レイメイ藤井から左右両対応ペン型ハサミ「ペンカット」の新製品「ペンカットプレミアム」が5月25日に発売されました。
【レイメイ藤井のサイト】
ペンカットプレミアムを発売
ペンカットプレミアム詳細
ところが、この新製品は、非常に残念な製品でした。
右用にも左用にも変身する、革命的なハサミとして登場したと思っていたレイメイ藤井の「ペンカット」でしたが、今回登場した新製品「ペンカット・プレミアム」は、“進化”どころか“退化”してしまいました。
(画像:ペンカットプレミアム【レイメイ藤井のサイト】より)
レイメイ ペンカットプレミアム SH1001
レイメイ藤井 はさみ ハサミ ペンカット ブラック SH601B
レイメイ藤井 ハサミ ペンカットキッズ 左手用 オレンジ SHH505D
(画像:ペンカット)
(画像:ペンカットキッズ)
プレミアムpremiumとは、言葉の意味としましては「割増金」とか「報奨金」とか「額面以上の割増のついたもの」もしくは「商品についた景品・特典」といったことを指します。
要するにこの場合で言いますと、従来の「ペンカット」以上の優れ物という意味でしょう。
ここでもう一度「ペンカット」の特徴をおさらいしておきましょう。
(1)【ペン型】クリップ付キャップがついていて危なくなく、取っ手のループが収納できてコンパクトに収納・携帯できるペン・タイプ
(2)【左右両対応】刃の噛み合わせそのものを変えられるので、左利きの人でも右利きの人でも、右手でも左手でも、それぞれに対応して使える
【両刃(諸刃)】:両側に刃が付いている
\ \(刃) (取っ手が出し入れできる)
(刃) \ \ ┌─┐
━━━━━――――――(取っ手)
( ○ )
━━━━━――――――
(刃) \ \
< \ \
(取っ手)\
両サイドに刃が付いているので、噛み合わせを変えても使えるのです。
・・・
私が評価する第一の特徴は、この【左右性】にあります。
一つのハサミで“右手用にも左手用にも使える”という、今までになかった優れ物だという点です。
ハサミという道具は、二枚の刃を噛み合わせて、切るものをハサミながら切断する道具です。
ニッパーのようなハサミは、二枚の刃の先を突き合わせて二つに割るように切ります。
【手前から見た図・N】
(刃)
▼
―--―
▲
(刃)
それに対して、通常のハサミは、二枚の刃をすれ違わせて切ります。
【手前から見た図・R】
(上刃)
┃/
―--―
/┃
(下刃)
そこには、刃の噛み合わせの組み合わせが二通り誕生します。
【手前から見た図・L】
(上刃)
\┃
―--―
┃\
(下刃)
【手前から見た図・R】は、右用の刃の噛み合わせです。
上刃が右側にあり、下刃が左側。
上刃が右側にあるので、右手に持って構えたときに刃自身で切る部分を隠すことがなく、見ながら切ることができます。
【手前から見た図・L】は、左用の刃の噛み合わせです。
左側に上刃があり、下刃が右側。
左側に上刃があるので、左手に持って構えたときに刃自身で切る部分を隠すことがなく、見ながら切ることができます。
右用を左手で使うと、上の刃が邪魔になって、切るところが見えません。
また、昔のハサミは刃の噛み合わせがゆるく、刃と刃とのあいだに隙間ができやすく、右手用を左手で使うと刃と刃を広げる方向に力がかかり、より隙間を大きくしてしまい、刃と刃のあいだに切るものをはさみ込んでしまい、切れないことがありました。
最近のハサミは、その点、刃の噛み合わせがしっかりしているので、逆の手で使っても切れないということは少なくなりました。
その辺はいいのですけれど、なまじっか切れてしまうので、返って「左用は不要じゃないの?」という人が出てくるのが、ちょっと残念です。
●「ペンカットプレミアム」の問題点
以上書きましたように、ハサミには2種類あります。
(R)右手に持って使ったときに切りやすい刃の噛み合わせになっている「右手用(右用)」
(L)左手に持って使ったときに切りやすい刃の噛み合わせになっている「左手用(左用)」
そして、従来の「ペンカット」は、この刃の噛み合わせを組み替えることができました。
右手で使いたい人は右用に組めばいいし、左手で使いたい人は左用に組めばいいわけです。
そういう二通りに使えるのが、非常に重要なポイントだったのです。
まさに左右両用といいますか、左右兼用可能な優れ物だったのです。
ところが、この「プレミアム」を見ますと、刃が一方のサイドにしかついていません。
要するに通常の(右用)ハサミそのものなのです。
