ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

サンドイッチ・公園・けやき

2005-09-02 21:56:47 | Weblog
 ニ~二ァ、二ァオ~。
「ま、ジョディ。ここまで来ちゃったの?」
ニ~ァニャォ。私の足に体をこすりつけて、ベンチの下を行ったり来たり。
こんな事がしたかったのよ、ばりに、砂が敷き詰められた公園の固い地面
でのたうちまわって、プイッとどこかへ消えてしまった。
 
昨日から、私達夫婦の、『猫の飼い方』の方針変えの恩恵に浴したジョディ。
野良猫が徘徊する近辺に、放すなんて出来ない。その上、夏場はノミ・ダニ
に冒されて、もう1匹の姫、マリリンに移されては叶わないから、箱入り娘
ならぬ、猫だったのよ。
そうねえ、かれこれ8年、もう9年になろうという飼い猫よ。
愚息その①が、知り合いからもらってきた猫。アメリカン・ショート・ヘア
って言うけど、気性はそのものだけど、言われなきゃ、否 言われても「そ
うなの?」と、疑わしき視線を向けられる程度の、色合い・マーブル模様。

ウチの犬猫は、有名人から取った名前をつけられるようになってるのよ。
ジョディの前には、貫禄が置物になっているという風情のペルシャ猫。この
子の名前は、マリー・アントワネットから「マリー」。その前も、同じ親か
ら生まれたペルシャ。この子の名前がちょいとその辺では聞かない名前。
「シェーラ」きちんと言えば、シェーラザード。ご存知の方はご存知。かの
有名な「アラビアンナイト」=「千夜一夜物語」で、生娘を破瓜して、翌朝
殺す。その王様の夜伽に、毎夜毎夜 物語る姫の名がシェーラザード。

でもね、お話が何にも出来ないって、思ったのか、半年で忽然と姿を消して
しまったシェーラ。暮れも押し迫った頃、2週間ほど、我が家のお玄関のド
アは10㎝ほど、夜っぴて開けっ放しにしていたんだけど、彼女は帰ってこ
なかったわ。

まあ、犬猫がいない季節はなく、只今の家族構成の中で、禁足を命じられて
いた、唯一のジョディ。他の生き物は、リード付き散歩のマリリンであって
も、自由に家の内外を行き来しているのに。
マリリンが来て、ジョディもやっと、人間を信用できる生き物と見るように
なって、今まで? フン!てなものよ、彼女にとっての飼主は。今でも、絶
対に服従なんかしないんだからね!の姿勢は変わらないのだけど、そろそろ
外出を許可しようか、になってね。

セニョール・ダンは、2匹の姫達にキチンと、ノミ・ダニの薬もやってるみ
たいだし、ここのところ野良猫の陰も見えないようなのでね。それに、ジョ
ディを相手にできるオス猫がいたら表彰ものというほど、気性が荒いから、
ママになる公算は低いってネ。
猫は、短毛種でも、毛づくろいをすると、必ず胃に溜まったそれを吐くのよ。
今時「猫の草」なんて、イネ科の植物が園芸店で売ってるけれど、やっぱり、
そういうのは胡散臭い。外で、気に入った草を食べて、思いっきり胃の中の
不快なものを吐き出してくればいい!よ。気が済めば、いずこからか帰って
くる彼女。
そういう彼女を、マリリンは、なんで?の恨めしげな顔をしてるけど。

午前中の家事は、あらかたおしまい。さっさとペイジをめくる行動に入った
んだけど、家の中は、なんだか暑く重い空気が居座っている。窓という窓の
戸は開け放ち、外気も入ってこないわけじゃないけど、なんだか心地悪い。
「そうだ!」

