「人類が誕生する遥か以前に栄えていたウミウシ状の生物が遺した断片的な記録は、北方のロマールの地にて人間の言葉に移し換えられた」
・断片的な記述の寄せ集めで構成される「Pnakotic Manuscripts(ナコト写本)」の原本は、氷河期以前の北方の厳寒地に栄えていたロマールでまとめられた。
・「Ithaqua(イタクァ)」を崇拝する毛むくじゃらの食人族ノフ=ケー族に、この土地を滅ばされた際に最後の1冊が「Dream Land(夢の国)」に持ち込まれたと言われており、現在は「Ulthar(ウルタール)」の神殿に保管されている。
・「Ulthar(ウルタール)」の賢人バルザイは、「Dream Land(夢の国)」に住まう「大地の神々」についての多くのことを、この本から学び取ったという。
・「Pnakotic Manuscripts(ナコト写本)」の中には、人類誕生より遥か以前の視点から記述されていることが多数含まれており、その起源は更新世のウミウシ状の生物まで遡ると言われている。
・写本を製作したロマール人の主観が入り込んでいるためか、全体的に北極圏に関する記述が多く、ロマールの勃興から遥かに遡る300万年前に外宇宙から飛来してアラスカにあたる土地に移り住み、イヌイットの一部の部族から「無窮にして無敵」の神性として崇拝されたラーン=テゴスに関する詳細な記載されている唯一の書物である。
・「Ithaqua(イタクァ)」、「Great Race of Yith(イスの偉大なる種族)」についての記述があるほか、後催眠による精神操作の方法、銀の鍵を用いる儀式、時間遡行薬の製法などが記されている。
・書名の「ナコト」が何を意味するのかは不明だが、オーストラリア西部の「Great Race of Yith(イスの偉大なる種族)」の都市「Pnakotas(ナコタス)」と関係があるかもしれない・
・「Pnakotic Manuscripts(ナコト写本)」は、人間世界に5部が存在していると言われており、北米の「Miskatonic Univesity(ミスカトニック大学)」附属図書館と、「Starry Wisdom(星の智慧派)」の拠点だったプロヴィデンスの協会の2ヶ所において所蔵が確認されている。
・この書物が、いつ、いかなる経緯で「Dream Land(夢の国)」から人間世界に伝わったのかについては詳らかにされていないが、少なくとも、古代ギリシャの時代の「PNAKOTICA(ナコティカ)」と題された先行書が存在していたことが、古い文献などから判明している。