楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

未来社会はどうあるべきか

2009-05-20 16:47:57 | Weblog
 不況の原因が人為的なものであるという結論を出したとき、未来社会はどうあるべきかを考えなくてはならない。

 それには貨幣が持つ意味を完全に理解しなくてはならない。何度も言うようであるが貨幣は労働と労働の交換財である。もしここで貨幣を物と物の交換財として考えてしまうと、物(商品)を作らない労働の仕方もあるというとき。たとえば人間社会の分業の結果として物を作らない労働のあり方が、物を作る労働以上に現在は裾野が広がっている。小学校・中学校・高校・大学・消防士・警察官・国会議員・その他の公務員・等々、その人達は生活するために自己の労働を提供し、変わりにその対価として貨幣を得ている。その貨幣が他の人の労働によって作られたもの、もしくは漁師が海から得てきた魚類等と貨幣を通じて交換することになる。ここから貨幣を通して労働と労働の交換財という意味になる。
 
 そこから現在の貨幣を十分に理解しているとは言えない時代の中で、貨幣が持つ他の機能、蓄蔵という問題にぶつかる。だが単なる蓄蔵であればまとまった物を買うために預金をしているという行為もあるが、ここで取り上げる蓄蔵とはカネにカネを生ませる行為、今まで書いてきた文章の中で取り上げているが、第一のパイの中で現金を使いカネにカネを生ませる現在の資本主義のあり方を根本から見直さなくてはならない。

 第一のパイの中で日々の生活をしていく以上に、より多くの貨幣を得た者が、その余りある貨幣を使い商品先物・株等へ投資という形で証券と交換していく、それら証券は日々使われる紙幣とは違った形の紙に印刷された金額として、ある意味貨幣と同じような意味を持つが第二のパイの中で少数の人々の取引によって金額を上げていく。第一のパイの現金は交換を最大限に繰り返したとしても総額を上げてはいかないが。第二のパイの中での架空の金額は、第一のパイの中で証券との交換で少数の人々がそれにかかわるだけで総額を上げていく。例えば09年5月時点での原油先物取引。世界的に経済が回復していくと判断されれば、公的資金注入によって、第一のパイの中で膨らんだ現金が全体に行き渡らず、一部の人々の手に握られてしまい、やがては利益を生んでいくぞと判断されたとき、より多くの交換が第一のパイの中での現金と、第二のパイの中での証券とで、少数の人々の手によって繰り返されるとき現物取引では上がるはずのない値動きとなってガソリン価格が上がっていく。現在のところそれらを規制する動きはみられない。

 そこから未来社会においては第二のパイを否定する社会でなくてはならないと考える。ただし人間社会に有益であるという投資は社会全体がそれを行うことが必要である。

 第一のパイ、つまり市中での貨幣が少ないときに少ない貨幣を集めることが必要になったとき、金利を上げていかざるを得ないが、いつでも集めることができる状態になったとき、金利は上がることはない。現在の状況は有り余った貨幣量によって金利を上げなくてもカネを集めることがたやすくなっている状況といえる。それがヘッジファンド等の資金集めがたやすくできることから、先物等を通じて第二のパイを膨らませることになる。

 このように考えてくると第二のパイを作らない方法として、預金においては手数料としてマイナス金利という考え方があり、未来社会において人々が考えなくてはならないことは、第二のパイを膨らませないことしかありえない。第一のパイの中を貨幣が労働と労働の交換財として使われていくことにのみ、貨幣が人々の間をとめどなく行き来し、経済が活性化されたと人は気づくはずである。

 その中で需要と供給のバランスが崩れたとき、労働力の増減によって調整することができる。供給が多ければそれを失業増につなげることではなく、労働時間の短縮というかたちで人生を楽しむことにつなげることができる。

 また考えが浮かんだとき書き込みをいれます。

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