楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

貨幣社会における貧富の差 Ⅴ

2016-04-02 04:31:21 | Weblog
 

 最近の金融政策を見てみるとマイナス金利という前例のないことが行われた、このような政策がなぜ出てきてしまったのかは別の問題として。現在取りざたされているのは結果論として、経済が好転しなければまず銀行が一番追い込まれた状態になるという。そこから銀行自身が銀行を守るという形で上部(中央銀行)に払う分を預金者から手数料という形で預金をマイナスにもっていく。やがて各預金者は金融機関に預けた預金が目減りしていくのでは堪らないということからタンス預金という形で預金を下ろしていく。このような状態になってしまったら金融機関がやっていけるのかということになっている。

 また違う見方としては、預金をしたお金がマイナスになる前に、物を買っていこうという心理状態をうまく利用すれば、人々はお金が減る前に物に変えようということから消費に回していくかもしれない。そのとき商品が売れ、それが持続すれば経済が好転して、やがてマイナス金利政策として行き過ぎとならないうちに、つまりインフレ状態になる前にマイナス金利を解除し徐々に金利を戻していく、そういう状態になれば設備投資が動き出し金融機関が貸し出しを増やし経済が好転していく、今の日銀はこのようなストーリーを描いているのか。

 この二種類のうちのどちらかだろう、後者はバブルを創り出しインフレにもっていく筋といえる、その結果バブル後の経済不況、日本はかつて苦い経験をした。一時的に経済が回復し国民が喜んでいるうちにその付けを国民に負わされてしまう。このような政策を繰り返していいのだろうか、金融政策としてどこかが間違っているという感覚を人々は持っているはずだが。そこには不信感が心の隅にあり、やがてその不信感は拡大していく。

 これまでの状態、景気が落ち込んできたと判断された時頼れるのは国債そのものであった、結果日本の国の借金は国債地方債等合わせて誰でもが知っている金額として1,037兆円あり、一人当たり800万円になると言われている。このようになるまで放任してきた責任者はだれなのか、経済学者なのか。それとも学者が唱えたとしても自己の貨幣の蓄蔵の妨害になることには耳を貸さなかった一部の富者なのか。何せ一部の富者の1パーセントが世界の大半の富を握っていると言われている。私が書くよりも正確な資料を引用してみよう。


     世界の富の半分以上、占めるのは1%の富裕層
        2015年01月19日 17:13 AFP BB NEWS 発信地:パリ/フランス

【1月19日 AFP】世界人口の1%にあたる富裕層が持つ富は、2016年には残りの人口の99%が持つ富の合計を上回り、世界全体の富の半分を上回るとする報告を19日、国際NGOオックスファム(Oxfam)が発表した。
 世界の政財界の有力者が一堂に会する世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)が21日から開幕するのを前に、共同議長を務めるオックスファムのウィニー・ビヤニマ(Winnie Byanyima)氏は「世界的な不均衡の規模は極めて衝撃的としか言えず、世界的議題として持ち上がっているにもかかわらず、富裕層とそれ以外の格差は急速に広がっている」と語った。ビヤニマ氏は、世界の指導者たちに「もっと公平でもっと繁栄した世界への妨げになっている既得権益に挑戦する」ことを呼び掛けている。
 世界人口の1%にあたる富裕層が持つ富は、09年には世界全体の富の44%だったが、14年には48%となり、16年には50%を超えるようになると、オックスファムは報告している。金額換算した富裕層の成人1人当たりの平均資産は270万ドル(約3億1600万円)だという。
 また14年時点で世界の富全体のうち、富裕層が持つ48%を除いた52%の中で、46%までを占めているのは、富裕層以外の人口の中でも比較的裕福な5分の1だという。つまり残り5.5%の富を、富裕層でも比較的裕福な層でもないそれ以外の5分の4で分かち合っており、この層の資産は金額換算で成人1人当たり平均3851ドル(約45万円)でしかない。

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