声

声がきこえてくる
 
「わたしは　いつでも　あなたのそばにいます
　いつでも　あなたを　見守っています
　本当のことをいいましょう
　わたしはあなたの中にいます
　あなたは　多くの時間　わたしのことを忘れ　迷い子になって　泣きじゃくって泣きつかれ
　目をつむって　ポツンとたたずんでいます
 
　振り向いてください　そして　目をあけてください
　わたしがいます
 
　わたしは　いつでも　あなたに　手をさしのべています
　いつでもです
　あなたが疲れ果てて　眠っている時も　遊びほうけている時も　重苦しさにうちひしがれている時も
　あなたに手をさしのべています
 
　あなたのすることは　ただひとつです
　さしだされているこの手を　にぎることだけです
　ただ　それだけです
 
　本当に　ただそれだけなのです
 
　わたしのほうから　無理やりに　あなたを捕まえ手をにぎることはありません
 
　あなたのまわりを　見渡してください
　いろんな手がさしだされているのが見えませんか？
　それぞれの人がそれぞれの方法で　手をさしだしているのです
 
　さしだされている手をにぎればいいのです
 
　あなたは　まだ　知らないかもしれませんが　あなたも手をさしだしているのです
　あなたが気がつかないうちにだしているあなたの手をにぎりふっと心が和らいだり　ほほ笑んだり
　する人がいるのです
 
　あまり　深刻にならないでください
　深刻になって　謎が解けるということはありません
 
　あなたがあなた自身を　まず　抱きしめてあげてください
　どこまでもどこまでも　抱きしめてあげてください
 
　生きるということを　あまり難しく深刻に考えないでください
 
　さしだしあっている手をお互いににぎればいいのです　　それだけです
　本当にそれだけなんです
 
　あなたは　本当はしっています　　感謝の気持ちを
　
　ただ忘れているだけなのです
 
　わたしは　教えたがり屋なのでしょうか
　いいえ　そうでは　ありません
　あなたに教えたいのではありません
 
　あなたは知っているのですから
　ただ思いだしてほしいだけなのです
 
　わたしはあなたです
　あなたはわたしです
 
　本当です
 
　いつでも　あなたのなかにいます
　振り向いて　閉じている目をあけて
　さしだしているわたしのてをにぎってください