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【沖縄女性遺棄 】怒りと痛み抑えられぬ 女性団体が記者会見/ 5/22「追悼と抗議集会」 

2016-05-21 01:03:10 | 沖縄

毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20160521/k00/00m/040/076000c

沖縄女性遺棄

怒りと痛み抑えられぬ 女性団体が記者会見

 
 

 「基地の島」で再び起きた凶悪犯罪に沖縄の強い憤りの声が渦巻いている。沖縄県うるま市の会社員、島袋里奈さん(20)が遺体で見つかり、元米海兵隊員で米軍属の男(32)が逮捕された事件。女性団体の代表らが20日、県庁で記者会見し、戦後繰り返されてきた米軍関係者による残虐な事件に涙し、怒りの声を上げた。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の全面返還合意につながった約20年前の少女暴行事件の時のように、沖縄の反基地感情が爆発している。

 「怒りが痛みを持ってわき上がるのを抑えることができない。沖縄に暮らす私たちはみな、自分にも起こり得たことだと言葉を失い、痛み苦しみを共にしている。真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める」

 沖縄で女性の人権を守る活動を続けている「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表(76)は会見の冒頭、オバマ米大統領や安倍晋三首相に送ることを決めた要求書を厳しい表情で読み上げた。また、22日に米軍キャンプ瑞慶覧(北中城村など)前で抗議集会を開くことを明らかにした。

 会見に参加したのは約20人。横一列に座り、次々と強い抗議の意思を示しながら、時折涙ぐむ人もいた。

 沖縄では1995年9月に少女が米兵3人に暴行される事件が発生し、県民の反基地感情が爆発した。あの忌まわしい事件から約20年。今回の会見に臨んだメンバーの多くが、当時も実施された抗議活動に参加していた。高里さんもその一人。「20年、本当に変わっていない。このようなことが起こり続けて20年ですよ。もう嫌になります。なぜこういうことを言い続けなければいけないのか」

 今回の事件は、政府が進める普天間飛行場の県内移設への反対を含め、沖縄での基地撤去の動きを加速させている。会見に参加した女性たちは口々に語気を強め、「米軍基地がある限りこのような事件は繰り返される。沖縄の女性や子供の命を守るためには基地の即時撤退しかない」などと主張した。

 学生団体「シールズ琉球」のメンバーで同県名護市の名桜大4年、玉城愛さん(21)は、遺体で見つかった島袋さんと同年代である自身を重ね、涙ながらに訴えた。「私も(被害者と同じように)夜に歩きに行ったりする。被害者はもしかしたら私だったかもしれない。これから沖縄で生きていく女性として、自分たちの人権がないがしろにされ続けて生きていくのは嫌だ、と声を上げてほしい」【佐藤敬一】


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5/22沖縄「追悼と抗議集会」 /米軍属女性死体遺棄 日米両政府に責任 防止策は基地撤去しかない

2016-05-21 00:37:40 | 沖縄

 

 

琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-282393.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebookより転載

<社説>米軍属女性死体遺棄 日米両政府に責任 防止策は基地撤去しかない

 

 県民の尊い命がまたも奪われた。米軍属の男が関与をほのめかしている。元をたどれば、過重な米軍基地を県民に押し付ける日米両政府に行き着く。在沖米軍基地の整理縮小に消極的な両政府の責任は極めて重大だ。強く抗議する。

 米軍は米兵らが凶悪事件を起こすたびに再発防止に努めるとする。だが、守られたためしがないことは今回の事件が証明する。
 基地ある限り、犠牲者が今後も出る恐れは否定できない。基地撤去こそが最も有効な再発防止策である。日米両政府はそのことを深く認識し、行動に移すべきだ。


危険と隣り合わせ

 4月28日から行方不明になっていた、うるま市大田の会社員島袋里奈さん(20)が19日、恩納村の雑木林で変わり果てた姿で見つかった。県警は元海兵隊員で軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者(32)=与那原町=を死体遺棄の疑いで逮捕した。
 島袋さんは交際中の男性に「ウオーキングしてくる」と、スマートフォンの無料通信アプリでメッセージを送信して出掛けた。商業施設が並ぶ大通りが、いつものウオーキングコースだったという。
 米軍基地から離れた場所であっても、県民は米軍人・軍属の凶行の被害者になる危険性と常に隣り合わせで生活していることを今回の事件は物語る。
 基地がなければ、容疑者は沖縄にいない可能性が高く、今回の事件も起きなかっただろう。米軍基地あるが故の痛ましい事件であることは明らかだ。
 在沖米軍は何のために存在するのか。日米両政府は日米安保に基づき、日本の安全を守るためだとする。県民の命を奪っておいて、日本の安全などあったものではない。日米安保の矛盾が沖縄からはよく見える。
 在日米軍専用施設面積のうち、沖縄が占める割合は2014年時点の73・8%から、ことし1月現在では74・46%に上昇した。安倍晋三首相の「沖縄の負担軽減」は米軍施設面積の面でも一切進んでいない。今回の事件はその延長線上にある。
 県内での米軍人・軍属による殺人や女性暴行などの凶悪犯罪は1997年の69件をピークに減少し、95年以降は2013年を除き、毎年1~7件の発生である。発生件数が減っているからといって、評価することは一切できない。
 そもそも米軍人・軍属は県民が積極的に招いたわけではない。犯罪ゼロが「良き隣人」の最低限の条件である。それができなければ、沖縄にいる資格はない。


我慢も限界だ

 島袋さんはショッピングセンターに勤め、勤務態度は真面目で、明るく気配りのできる女性だったという。笑顔で写った写真からは幸せな様子が見て取れる。
 20歳。これからさまざまな人生経験を積み、大きく成長を遂げたものと思う。夢もあっただろう。それがかなわなくなった島袋さんの無念に胸が痛む。無事を祈って帰りを待った家族や友人らの心痛に、胸が張り裂ける思いの県民も多いだろう。
 県民を危険にさらし、悲しみに暮れる人たちをこれ以上生み出すことは許されない。
 日米両政府は今回の事件を「極めて遺憾」などの言葉で済ませてはならない。県民の我慢も限界に達している。「綱紀粛正と再発防止に努める」だけでは不十分だ。
 ことし3月には那覇市内のホテルで、キャンプ・シュワブ所属の1等水兵が観光客への女性暴行事件を起こし、逮捕されている。県はその際、米軍に対し綱紀粛正と人権教育の徹底を含めた再発防止を強く求めた。
 容疑者は軍人ではないが、嘉手納基地で働く元海兵隊員の軍属である。米軍には軍属も教育する責任が当然ある。だが事件がなくならないことからして、米軍の教育には限界があることが分かる。ならば、選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ。

 

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