カピバラさんの2泊3日(4)

2017-08-02 21:38:51 | 童話
4匹で道路を歩いている時に、道端に綺麗な水が流れている小川があるのを見つけました。
『あっ、メダカだ。水草の所に小さなフナもたくさん居る。』
『よそ見しないで歩きなさい。行くわよ。』と言って、お母さんは歩いて行きました。
僕は、お母さんの注意が耳に入らないくらい立ち止まって小川を眺めていました。
するとメダカが『どこへ行くの?』と話し掛けてきたので『みんなと田舎の友達の所へ行くんだ。』と応えると、メダカは『僕達も川の上流まで行く事があるけど、すぐここに帰ってくるよ。ここは居心地がいいんだ。』
『僕も川に入っていい?』
『ああ、いいよ。』
『気持ちいいな~あ。』
僕は小川の中に男の子が居るのに気が付いた。
『何しているの?』
『ヤゴを捕まえているんだ。』
『捕まえたヤゴはどうするの?』
『家の池で育ててトンボにするんだよ。』
『楽しそうだね。』
『トンボになって空へ飛んで行くのは、すごく楽しいよ。』

その時、遠くで『キュルル、キュルル。』という声が聞こえました。
お父さんとお母さんが、『キュルル、キュルル。』そして、お姉ちゃんも、『キュルル、キュルル。』みんなで僕を探しているのでした。
僕は男の子に『僕は友達の家に行くところなんだ、もう行くからね。』と言って、お父さんやお母さんに向って『キュルル、キュルル。』と鳴きました。
僕は急いで皆の所に戻った時に、お父さんからお尻をポカリとたたかれました。
『道草をしたらダメじゃないか。』
『ごめんなさい。』