昔々、愚息その①が幼い頃、大きなバスケットに、様々な形、材料のサンド
イッチを、他に、お菓子果物や飲み物を詰め込んで、近所のチビ助達を引き
連れて、公園によく行ってた事を思い出して、やおらサンドイッチ作りよ。
私だけのものだから、6枚切の食パン1枚。それを2枚にして、ノン・オイ
ルのツナ缶を開けて、マヨネーズをブチュッと。レタス・ツナ・トマト・ハ
ムのミックスサンドの出来上がり。
200ccの半分凍った、自家製アイスブラックコーヒーのペットボトルを
冷凍庫から出して、マリリンに
「行って来ます。いい子にしててね」
セニョールはいつものように、午前のお出掛け。ジョディ?どこかへ。

小さなタオル3枚。1枚は、コーヒーのボトルを巻いて。
携帯電話に、読みはじめ出した、スティーブン・キングのエッセイを、それら
と共に、今日は小ぶりの籐カゴに入れ。頭には、しっかりツバ広麦藁帽子を乗
せて、目の保護には、濃い目のサングラスで、さあ、久しぶりの戸外の読書タ
イム。少し、心弾むわね。

いつもは、誰かしら居る裏の小さな町内公園。珍しく無人。
真中にドーンと居るケヤキは、まだ夏の名残の濃い緑に覆われているけれど、
そこかしこに吹き寄せられたその木のおびただしい枯れ葉は、秋への助走の姿。

メイルの着信音。
見てみれば、スサーナから「Como estas?」久しぶり。メイルは面倒で、電話よ。
8月は、彼女のスペイン語クラスはみんな夏休み。来週から2学期ってところ。
1週間の短い滞在だけど、アパートを借りて、本場のフラメンコを見に行った、
2人の、フラメンコ教室のお嬢さんたちも帰っていらして、お土産話が聞けるそ
う。楽しみな逢瀬よ。
是非、私も呼んでね、ってお願い。彼女はお仕事のお昼休みに連絡を下さったの
で、そうそう長話は出来ないから、お互いに元気の確認というところよ。

ケヤキの大きな幹に、1匹のミンミンゼミが行く夏を惜しんで?否、短い命への
惜別の羽の擦り音。やかましいほどの大きな鳴き声(に聞こえる)。

ベンチにかけた途端の、どこかで待ち構えていたようなジョディの出現。けれど
もあっという間にいなくなり、携帯電話も無音に。時折強く吹く風に、木々にし
がみつく葉のざわめき、かさこそ動く枯れ葉の衣擦れ。心地よい静寂が戻り、公
園は、木々や、遊戯設備、ベンチのそれぞれの陰が、向きを変えて、かなりな時
が経った事を告げていた。

家に戻り、夕方の水撒き。
散水ホースはあるけれど、なんだか気が引ける無駄な水撒きに思えて、かるく10
回は蛇口の栓は開け閉めするけれど、如雨露に水を入れて、行ったり来たりで、
お花達へお水をやるのよ。
いっつもどこかで、『便利・簡単』という単語に、腰に手をあてがい、心持顎を
持ち上げて、「それがどうした?」の気分を持ち歩く人間だから、如雨露の水遣
りだって、横着しているような気分になるわ。日本人なら、桶に柄杓でしょうが!!
ってね。

セニョール・ダンは、夕方、なんやらの打ち合わせって、高校時代(広島)の人
と会食。その後、久しぶりに中野で「中国文化研究会」よ。ここのところ、地震
の話で持ちきりの首都圏だから、20ウン階のマンションで行われる研究会に、
地震なんか起きませんように!って、せん無いこととは思うけど、ちょっと祈っ
ちゃったわ。

今日も幸せな1日でした。ええ、もちろん読み上げたわよ。
さあ、次は、ケイコサンが、はまりそうっておっしゃる、ゲバラ。その本に取り
掛かりましょう。ゆっくりどうぞ、って言って下さったけれど。読書も勢いで読
んでこそ、面白みも倍増するって思うのよ。まあ、ジャンルにもよるけどね。
ゲバラ?なんで、アルゼンチン人の彼が、キューバ革命を成し遂げたか?
やっぱりトロトロテレテレ読むものじゃあないでしょう。ね?