ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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乾くるみ 『リピート』 読了

2020年01月26日 05時48分01秒 | 読書
おはようございます、ジニーです。

今年初の読書感想ですかね?
ゆるゆるとではありますは、今年も読書を楽しんでいきたいと思います。


さて、今回は乾くるみさんの「リピート」を読みました。

以前テレビドラマにもなっていた作品ですね。
ドラマそのものを観たことはなかったのですが、面白い作品だという評判は
耳にしていたので、ずっと読みたいと思っていました。

舞台は1990年代初頭(だと思います、解説より)、主人公毛利のもとに
とある電話がかかってくるところから物語は始まります。
「今から1時間後に地震が来る」
その電話の予言は、果たして実現されます。
そして、そのあとまた同じ人物から電話がかかってきて、地震を予測できたのは
自分が同じ時間を繰り返しているからであり、その体験を共にするメンバーを
集めているという趣旨を聞かされます。

こうやって、突然何も変哲のない生活の中に、リピートが割り込んできます。
リピートにはいくつかの制限があります。
・リピートは現在の意識をもって過去の自分に戻ること
・戻るのは約10ヶ月前で、時間のコントロールはできない
・リピートを行える日も決まっており、自由にできるわけではない
・当時の自分に戻るので持ち物は持っていけない、持っていけるのは意識(記憶)だけ

この話を持ち込んだ風間という男は、この現象を何度も繰り返しているとのこと、
要は過去に戻り、現在までの10ヶ月を繰り返している。
だからリピートと呼ばれているのです。

実際にこの現象を体験できるとなった場合、やはり過去の記憶をどのように活かすのか
というのが焦点になりますよね。
僕だったらお金儲けや、歴史の改変みたいなことをやりたいと考えると思うのですが、
リピートに誘われた登場人物も同様のことを考えているのが読んでいるとわかります。

そんな夢のようなお話が、リピートをした直後に様相を一変させます。
リピート直後からリピートを果たした人物が次々と死んでいくのです。
リピートしていることは、それを果たしたメンバーだけが(未来の意識を持っているため)知っている
その人たちが次々に死んでいく。
何者かに意図的に狙わている?
それはいったい何者なのか?



物語の前半は、リピートという現象のについて、条件の構築やそれぞれの登場人物の
事象の捉え方など、非常に丁寧に書かれています。
実際にリピートを果たすのは、中盤以降。
そこから物語が一気に動いていくのです。

後半、真実にたどり着いた時には、評判通りの驚きを感じました。
ビックリするというより、「よくこんな発想が思いつくな」という種類の驚きです。

ネタバレは書きませんので、ぜひ実際に読んで真実を確かめてください。
たしかに「だれもいなく」なります。



さて、乾くるみさんの作品では、「シニシエーション・ラブ」も以前感想を書きました。
今回の「」リピート」との共通事項として、本の表紙にタロットカードが描かれています。
「イニシエーション・ラブ」ではラヴァーズ。
「リピート」ではフォーチュン。
ある意味、ここですでに物語のテーマが語られているわけですね。
なかなか面白いギミックです。


読み終えて、気分は本格ミステリーです。
次もそのジャンルを読んでいこうと思います。


コメント
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