楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

国債は人間の欲望が作り出したもの Ⅱ

2011-02-11 09:46:25 | Weblog
  私が何度も書いていることですが、改めてまた…

  貨幣とは何かの理論がないまま、貨幣の発生から現代社会まで貨幣を使用してきた歴史、その歴史の中で通常流通させている貨幣だけでは不足する事態が発生した。その結果考え出されたのが国債という手段だと考えられる。

  そこで不足する事態とは何かということになると。貨幣の役割とは本来は交換機能からの出発であったはずだ、ただそこには人間の欲望を増長させる保存機能という別の機能も付随していた。

 そこで保存機能の初期の段階とは何なのかということになると、それはカネにカネを生ませる行為、金利という考えからの出発であったといえる。

 金利とは数字上の貨幣であり、市中に流通している貨幣を大きく膨らませていく。それはカネにカネを生ませていく分だけ、偏った貨幣所持を許すことになる。貨幣の役割として労働と労働の交換財である「A・Eの関係」だけで考えるとしたなら、やがて偏った貨幣所持の分だけ貨幣は市中から不足していくことになる。(注1)

 偏った貨幣所持、それは最初期の手段としては金利という考え方及び、その実行であっただろうが、その考え、及び行為は、時代と共に人間のあくなき欲望のまま大きく変化をしていくことになる。その根本にあるのはカネにカネを生ませる行為に対しブレーキをかけることをしなかったという、今までの歴史が示すとおりだ。

 2月9日朝日の朝刊にこのような記事があった。

 G20農相協議へ
「物不足が投機によって悪化している。ルールが必要だ」
先月、スイスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。G20議長国のサルコジ仏大統領はこう訴え、食料市場への投機資金の流入に何らかの規制が必要だとの考えを強調した。
世界の食料取引価格で指標とされるシカゴ市場の先物価格は、大豆、トウモロコシといった主要穀物の価格が昨年夏ごろから上昇している。その一つの要因と見られるのが投機資金の流入だ。
昨年11月から投機資金の買い付け額が急上昇を始め、それまで多くても50億㌦程度だった買い付け残高が一気に150㌦を超えた。米連邦準備制度理事会が(FRB)が大規模な追加金融緩和に踏み切って以降だ。引用終わり 

金融緩和それは偏った貨幣所持を増幅させることに他ならない。

だが国債を発行した段階から通常発行している貨幣だけでは不足するという事態は、やがては保存機能を目的とした国債という怪物に資本主義経済は飲み込まれてしまうはずといえる。なぜなら最初期市中に流通している貨幣では足りず、原因を究明しないまま経済を円滑に動かすという一点から、国債を発行してしまったことは、その償還、利払いから数字上の貨幣を増大させる。

貨幣の役割として労働と労働の交換財である「A・Eの関係」だけで考えるとしたなら保存機能の野放しは、やがては資本主義の崩壊を招くことになるといえるのではないだろうか。

これからの時代民主化の流れが世界全体に波及し、やがてはカネにカネを生ませる行為としての貨幣が持つ保存機能の規制に結びついていかなくてはならないと思う。

注1 貨幣は交換から外れると最終的に銀行に集まっていく。たとえ金に投資をしても金と貨幣の交換にしかすぎず、金を売るものと貨幣を出すものという二者しか存在しない。金を売ったものは貨幣をその手中に収め、彼が銀行に預金しないかぎり、物を購入する資金として交換に回すことになる。このことは株の売買でもいえることであり、先物で原油・穀物等に投資したとしても、その貨幣が銀行に留まらない限り何回でもカネがカネを生ませる行為へと繰り返されていく。そして最終的回答は現在では食料高騰へと繋がっていくことになる。

 

 八重山諸島観光



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