楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

 格差はやがて経済を崩壊に導く  Ⅴ

2011-12-23 05:31:51 | Weblog
 


話を戻しますが市中に出た貨幣はやがて銀行に戻っていきます。それは預金者が銀行に預金するだけではなく、事業ローン・住宅ローン・自動車ローン・その他の銀行から借り入れたお金を毎月のように返済していくわけですから、その返済した分の貨幣量が新たに貸し出しをしない限り市中から消えてしまいます。やがて市中の貨幣量はどんどん減少していきます。ですが現在の円高の中で国内に投資をするのは銀行にとって返済して貰えるのかというリスクが伴います。

 返済というかたちで銀行に戻っていくお金ともう一つの方法で銀行に戻っていくお金があります。上記A・Eの関係でCがDの商品を買わなかった状態、Cはある意味生活が充足したためDの商品を買わなくても生活ができるため、自分に回ってきた貨幣を保存してしまう。その方法として銀行に預けてしまう。このA・Eの関係で経済的な困窮がCを除いて他の人達に現れていきます。この状態を改善するには貨幣を欲しがっているDにお金を渡せばまたA・Eの関係が回復するわけです。銀行はCから預かったお金をDに貸し付けます、ただしそこには利息という、銀行が経営するために必要な資金となる上乗せとCの利息分が加味されます。つまりDはただ一度のCが商品を買ってくれなかったため銀行を通してCからお金を借りる羽目になってしまったわけです。ここにも小さいながら貸す側と借りる側の格差が現れることになります。
そして当然そこにはCが保存したことによって市中に貨幣が無くなった状態ではC以外の人達の経済が成り立たなくなります。 

ですが私が書こうとしていることは格差を書こうとしているわけではなく、格差が拡大していったとき経済自体が崩壊するということの説明を書こうとしているわけです。