キリは品格のある踊りに定評のあるKさんと鯉好先生のコンビです。羽衣伝説や早間の踊りこむ場面など、見ごたえのある日本舞踊です。そうそうこの二人は同い年。喜寿を過ぎてすくっと足を上げたり、きりっと回ったり座ったり立ったり、お二人を目標に私も研鑽を積んでいきたいと思います。
ここからベテランの方々の舞台になります。今回初めて床机として使える縁台を日本橋亭で見つけ、使うことができてぐっと舞台が映えました。江戸の美人画に何枚も描かれた「おせん」。水茶屋の看板娘として粋を通す大人の女の色香をNさんが魅せました。
女形を得意とするD君にきちんとした上品な踊りをマスターしてもらいたくて選びました。良い振りがついている分だけ、踊り分けが難しく、すり足などのお仕舞いにも通じる所作だけでなく上品な色気も要求されます。仕事帰りにお休み無く通ってチャレンジした甲斐があって、確実に上達しました。でも芸の奥行きは深く更なる高みを目差してお互い頑張りましょう!
樋口一葉の「たけくらべ」を大和楽という現代的な邦楽に鯉三郎家元の見事な振付で、短いながらドラマテイックな日本舞踊です。かわいらしいAさんにはぴったりの演目でした。木更津から門前仲町まで通うだけでも大変なのに、日本舞踊も最近特にめきめきと上達してきました。好きこそ物の上手なり、ですね。