*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その二*
今回紹介するのは、見ているだけで生唾が湧いて来るという、江戸前握り鮨の名店「すきやばし次郎」の主人、小野二郎が一年間に供する握り鮨、酒肴、小鉢などの全点を網羅した、"江戸前握り鮨技術教本"、里見真三著・丸山洋平写真『すきやばし次郎 旬を握る』文春文庫(2001)です。元の本は1997年文藝春秋から出版されています。
これ一冊読めば鮨通になれるといったものでしょう。仕込から作り方から一切合財が図入り、写真入りで紹介されています。
62pの写真や、274-5pにかけて見開き二ページを使って連続写真で紹介している「鮨の握り方」(画像参照)をご覧になればわかるように、ここに登場するすし職人、小野二郎氏は左利きです。
右手で包み込むようにすしを持ち、左手の指で上から押さえるように整えてゆく、という左構えで鮨を握る左利きのすし職人です。
とはいえ、残念ながら左利きに関する記述は、この「鮨の握り方」のページの「(小野二郎は左利きである)」という注釈だけのようです。
左利きのすし職人の苦労を聞きたいという興味は満たされませんでした。
しかし握り方はよくわかります。右利きの人との違いがわからないのが、残念ですが…。
私は以前、左利きのすし職人さんと少しお話したことがあります。ネタを切る包丁だけは左利き用の片刃を使っておられました。
また、左利きではすしの並べる方向が逆になるそうです。
右利きの人のものと並ぶと一目で違いがわかります。
反面、それだけで出されると気付かぬ人も少なくないそうで、おもしろいものです。食べるのに夢中になるのでしょうか。
小野二郎氏は、大正生れで、元は板前さんで後にすし職人になったという方です。
そのせいか包丁はみな右手使いになっています。あるいは何本もの腕が写っているシーンもありますので、握る場面以外は他の職人さんが仕事されているのかもしれません。その辺は確認できません。
左利きの興味だけで見ると今ひとつ面白味に欠けますが、なかなかよくできた本です。
改めて料理は、すしは芸術だな、と感嘆します。
スーパーや回転寿司も悪くありませんが、一生に一度ぐらいはこういうところで心ゆくまで舌鼓を打ってみたいものです。
そういえば、小学校時代の級友もすし職人です。もう一度自分のお店を持てるよう、捲土重来を心から祈っています。がんばってね!
*
以上の文章は、4月の初めに書いたものです。
その後、『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博・著 (新潮新書) を手に入れ、そこで二郎氏の左利きに関する疑問が解決されました。それはまた次回―。
*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」の記事*
・2005.5.20<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一> お茶でっせ版、新生活版
・2005.7.17<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その三>『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博 お茶でっせ版、 新生活版
※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
今回紹介するのは、見ているだけで生唾が湧いて来るという、江戸前握り鮨の名店「すきやばし次郎」の主人、小野二郎が一年間に供する握り鮨、酒肴、小鉢などの全点を網羅した、"江戸前握り鮨技術教本"、里見真三著・丸山洋平写真『すきやばし次郎 旬を握る』文春文庫(2001)です。元の本は1997年文藝春秋から出版されています。
これ一冊読めば鮨通になれるといったものでしょう。仕込から作り方から一切合財が図入り、写真入りで紹介されています。
62pの写真や、274-5pにかけて見開き二ページを使って連続写真で紹介している「鮨の握り方」(画像参照)をご覧になればわかるように、ここに登場するすし職人、小野二郎氏は左利きです。
右手で包み込むようにすしを持ち、左手の指で上から押さえるように整えてゆく、という左構えで鮨を握る左利きのすし職人です。
とはいえ、残念ながら左利きに関する記述は、この「鮨の握り方」のページの「(小野二郎は左利きである)」という注釈だけのようです。
左利きのすし職人の苦労を聞きたいという興味は満たされませんでした。
しかし握り方はよくわかります。右利きの人との違いがわからないのが、残念ですが…。
私は以前、左利きのすし職人さんと少しお話したことがあります。ネタを切る包丁だけは左利き用の片刃を使っておられました。
また、左利きではすしの並べる方向が逆になるそうです。
右利きの人のものと並ぶと一目で違いがわかります。
反面、それだけで出されると気付かぬ人も少なくないそうで、おもしろいものです。食べるのに夢中になるのでしょうか。
小野二郎氏は、大正生れで、元は板前さんで後にすし職人になったという方です。
そのせいか包丁はみな右手使いになっています。あるいは何本もの腕が写っているシーンもありますので、握る場面以外は他の職人さんが仕事されているのかもしれません。その辺は確認できません。
左利きの興味だけで見ると今ひとつ面白味に欠けますが、なかなかよくできた本です。
改めて料理は、すしは芸術だな、と感嘆します。
スーパーや回転寿司も悪くありませんが、一生に一度ぐらいはこういうところで心ゆくまで舌鼓を打ってみたいものです。
そういえば、小学校時代の級友もすし職人です。もう一度自分のお店を持てるよう、捲土重来を心から祈っています。がんばってね!
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以上の文章は、4月の初めに書いたものです。
その後、『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博・著 (新潮新書) を手に入れ、そこで二郎氏の左利きに関する疑問が解決されました。それはまた次回―。
*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」の記事*
・2005.5.20<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一> お茶でっせ版、新生活版
・2005.7.17<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その三>『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博 お茶でっせ版、 新生活版
※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
今でもおすしは、日常的な食べ物というよりはどちらかと言えば、晴れの日の食べ物ではないかと思うのですが、私の小さい頃はホントにめったに口にすることができませんでした。母の作るバラ寿司ぐらいで…。それもやはり何かのお祝いのときでしたね。
本文にも書きましたように、一生に一度でいいですから、名店と呼ばれるようなお店で心行くまで堪能してみたいものです。