々も含めた交渉を行い協定の条文を作成するとなっていると思われるが。

日本だけでは無く、関税の完全撤廃を拒否している交渉参加国は存在している筈だ。そして関税撤廃はあくまで原則であって、絶対では無いとされている。
交渉に参加する時には、関税撤廃を基本としなければならないのかもしれないが、交渉参加国は自国にとって重要な項目に関しては関税撤廃を行う事は必然とはされておらず、交渉により「関税撤廃の例外」の追及は可能な筈だ。

第1次産業に関しては参加国の多くが慎重な姿勢を見せているのではないかと思われるし、第2次産業では特にアメリカが意識しているだろうし、第3次産業に関しても自国に損益をもたらす事など交渉参加国は求めないだろうし、全ての交渉分野において協定が締結されるなどといった事はありえない筈だ。

自国の損益を全く意識せずに交渉に参加し、自国にとって意味の無い不利益となる協定に参加する国は果たして何ヶ国あるのだろう。
参加する事に意味の無い交渉結果を認める様では、その国は自滅する事を選択する事となるだろうから。

15日に安倍政権はTPP参加による政府資産を表明しているが、全ての分野の関税撤廃を行った時の日本の収益を有益としている。
ただ関税撤廃をした時には、農業の生産額が3兆円弱の現象となるとされ、対し一般消費や工業製品の輸出は増加し、GDPを押し上げる効果があるとしているが、全てが完全撤廃されるとした場合には、確かに農業に大きな悪影響が及ぶかもしれない。

だが、安倍政権は農業の複数の分野を「聖域」とし、「関税撤廃の例外」を求めようとしている。

と同時に、農業を守ろうとするのでは無く、株式会社による産業化を活発に行い積極的に輸出を行える様に変化をさせようとしている。日本の米や農産物の評価は世界では高いのではないか。
輸出を目的とする活発な産業化を行えば、衰退状態にある日本の農業に大きな活性を及ぼす事となるのではないか。

TPP交渉により、日本の農業を「関税撤廃の例外」と出来、内側だけの生産を行うのでは無く輸出を目的とする活発な産業化が進めば、衰退している日本の農業に大きな変化を及ぼす可能性は高い。
TPP交渉はTPP担当相を兼務される甘利経産相となる様だが、果たして日本経済にどの様な意味ある交渉を行う事が出来るのか。

安倍政権だけでは無い、日本経済にとって非常に重要な交渉が求められるのではないだろうか。