電車は車輪のかけっこ

2017-08-13 09:10:30 | 童話
電車は車輪のかけっこ、たくさんの車輪のかけっこ。
一台の電車に8個の車輪、二台には16個の車輪、たくさんの車輪のかけっこだ。
一番前の車輪が後ろの車輪たちをはげましている。
ガンバレ、ガンバレ、坂道だぞ、ガンバレ、ガンバレ。
一番後ろの車輪が前に向かって、前のみんなガンバレ、ガンバレ。
真ん中の車輪が大きな声で、前のみんな、後ろのみんな、ガンバレ。
みんな力をあわせてがんばっている、坂道に負けないように。

よし、坂の上にきたぞ。
遠くが見える、いい景色だ。
遠くの山や畑とお話しながら走ろう、大きな声でお話をしながら。
ずいぶん遠くまで走ってきたね、みんなで力をあわせて遠くまで。次の駅が見えてきた。
一番前の車輪が後ろのみんなに向かって、駅だぞ、駅だぞ。みんなが大きな声でさけんだ、やった駅だぞ、駅につくぞ。
 
一番後ろの車輪はまだ駅が見えないけれど、一生懸命に押しながら、小さい声で、駅だ、駅だ、ガンバレ、ガンバレ、みんなガンバレ。
やっと一番後ろの車輪が駅に着いた。

頑張ったね。
そうだね。