楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

貧富の差の起源 Ⅲ

2016-03-07 11:09:14 | Weblog
 日本の縄文時代には貧富の差が無かったということが言われている。その中でカギとなるのが労働によって得た収穫物の余剰生産ということが大きなポイントになるという。

 余剰生産物ができるとそれ等生産されたものを交易を通して一部の者が交易で得た品物を私物化していった。やがてそこから上に立つものが欲にかられ多くの私有物を作り出し、同時に権力を生み出していったと考えられる。それを端緒として貧富の差が発生する土壌ができたと言っても過言ではない。その時代は狩猟採集で生活の糧を得てきた時代から大きな飛躍としての農耕を取入れだし、今まで自然に頼っていた食生活を人為的な生産物としてより多くの余剰を作り出し、その生産物を交易を経てその社会が豊かになると同時に生産物を利用した上下の関係がやがて出来上がっていった。
ここに書いたものは日本列島以外の大陸での出来事と考えても良いだろう。

 そこで縄文時代に余剰生産物は発生していたかどうかということになる。縄文時代は一般に狩猟採集社会と言われ余剰生産物は発生していないと言われている。それは階級のない社会であり貧富の差の無い社会であった。

 そこで私が言いたいのは貧富の差、もしくは階級発生は余剰生産物の多寡からではなく人間の欲望がふとしたきっかけから生まれやがて拡大していった。その元凶となったのが農耕生産による土地の必要性から今まで互いに守っていた縄張りを破壊し、やがて土地争いへと拡大していった。   

 長く続いた縄文時代において観てみると余剰生産物という観点から階級発生・貧富の差を考えるのは無理があるかと思われる。それは縄文遺跡での貯蔵穴の大きさとなる。
各住居の小さな貯蔵穴の他に集落の中には大きな貯蔵穴も各地の遺跡で見つかっている。それ等は余剰からくる生産物を保存していたものといえる。大きさは直径45~180cm、深さ30~100cmと大きさは様々だが、1カ所の遺跡に何十基もまとまって発見されることが多い。 

 以下引用
 
   深い縄文時代の貯蔵穴b 公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財
www.saimaibun.or.jp/h25/3082.htm/.../深い縄文時代の貯蔵穴b
縄文時代の遺跡で、「どんぐりの貯蔵穴」(ドングリピット)が全国のあちこちで見つかっている。縄文人の主食は植物食で、植物の採集・半栽培は重要な生業であった。クズ、ワラビ、ヤマノイモ、ヒガンバナなどの半栽培を行う一方、クリ、クルミ、トチノミ、そしてどんぐりなどの堅果類を収穫、さらに越冬に備えてそれらを貯蔵していたという痕跡が「どんぐりの貯蔵穴」というわけだ。
 縄文時代の貯蔵穴は設置場所によって、大きく2つに分けることができる。地下水の影響を受けるところや低湿地に設けられたものを「低湿地型貯蔵穴」といい、西日本を中心に分布する。また、台地や丘陵上など乾いたところに設置されたものを{乾燥地型貯蔵穴」といい、東日本を中心に分布する。

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