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左利き者の証言(17)投打「二刀流」の先人・川上哲治-週刊ヒッキイ第568号

2020-04-06 | 左利き
―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第568号 別冊編集後記

第568号(No.568) 2020/4/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~17 投打「二刀流」の先人・川上哲治」



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ご安心ください(笑)。

左利きライフ研究30年を記念した
“何か”に時間を割きたいので、ご了承ください。

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第568号(No.568) 2020/4/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~17 投打「二刀流」の先人・川上哲治」
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 過去の左利きの人たちの言葉を紹介しながら、
 先輩の証言から学ぼう、というテーマの
 12月以来の久しぶりの17回目です。

 今回は、前回同様

 ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 (原著 The Left-handaers' Handbook)
草壁焔太訳(講談社 1980(昭和55).12)

 「第二部日本編/第七章 スポーツ界のスーパースターたち」

 から川上哲治さんを紹介しましょう。

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
  左利き者の証言から ~快適左利きライフのために~ 17
  ◆ 投打「二刀流」の先人 ◆
  「赤バット」川上哲治
ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 草壁焔太訳 講談社 1980(昭和55).12より
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 ●戦前の投打「二刀流」川上哲治

「第七章 スポーツ界のスーパースターたち」
「(2)赤バット、青バット」の項

第二部著者・草壁焔太
 
左腕が最大の栄光に輝くスポーツといえば、
  いわずとしれた野球である。/
  日本のプロ野球で、左の存在を最初に輝かせたのは、
  打撃王といわれた巨人の四番打者川上哲治だった。
  この赤バットに対し、青バットをふるって
  ホームラン狂時代を作りだした大下弘もまた左バッターで、
  この二人が日本プロ野球のその後の大ブームを
  作りだしたことは、だれも否定しないだろう。
》P.181


 ●「野球では左利きがいかせる」

第二部著者・草壁焔太
 
私はかつて川上氏にインダビューしたことがある。
  巨人軍から誘いが来たとき、その金額が
  当時の中学出の給料にくらべて多額であることにも驚いたが、
  「自分は左利きで、ほかの職業では有利とはいえない。
  しかし、野球では左利きがいかせると思い、将来、
  職業野球がどうなってゆくか、なんの確信もなかったが、
  入団することにした」と語っていた。
》p.182




 ●右利きから左利きに

『ウィキペディア(Wikipedia)』「川上哲治」

 
元々は右利きであったが、
  5歳の時に砂利道で転んで右腕を負傷する。
  経過が悪く完治に半年ほどかかったことから、
  左腕を重点的に使う生活を送り、
  治る頃には左利きに矯正されていた。
  その後しばらくは左投げ右打ちだった。


 ●「頑固な左利き」

第二部著者・草壁焔太
 
監督となってからも、隙を見せない統帥力を発揮して
  九連覇を達成した。
  ゴルフもはじめから左打ちという強度で頑固な左利きで、
  その頑固を技術に活かし、
  管理統帥にも活かした左利きである。
》p.182


 ●川上さんはゴルフも左打ち

「(3)左利きプロ・ゴルファーの登場」の項

第二部著者・草壁焔太
 
ゴルフは左利きに最も陽の当たらぬスポーツといってよい。
  左利きの先覚者も少なく、
  左利きの人々もみな右打ちを教えられた。
  プロの安田春雄が左利きの右打ちである。/
  今井邦雄というハンデ2のアマチュア・プロゴルファーが、
  四十年代に左利きゴルフの先導者として現われた。
  当時は川上哲治をのぞいて左利きの野球選手も
  ゴルフではほとんど右で打っていたが、
  今井は
  「王選手は右でもけっこう飛ばすが、野球ほど飛ばない。
  左で打てばもっと飛ぶ」といっていた。
  利き腰で打たなければ、どうしても無理がある。
》p.186


昭和22年生まれで49年デビュー、
左利きプロゴルファー江原利次の言葉
 
「右で打つことが左利きの人にとってよいならば、
  右利きの人はみな左で打つべきだ」
》p.187



 ●〈日本レフティゴルフ協会〉会長の川上さん

デイヴィッド・ウォルマン 梶山あゆみ訳
『「左利き」は天才? 利き手をめぐる脳と進化の謎』日経新聞社
2006.7


「第11章 日本の左利き、大集合」

 
軽井沢に来た本当の目的は、
  左利きに関する根本的な真理を学ぶことだった。
  初日のディナーの席で、ぼくは伝説の野球選手、
  川上哲治に左と右の問題を尋ねてみた。川上は、(略)
  膝に乗せた手に目を落とした。

  「左利きには何か非凡な才能があると思う。
   それが何かはわからないが……たぶん、
   芸術性に関係しているんじゃないか」

  それから、自分は座禅をするのだと言葉を継いだ。
  何やら深遠さに満ちた瞬間が訪れそうな予感。
  老境に入り、少し酔った日本の野球の神様が、
  珠玉の言葉を伝えてくれようとしている。
  もしかしたら、
  ついにサウスポーの涅槃へと通じる扉の鍵が
  渡されるのではないか。
  左利きと、たとえば禅の悟りとの間には
  何かつながりがあるのでしょうか?

  「いいや」と川上。
  「それに、左利きの人も右利きの人も
   なにも違いはないよ。私の見るかぎりでは」/

  えっ、そんなばかな。
》pp.184-185


 ●左利きの人と右利きの人の違い

結局は、得意とする手/腕が違っているだけで、
それでどう違うと言われても、案外何もないのかもしれません。

(略)

大事なことは、

 右利きの人だけではなく、
 左利きの人にも都合の良い環境をいかに築いていくか

にあるのです。


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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―左利き者の証言から~17 投打「二刀流」の先人・川上哲治」と題して、川上哲治さんの左利き談義について書いています。

今でこそ、大谷翔平選手の「二刀流」は有名ですが、戦前は、結構こういう選手がいたようです。
プロの選手には、元々高校野球で「エースで4番」という人が多いものエス。
それなりの才能のある人だったということですが、戦前のプロ野球では選手不足もあって、投手と野手を兼任するケースもあったようです。

もちろん、その中でも活躍できる人は限られていたようです。

そんな投打「二刀流」の先人の一人が、川上哲治選手でした。
とはいえ、私ぐらいの年齢では、名選手としてよりも、もうすでに選手を引退して監督さんになり、名監督としての時代しか知りません。

改めてその成績を調べてびっくりしたものでした。

1980(昭和55)年に出版された、ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著『左利きの本――右利き社会への挑戦状』草壁焔太訳(講談社)を参照して、川上さんの左利き談義を紹介しています。

1994年に設立された〈日本レフティゴルフ協会〉会長もつとめた人でもあり、まさに日本のスポーツ界を代表する左利きの一人といえるでしょう。


そんな人物の左利きに関するお言葉はなかなか重さを感じさせますが……。

左利きの謎を探るべく世界中を駆け巡った科学ジャーナリスト・ウォルマンさんの質問に答えた川上さんの言葉は、なかなかでした。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利き者の証言(17)投打「二刀流」の先人・川上哲治-週刊ヒッキイ第568号
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