ギリシャ問題から単を発した欧州通貨危機、現在の時点ではイタリアの国債価格がが7パーセンと以上まで金利を上昇させ危険水準だと言われています。ギリシャにいたってはさらにサラ金以上の金利になっています。不思議なことに国際金融のルールとは財政危機による国債の償還ができない国には、さらに高い金利を付け金を貸すという暴挙とも取れる手を使っていますが、そのことに対しては人は何も言わない。
国を運営させていくためには今まで借りた金を返すことからはじめなくてはならない。国債を乱発した国が債務不履行(デフォルト)になれば国家破綻ということになります。
そこから問題となるのが現在世界のあらゆる国々が発行している国債、その支払い(償還)が問題視されているということから国債について触れてみます。
なぜ国債が問題となるのか。つまり国債、国が借金をしているわけですから、そして国が誰から借りているのかでは、国民というよりも、その発行している国にとらわれず国境を越えた資金によって一部の裕福な人たち(細かく言えばこの中には子供が親にもらうお年玉等、銀行に預けられたお金を含む)のお金ということになります。つまり簡単に言えば世界中が叫んでいる現在の経済危機とは本来お金の使い方としての「交換機能」物と物との交換(厳密に言えば労働と労働の交換の仲介物)に重点を置いて使われていれば何の問題も起こらなかったということです。
ここで貨幣の使われ方として交換機能に重点をおいた私の過去に書いた文章を引用します。「A・Eの関係」というタイトルです。貨幣を論じるにはどうしても必要となるわけです。再度ここに簡単に文章を引用します。
A・Eの関係
Aが自己の労働を1枚の貨幣(カネ)に換え、Bが作り出した商品と交換します。そこにはAが持っていたカネがBに渡ります。BはそのカネでCの持っている商品と交換します(つまりCの商品を買うという行為です)Aの所有していたカネがBを通してCに渡ったわけです。CはDの持っている商品を買います。DはEの持っている商品を買います。そしてEはAが持っている商品を買います。 つまりここでは簡単な例ですが最初にAが持っていた1枚のカネがB、C、D、Eを通してAに戻ってきて一巡したわけです。そしてお互いに作り出した商品が売れたということになります。 さらにまたAがBの商品を買い、その関係がEまで続きAの元へ戻ってきたとします。そこにはAからEまで2回商品を製造しなくてはなりません。たった1枚の貨幣が2回の商品製造をさせたことになります。この関係がさらにAからEを通してAまで戻ってきたとき1枚の金が3回の商品を各自に作り出させたわけです。
以上が交換機能に重点を置いた貨幣の使われ方です。このような使われ方にある意味限定させていれば現在の問題は起こらなかったといえます、我々の生きた時代は過去の遺物を修正することなく引きずって問題を起こしている。
まだ人間自体の知恵が幼い時代ということができます。今回の危機が世界的な国債発行の増大からの危機である以上原因はわかっているわけですから、次の時代には必ずこの反省から何かが学べるはずです。