「四国遍路の世界」
(愛媛大学 四国遍路・世界の巡礼研究センター/編 筑摩書房 p.281)
今年4月に愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センターから出版された本です。大学の先生方による四国遍路の考察、学術的、歴史的観点から眺めた四国遍路の研究書です。四国八十八ヶ所霊場会の情報誌「へんろ」に紹介されていましたので、読んでみました。
四国八十八ヶ所の歴史、遍路の事情、遍路と文学、政治との関りなどかなり深く掘り下げられています。これからお遍路に出かけようとされている方のガイドブックとしては適さないかもしれません。しかし、こういう史実があったのだと知り、遍路道を歩いていて見聞きすることに考えを及ぼすには最適な書です。
目次から
第1講 四国八十八ヶ所の成立
第2講 四国遍路と古典文学
第3講 江戸時代の遍路日記に見る四国
第4講 江戸時代の遍路統制
第5講 道標石から見た四国遍路
第6講 四国遍路と女人禁制
第7講 四国遍路と明治維新
第8講 弘法大師空海と四国遍路開創伝承
第9講 納経帳・般若心經・白衣
第10講 俳句・文学から見る近現代の四国遍路
第11講 四国遍路と外国人
第12講 現代における四国遍路の諸様相
第13講 アジアの巡礼
第14講 イスラームの巡礼
第15講 ヨーロッパの巡礼
愛媛大学 四国遍路・世界の巡礼研究センターのホームページには四国遍路に関する研究成果・論文が公開されています。
http://henro.ll.ehime-u.ac.jp/