「ペンカット」の特徴のうちの(1)の部分のみを取り上げた「プレミアム」なのです。
私にとって大切な特徴だった(2)の面がまったく失われてしまったのです。
「プレミアム」化って、結局は、従来の「ペンカット」よりも“右手・右利き用として割増された”というだけのことなのです。
思えば、子供用の「ペンカットキッズ」も、両用性のない“単機能”のものになっていました。
ただし、こちらには「右手用」とともに「左手用」が用意されていました。
ところが、今回の「プレミアム」はそれがありません。
それぞれ右手用の、テープを切ってもベタつきにくい「フッ素コート」と、切れ味が長続きする「チタンコート」がラインナップされているだけです。
3種すべて右用のみの充実です。
●左手用子供ハサミで育った人を無視したレイメイ藤井の罪
かなしいかな、これが右利き偏重社会の現実なのでしょうか。
非常に残念です。
「左手用こどもはさみの老舗」だったはずの「レイメイ藤井」さんだけに、後ろ足で蹴られたような気持ちです。
「左手用こどもはさみ」で育ったレイメイ藤井ユーザーは、すでに何万人、何十万人にも達するはずです。
今は大人になっている人たちもたくさんいらっしゃるはずです。
それらの人たちはどうすればいいのでしょうか。
企業としての責任は感じないのでしょうか。
・・・
このクレームが届いて、左手用が発売されることを祈っています。
皆様の応援に期待しています。
よろしく!
*参照:
『お茶でっせ』過去の「ペンカット」の記事:
・2011.2.10 Raymayレイメイ藤井ペンカット:右手左手両対応携帯ハサミ
・2012.10.22 両手対応小型携帯ハサミ、ペンカット・ミニPENCUT mini
・2013.4.23 新型子供はさみ、ペンカットキッズ左手用オレンジ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第231号(No.231) 2010/10/2「創刊6年目に当たって」
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
“退化”した新製品ペンカットプレミアムは右手右利き専用
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【レイメイ藤井のサイト】
ペンカットプレミアムを発売
ペンカットプレミアム詳細
ところが、この新製品は、非常に残念な製品でした。
右用にも左用にも変身する、革命的なハサミとして登場したと思っていたレイメイ藤井の「ペンカット」でしたが、今回登場した新製品「ペンカット・プレミアム」は、“進化”どころか“退化”してしまいました。
(画像:ペンカットプレミアム【レイメイ藤井のサイト】より)
レイメイ ペンカットプレミアム SH1001
レイメイ藤井 はさみ ハサミ ペンカット ブラック SH601B
レイメイ藤井 ハサミ ペンカットキッズ 左手用 オレンジ SHH505D
(画像:ペンカット)
(画像:ペンカットキッズ)
プレミアムpremiumとは、言葉の意味としましては「割増金」とか「報奨金」とか「額面以上の割増のついたもの」もしくは「商品についた景品・特典」といったことを指します。
要するにこの場合で言いますと、従来の「ペンカット」以上の優れ物という意味でしょう。
ここでもう一度「ペンカット」の特徴をおさらいしておきましょう。
(1)【ペン型】クリップ付キャップがついていて危なくなく、取っ手のループが収納できてコンパクトに収納・携帯できるペン・タイプ
(2)【左右両対応】刃の噛み合わせそのものを変えられるので、左利きの人でも右利きの人でも、右手でも左手でも、それぞれに対応して使える
【両刃(諸刃)】:両側に刃が付いている
\ \(刃) (取っ手が出し入れできる)
(刃) \ \ ┌─┐
━━━━━――――――(取っ手)
( ○ )
━━━━━――――――
(刃) \ \
< \ \
(取っ手)\
両サイドに刃が付いているので、噛み合わせを変えても使えるのです。
・・・
私が評価する第一の特徴は、この【左右性】にあります。
一つのハサミで“右手用にも左手用にも使える”という、今までになかった優れ物だという点です。
ハサミという道具は、二枚の刃を噛み合わせて、切るものをハサミながら切断する道具です。
ニッパーのようなハサミは、二枚の刃の先を突き合わせて二つに割るように切ります。
【手前から見た図・N】
(刃)
▼
―--―
▲
(刃)
