ほんわか村(1)

2016-05-16 21:20:09 | 童話
ここは南の島のほんわか村、村長さんはカピバラさんです。

村人は、ゾウさん、キリンさん、カバさん、アライグマさん、ナマケモノさん、ミーアキャットさん、そしてチンパンジーさんです。

村長のカピバラさんは、いつもボーとしていているノンビリやさんです。
野菜を食べる事と、お風呂に入ってボ―としているのが大好きです。

ゾウさんは、どっしりしたおとなしい性格で、みんなに信頼されています。
暑い時は鼻でみんなに水をかけてあげます。

キリンさんは、村一番のノッポさんで、その長い首でいつも村全体を見て、村の平和のために頑張っています。

カバさんはいつも川の中にいて、暴れん坊のワニから村の動物達を守っています。

アライグマさんは料理が上手で、村の動物達を喜ばせています。
もちろん料理をする時は手をきれいに洗います。

ナマケモノさんは、うん~と、何しているのかな?
でも、みんな集まって相談する時は、いろいろな意見を言ってくれるので居ないと困ります。

ミーアキャットさんはダンスが上手なので、みんなが集まってダンスをする時に、ダンスを教えてくれます。

チンパンジーさんは、道具を持つのが上手なので、道具を使ってみんなの家を作ってあげます。

靴達のおしゃべり(3)

2016-05-15 10:31:14 | 童話
そこに男の子がやってきて、
『僕は、いろいろな物を大事にするから大丈夫だよ。お父さんもお母さんも妹も、みんなを大事にするからね。』
『わぁ、うれしいなぁ、うれしいなぁ。』

そして、小さくなって履けなくなった靴や、古くなって破れた靴を捨てる時に、男の子と女の子が
『靴さんスリッパさん、今までありがとう。』
と言いました。

お母さんは、小さくなったが、まだ履けるきれいな靴を、靴を買えない外国の子供に贈る活動をしている所へ持って行くことにしました。

男の子が、
『僕の靴はどこの国の子供が履いてくれるのかなぁ。』
女の子が、
『履いてもらえるのねえ。』
と言ってバイバイをしました。

また玄関で、たくさんの靴がワイワイガヤガヤとお話しを始めました。

男の子が、
『あの赤い線のあるスニーカーは、どんな子供に履いてもらえるのかぁ。それと、僕が気に入っていたブルーのスニーカーも履いてもらえるとうれしいなぁ。』
と言うと、女の子が、
『私の真っ赤な靴は、大事に履いてほしいわ。』
と言いました。

そして、玄関の靴達も、
『元気でね、バイバイ。』
といってパタパタと床を鳴らしました。

みんなみんな、元気でね、バイバイ。

おしまい

靴達のおしゃべり(2)

2016-05-14 09:34:24 | 童話
そして、男の子が帰ってくると、男の子が履いていかなくて家に残していた靴たちが、男の子が履いていた靴にお話しをしているのです。
『今日はどこへ行ったの?』
『ずっと歩いたの、走ったの?』

そして、またワイワイガヤガヤとおしゃべりをするのです。

男の子が靴を脱いで、スリッパに履き替えるとスリッパが靴たちに自慢して、
『君達は時々履いてもらえるけれど、僕は帰ってくると必ず履いてもらえるんだよ。』
『毎日履いてもらえて、いいなぁ。』

すると、女の子のスリッパが、
『私も毎日履いてもらえるのよ。』
と自慢そうに言いました。

『スリッパのみんなは毎日履いてもらえるから、うらやましいなぁ。』

すると、家の中の方の食器棚の中から、おちゃわんとお箸が、
『僕も毎日使ってくれているんだよ。』
『私も毎日使ってくれているわよ。』
と言って自慢しました。

そして、さっきよりもワイワイガヤガヤの声が大きくなっていったのです。

靴達のおしゃべり(1)

2016-05-13 21:27:53 | 童話
この家の男の子が出かける時に、いつも玄関で話し声が聞こえてくるのです。

『今日はだれが履いていってもらえるのかなぁ?』
『昨日は君が履いていってもらったんだから、今日は僕が履いていってもらえるよ。』
『ちがうよ、僕を一番気に入ってくれているから、今日も僕を履いていってもらえるよ。』
『二人共ちがうよ、今日は僕の番なのさ。』

靴達がワイワイガヤガヤとおしゃべりをしていて、みんな自分を履いていってもらえるのが楽しみなのです。

だけれど、あまり履いてくれないので、さみしがっている靴がみんなとお話しをしています。

『みんなはいいなぁ、僕は雨の日しか履いてくれないんだよ。』
とレインシューズが言うと、
『そうだね、僕達は学校へ行く時の靴や、サッカーをする時の靴や、きれいな服を着て行く時の靴があるけれど、みんな良く履いてくれるよね。だけれど、レインシューズ君はあまり履いてくれないよね。』
『そうなんだ。レインシューズと言う名前は、雨のレインと靴のシューズだから雨の日だけになるんだよ。』
『そうだね、名前を変えようよ。僕は【濡れない靴】が良いと思うよ。』
『僕は【晴れている時は履かない靴】が良いと思うよ。』
『僕は、【速く走れない靴】の方が良いと思うよ。』
『私は、【雨が楽しくなる靴】が良いと思うわ。』
『僕は、市場の人がみんな履いているので、【市場の靴】が良いと思うよ。』

こうして、みんなでワイワイガヤガヤとおしゃべりをしているのです。

山の巨人(4)

2016-05-12 21:15:34 | 童話
その次の日、巨人がいつものように、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ました。

町に着くまで、着いたら小さくなるのを忘れないようにしていましたし、あまり小さくならないようにすることも忘れないようにしていました。

そして、いつものように町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰りましたが、帰る時に山の中で暗くなってきました。

その時、巨人は普通の大人の人と同じ大きさであることに気が付きました。

元どおりの巨人の大きさになるのを忘れていたのでした。

そして、巨人は、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰りました。

それから巨人は、小さくなることや、元のように大きさなることを、もう忘れ無いだろうか?

君達みんなで
『もう忘れないでね。』
と言ってあげようか。

『山の巨人さ~ん、忘れないでね!』

おしまい