前回の文章で書いたA・Eの関係での引用文は貨幣の機能が持つ交換機能だけを抜き出して書いたものです。当然歴史を遡ったとき、この交換機能は物々交換の時代に行き着きます。もし問題が起きるとすれば、それは充足された状態のときに交換からはずれ、何時でも他のものと交換できることから自分の手元に置いておこうと交換することなく手元に留めたときです。この時貨幣が持つ機能としての保存機能を与えられたことになります。
ここで先に引用したA・Eの関係で、例えばその中の一人が、ここではCとしておきましょう、Cが物を作り出し売ったは良いのですが、お金が手に入ったにも関わらずDの作ったものを買わなかった。つまり貨幣が持つ保存機能を働かせてしまった。ここからこの後の経済は動かなくなります。つまりCを入れて全ての人が物を作れず失業ということになります。Cがいつまでも手にしたお金を使わなかったらこの状態は永遠に続くことになります。
ただ現実の社会はこのA・Eの人物だけで生活しているわけではありません。社会に参加しているのは数多くの人たちです。その人たちの中にも交換で回ってきた貨幣を、Cの人物と同じように保存機能を働かせ手元に留めてしまう人達が何パーセントかいるわけです。この数パーセントの人達が現在の法律の下では合法化の名で数十パーセントの貨幣量をCと同じように保存機能を働かせてしまうわけです。