ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

気負わず、気取らず、ありのまま。
ゆるりと思ったことを書いていってます。
お気に召したらうれしい限り。

小川糸 「食堂かたつむり」 読了

2023年03月11日 15時03分39秒 | 読書
こんにちは、ジニーです。

随分と暖かくなり、うららかな陽気になってきた今日この頃。
あんまりミステリーばかり読むのもなんなので、少しブレイク読書。

今回読んだのは、小川糸さんの「食堂かたつむり」。
本自体は随分前に手に入れていましたが、なかなか手を出せていなかった一冊。
この本を読む気分になるのを待っていたという感じですね。

タイトルからわかる通り、食堂にまつわる物語です。
主人公、倫子がトルコ料理店のバイトから帰ると、同棲していたインド人に
何もかもを持ち去られ、田舎に帰るところから話は始まります。
田舎に帰って、1日一組の小さな食堂を営むことになり・・・。
とにかく初っ端からいろんな情報量が入ってきますが、
少しすればのんびりしたテンポになっていきます。


本作は、「食」を通して気持ちが昇華する、行き場を見つける
気持ちと気持ちが繋がる、そんなことを実現していく不思議な食堂の話です。
でも短編ではなく、長編小説。
いくつかのお客様にもてなす料理は、お客様との面談を通して
考えつくされたレシピで、だからこそ一口、一口が心と体を解きほぐしていきます。
そういったエピソードを読み進めながら、やがて主人公倫子に立ちはだかる
大きな問題に読者も触れていきます。

生きるということは、すなわち食べるということ。
そのため、小説のテーマにもなりやすい「食」ですが、
作品ごとにその作家さんらしさというか色がありますね。

本作は優しさを感じつつ、時折ドキッとするほどの直接的な表現や
野蛮さが出てきた梨、いろんな意味でドキドキしながら読み進めました。


僕自身も食べることが大好きなので、こういったテーマの小説は大好きです。
ミステリーはどちらかというと人の命が消えていくタイプの話である分、
生きることにつながる「食」の小説は、どうしても読みたくなる瞬間があります。
本作もリフレッシュできました。
そして、ぬか漬けとザクロカレーが食べたくなりました(笑)


コメント
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