それに対して、通常のハサミは、二枚の刃をすれ違わせて切ります。
【手前から見た図・R】
(上刃)
┃/
―--―
/┃
(下刃)
そこには、刃の噛み合わせの組み合わせが二通り誕生します。
【手前から見た図・L】
(上刃)
\┃
―--―
┃\
(下刃)
【手前から見た図・R】は、右用の刃の噛み合わせです。
上刃が右側にあり、下刃が左側。
上刃が右側にあるので、右手に持って構えたときに刃自身で切る部分を隠すことがなく、見ながら切ることができます。
【手前から見た図・L】は、左用の刃の噛み合わせです。
左側に上刃があり、下刃が右側。
左側に上刃があるので、左手に持って構えたときに刃自身で切る部分を隠すことがなく、見ながら切ることができます。
右用を左手で使うと、上の刃が邪魔になって、切るところが見えません。
また、昔のハサミは刃の噛み合わせがゆるく、刃と刃とのあいだに隙間ができやすく、右手用を左手で使うと刃と刃を広げる方向に力がかかり、より隙間を大きくしてしまい、刃と刃のあいだに切るものをはさみ込んでしまい、切れないことがありました。
最近のハサミは、その点、刃の噛み合わせがしっかりしているので、逆の手で使っても切れないということは少なくなりました。
その辺はいいのですけれど、なまじっか切れてしまうので、返って「左用は不要じゃないの?」という人が出てくるのが、ちょっと残念です。
●「ペンカットプレミアム」の問題点
以上書きましたように、ハサミには2種類あります。
(R)右手に持って使ったときに切りやすい刃の噛み合わせになっている「右手用(右用)」
(L)左手に持って使ったときに切りやすい刃の噛み合わせになっている「左手用(左用)」
そして、従来の「ペンカット」は、この刃の噛み合わせを組み替えることができました。
右手で使いたい人は右用に組めばいいし、左手で使いたい人は左用に組めばいいわけです。
そういう二通りに使えるのが、非常に重要なポイントだったのです。
まさに左右両用といいますか、左右兼用可能な優れ物だったのです。
ところが、この「プレミアム」を見ますと、刃が一方のサイドにしかついていません。
要するに通常の(右用)ハサミそのものなのです。
「ペンカット」の特徴のうちの(1)の部分のみを取り上げた「プレミアム」なのです。
私にとって大切な特徴だった(2)の面がまったく失われてしまったのです。
「プレミアム」化って、結局は、従来の「ペンカット」よりも“右手・右利き用として割増された”というだけのことなのです。
思えば、子供用の「ペンカットキッズ」も、両用性のない“単機能”のものになっていました。
ただし、こちらには「右手用」とともに「左手用」が用意されていました。
ところが、今回の「プレミアム」はそれがありません。
それぞれ右手用の、テープを切ってもベタつきにくい「フッ素コート」と、切れ味が長続きする「チタンコート」がラインナップされているだけです。
3種すべて右用のみの充実です。
●左手用子供ハサミで育った人を無視したレイメイ藤井の罪
かなしいかな、これが右利き偏重社会の現実なのでしょうか。
非常に残念です。
「左手用こどもはさみの老舗」だったはずの「レイメイ藤井」さんだけに、後ろ足で蹴られたような気持ちです。
「左手用こどもはさみ」で育ったレイメイ藤井ユーザーは、すでに何万人、何十万人にも達するはずです。
今は大人になっている人たちもたくさんいらっしゃるはずです。
それらの人たちはどうすればいいのでしょうか。
企業としての責任は感じないのでしょうか。
・・・
このクレームが届いて、左手用が発売されることを祈っています。
皆様の応援に期待しています。
よろしく!
*参照:
『お茶でっせ』過去の「ペンカット」の記事:
・2011.2.10 Raymayレイメイ藤井ペンカット:右手左手両対応携帯ハサミ
・2012.10.22 両手対応小型携帯ハサミ、ペンカット・ミニPENCUT mini
・2013.4.23 新型子供はさみ、ペンカットキッズ左手用オレンジ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第231号(No.231) 2010/10/2「創刊6年目に当たって」
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
“退化”した新製品ペンカットプレミアムは右手右利き専用
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