山の巨人(3)

2016-05-11 07:34:52 | 童話
次の日、巨人がいつものように、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ました。

そして、町に着くと巨人は小さくなったのですが、小さくなり過ぎて大人の手のひらに乗る大きさになったのです。

小さくなり過ぎた巨人は、町の人の足で踏みつぶされないようにして歩きました。

『さっき豆粒みたい物が走って行ったね。』
『そうだねぇ、あれは何だったのかねぇ。』
『もう来ないのかなぁ。』

そして、巨人は食堂に入ったのですが、お店の人は気がつきません。

巨人は小さくなり過ぎたのに気が付き、誰もいない所で大きくなって大人と同じ大きさになり、いつものように、町の食堂でお昼ご飯を食べて、お買い物をして、山に帰って行きました。

もちろんいつもの巨人のように大きくなって、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ったのです。

山の巨人(2)

2016-05-10 21:37:09 | 童話
ある日、巨人が山から町にやってきた時に小さくなるのを忘れて、巨人のままでした。

みんなは巨人の足しか見えないので、巨人だとは気がつきません。

『今、大きな足が通り過ぎていったね。』
『そうだねぇ、大きかったねぇ。』
『ドスン、ドスン、ドスンと大きい音がしていたね。』
『もう来ないのかなぁ。』

巨人は食堂に入れないので、小さくなるのを忘れていたことに気が付き、誰もいない所で小さくなりました。

そして、いつものように、町の食堂でお昼ご飯を食べて、お買い物をして、山に帰って行きました。

もちろん帰る時は、また大きくなって、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ったのです。

山の巨人(1)

2016-05-09 21:24:08 | 童話
昔、ある山に巨人が住んでいました。

山の頂上に足があり、足から上は雲の上にあるので、みんなは巨人だとは分かりません。

その巨人は、山から町にやって来る時に、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ます。

町に着くと巨人は小さくなって普通の大人と同じ大きさになり、町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰ります。

帰る時には、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ります。

山の巨人は小さくなっても力持ちで、町にいる時にみんなの手助けをします。

お年寄りが荷物を持っている時は代わりに荷物を持ってあげ、自動車が子供にぶつかりそうになった時には自動車を止めて子供にぶつからないようにします。

だけれど、巨人は町にいる時は普通の大人と同じ大きさなので、みんなは巨人だとは分かりません。

僕の電車のお客さん(4)

2016-05-08 08:55:18 | 童話
僕とシロが運転するトロッコ電車はもっと高い山の駅へ走って行きました。
『ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。』

僕が起きると、お母さんが
『よく昼寝したわね。あら、どうしてモミジの葉っぱを持っているの?
あらっ、シロの毛にも草が付いているわね、どうしたのかしら?』

『トロッコ電車で山の高い所へ行ったからだよ。』
『ええっ。』
『うちの子は、今度ロケットに乗ったら火星の石でも持ってくるんじゃない?』
『そうかも知れないね。』

僕は、お父さんとお母さんのお話しを聞いて、次はロケットを運転しようと思った。

だけど、ロケットの運転席が分からないので、絵本で調べてから乗ろうと思った。

まだ、ロケットの運転席の絵本は見つからないが、ロケットを運転するのが楽しみだ。

おしまい

僕の電車のお客さん(3)

2016-05-07 13:03:40 | 童話
また僕が運転手で、助手は犬のシロです。

そして、ホームのアナウンスがありました。
『左の方からトロッコ電車が入って来ます、お客さんは切符を買って、客車がちゃんと止まるまでお待ちください。』
『ゴトンゴトン、ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。』
『停車位置よ~しっ。』
『今の駅、今の駅。』
『皆さん、今の駅に到着しました。乗る人は、降りる人が終ってからお願いします。』

『ルルルルルル。』
『皆さん発車しま~す。次は「次の駅」、「次の駅」で~す。』
『ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。』
『わぁ、谷の上の鉄橋だ、高い所を走っているんだね。』
『ええ、そうよ。素敵ね。』
お母さんは大変楽しそうです。

そして、トロッコ電車は「次の駅」に着きました。お父さんとお母さんはこの駅で降ります。
『はい、ありがとうございました。切符はこの箱に入れてください。』