名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田駅下車)で31日、ジャンルが違うプロ級画家らの個展やグループ展が始まりました。
大橋忠幸絵画展、第5回尾田原茂稔水彩画展、それに院展作家の田中宏明・加藤洋一朗が加わった第24回K展。互いにジャンルの違う作家たちですが、創作にかける情熱に圧倒されました。いずれも8月5日(日)まで。
このブログでは、3つの展覧会を一度に掲載するのではなく、3回に分けて連載します。
第1回は女性の顔で作家自身の気持ちを表現する大橋忠幸絵画展です
大橋忠幸絵画展
女性の上半身、その多くは女性の顔だけを描いた8~20号サイズの油彩画25点が並びます。
「かつてあった名古屋造形芸術短大を出たあと、こうした絵を描き続けています」と話す、名古屋市中川区在住の大橋忠幸さん。62歳。
過去の作品のアルバムを拝見しても、女性を描いた作品ばかり。
しかし、失礼な表現を許していただけば、一般的に女性を描いた絵と言えば女性のふくよかさや美しさを追求した作品をイメージしますが、ここには存在しません。
「女性の顔に僕の内面にある感情を、どんどん追い込むように描いていく。だから、僕の自画像と言えるかもしれません」
「モデルはいません。イメージです。ピカソに憧れて描いてきましたが、線1本にしても、とても真似できないですね」
――アルバムのこれまでの絵と比べると、モノクロではなく色が入り、顔の周りにコップやスタンドなどが描かれています。これは創作の変化ですか。
「顔だけで勝負するのが難しく、周りから攻めていこうというわけです」
絵画団体に所属していたこともありましたが、もっぱら自分自身の創作に取り組む日々。養護学校や子どものための絵画教室で教えながら、年に2回、新作で個展を開いているそうです。