日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

天空の蜂 / 東野圭吾 / 講談社

2006-01-15 15:48:58 | 
これも普段読んでいるブログがきっかけで読み始めた。
いつものように読み始めるときは、何がきっかけでこの本を手に取ったのかわからない状態で読んだ。
そして、元記事をみてびっくり。「最近の感動!」としか、書かれていないではないか・・・。
なんて自分は単純なんだ。昔、英会話の先生が「プライベート・ライアン」はいいぞ!と言ったので、急いで観に行って、グッタリして帰ってきたこともあるのに、ちっとも懲りてない。
まぁ、東野圭吾の「秘密」が良かったから、借りる気になったんだけど。
原発の賛成・反対の両方がバランス良く折り込まれている。
自分も福井県にいたことがあるので、そういう方向からも楽しめた。

ミステリーというか、謎解きものって、読んでいる時は楽しんだけど、楽しむだけでいいのかなぁって、ちょっと後めたい。ビールをがぶ飲みした後のようだ・・・。

神様がくれた指 / 佐藤多佳子 / 新潮社

2006-01-15 15:32:30 | 
おもしろいと聞いて読み始めた。376ページ、2段組と読みがいのある本。
スリと占い師の奇妙な生活の様子が微笑ましい。中盤から線の細い女の子が登場してくるあたりから、読むスピードが上がった。
人好きのする人物とヒロインがいると話は面白くなる。
占い師が、別の人と出会う続編があっても良さそうだ。

プロジェクトマネジメントの本 / 日本プロジェクトマネジメント・フォーラム編 / 日刊工業新聞社

2006-01-15 15:26:42 | 
2005年5月からプロジェクト・リーダーの仕事をしている。
これまでもいくつかのプロジェクトに関わってきたが、音頭を取るのは初めてだ。
10月までは、ほとんどプロジェクトを進めることができなかった。
やるべきことはわかっているようでも、行動ができず、自分の分担が進められなかった。
11月から増員がされて、自分の分担を受けてもらえるようになったが、「進捗が見えない」とよく言われている。
毎週の進捗報告会というのを、これまでのプロジェクトで行われてきたが、その有効性がわからなかった。
計画に対して遅れていると報告しても、何か手が打たれるわけでもなく、個人の頑張りが全てだった。
計画自身にはじめから無理があるとも感じていた。
そんな10数年の後、自分が進捗報告会を開催しなければならなくなり、やっぱり遅れに対して手があるわけでもなく、かと言って進捗を確認する場は必要で、「自分は何をやっているだろう」と辛い日々を送っている(ちょっと大袈裟)。

で、何かヒントはないかと冬休みに読み始めた。
プロジェクトマネジメントとたいそうな名前がついているが大きな発見はなかった。
これまでやっていたプロジェクトの通りに進めるしかないらしい。
目的を設定し、チームで共有して、各仕事に分割し、進捗を確認する。

プロジェクトの定義のひとつに「独自成果性」というのがあげられていた。

競争で優位に立つために新たな価値を創りだす、取り巻く状況の変化に対応するために行動を起こす、あるいは定常的でない課題や問題を解決する活動のことです。なお、この独自性ゆえに、プロジェクトには通常の活動と比べて高いリスクが内在しているといえます。

何が通常なのかわからないが、リスクがあるので、それに対応する必要があるということか。

で、リスクに対しては

①回避(代替案を実行するなど、その対象となる作業を行わないこと)
②転嫁(保険のようにリスクを第三者に引き受けてもらうこと)
③軽減(共同体などのようにリスクを分担し、リスクの影響度をすくなくするすること)
④受容(リスクを識別した上で対策をうたないこと)

という対応があるそうだ。うーん、どうも、自分が感じているリスク対応と違うというか、これまでこうした対応を見たことがないなぁ。

スケジュールの遅れに対しては、工期短縮と並行遂行が上げられている。
リソースを投入して作業短縮をする(投入後すぐに機能しない)、見きり発車で後工程を進める、ということだ。
どちらもコスト・リスクに影響があると書かれている。当然である。ただ、我々はコスト増を認められにくいんだなぁ。

プロジェクトを進めていくと、複数の選択肢から一つを選ばなければならないことがある。
声の大きい人の意見が明確な根拠なしに通ってしまうと、プロジェクトは成功しないとも書かれていた。

リーダーはコミュニケーション力や説得力を十分に発揮し、その真の問題点を見つけ出し、合理的な解決案を提示しながら、両者の希望を最大限に活かして、問題が解決されることを積極的に働きかけるという重要な役割を担っています。


と、いう感じで、現状の改善策は見つからなかったが、プロジェクトというものが整理されたものに振れることができた。

なるほどの対話 / 河合隼雄 吉本ばなな / NHK出版

2006-01-15 12:39:01 | 
人が「面白い」と言っているものに、興味を持つことが多い。
まぁ、単純で影響されやすい、ってことなんですが。
で、この本も「元気になった」って、書いてあるのを見て、借りてきた。
自分の場合、図書館で借りるまでに日があくので、どういう意図で読む気になったかは、忘れた状態で読み始めることがほとんど。

私はこの本を読んで元気になったという感じにはならなかった。
でも、色々な気付きがあった。
偶然性ということについて、話が盛り上がっていた。カウンセリングも小説も思い通りにしようとするばかりでなく、偶然が入ってきて本物になるというような話だ。世の中、偶然というか意図通りじゃないことが起こって、物事が進むのが普通だから、それがないのは不自然だということらしい。
自分の管理するプロジェクトが「偶然うまくいった」ってことにならないかなぁと期待するのは、責任からの逃避だろうか(笑)。

「本当に言いたいこと」を言語化できないという話は、共感できた。
元妻の「本当に言いたいこと」がわからずに、お互いが苦しくなってしまったからだ。多分、彼女自身も何が「本当に言いたいこと」なのかをわかっていなかったんだと思う。カウンセリングでは、自分を信じることと謙虚になること、そして、腰を据えて付き合うこと、「ぼくが治そう」と思わないことで、道が開けてくるという話だった。身近にいる人に対しては、なかなかそういった態度が取りにくい。

なぜ小説か?というのは昔からの自分のテーマである。
「言いたい事があるなら、それを書けばいいじゃないか。小説なんて、色々な解釈ができるし、作家の意図と違うように取られることだってある。読者だって作家の意図と違うところで感心したり、だめな作品と判断してしまうことがある。」
この対談では「思いを言語化できないところに物語は入っていける」という点と「違う世界をぶつけることで隙間に入る」ということだろう。