ナムノコバタ
私が小学校2年生の時の国語の教科書に載っていた話です。
それは
『港へ見学に行きました。倉庫の前でひとりの子が「ナムノコバタ」と言っています。壁に大きく「ナムノコバタ」と書かれていたのです。まわりの友達もそれを見て「ナムノコバタ」とはなにのこと?と騒ぎ出しました。そのうちひとりが「タバコノムナ」のことだと気づきみんなで大笑いしました』
という話です。昔のことでしたから「タバコノムナ」を右から書いていたのです。
その頃はタバコは普通に多くの人が吸っており、電車やバスの座席にも灰皿がついていたほどです。学校の先生のいる職員室でもいつもどこかでタバコの煙がうすくたちのぼっていました。
今考えるとその時の担任のT先生は進んでいたのだと思います。「これは倉庫の中でタバコを吸うと火事になるかもしれないから、タバコを吸わないようにという話ですが、タバコは本当は体によくない。みなさんが大きくなってもタバコは吸わない方がいいですよ」と話されました。
この先生の話は「ナムノコバタ」とともに私の頭にずっと残り、私はタバコを吸ったことがありません。子どものころの何気ないひとことが人の一生に影響することもあるのだと思っています。
なぜこの話を思い出したのかといいますと、昨日近くの山に登ったところ、山頂のベンチ付近にタバコの吸い殻が多数散らばっていました。数人がタバコを吸いながらのんびりと瀬戸内海の風景を楽しんでいたのでしょう。しかし、あたり一面は枯草です。火は消して捨てたのでしょうが、ちょっと常識外れの行為だと思います。ときどき菓子の包み紙などが捨てられていることがありますが、それとは違うのでは。
一緒に登った人と拾って帰りました。
山頂に「ナムノコバタ」と書いた立て看板を立ててみたらと考えました。
今日から秋祭りです。