『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第637号 【別冊 編集後記】
第637号(No.637) 2023/3/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第637号(No.637) 2023/3/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト」
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前回は、利き手と非利き手の役割について考えてみました。
今回は、ネットから拾った左利きのチェリストを紹介しましょう。
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左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界 (10)
◆ 左利きのチェリスト ◆
~ Abner Jairo Ortiz Garcia(「善福寺手帳」より) ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●2018年の「左利きのチェリスト」より
以前、左利きのピアニストや、左利き用のフルート、
左利き用のヴァイオリンなどの話を紹介しました。
今回は、左利きのチェリスト、文字通り「左弾き」のチェリスト――
チョロ奏者のお話です。
・・・
「善福寺手帳」
https://ze.blog.fc2.com/
2018/ 09/ 02 (Sun)「左利きのチェリスト」
https://ze.blog.fc2.com/blog-entry-3520.html
に、
メキシコのチェリスト Abner Jairo Ortiz Garcia の演奏で
バッハの無伴奏チェロ組曲4番クーラント
というYouTubeの動画が紹介されています。
https://youtu.be/I-keglYcpgA
(画像:左弾きチェロ)
(画像:左弾きチェロと鏡のなか)
《これまでも左手に弓を持つ“左利き”のチェリストは
何人か動画で見たことがありますが、
ヨーロッパ以外では初めて見た気がします。》
また、
《途中、鏡に写ったシーンがあって、また彼の姿にカメラが戻ると、
なんだかとても不思議な感覚がしますね。》
とあります。
右利き演奏のように見える鏡のなかの映像と、
実際に左手で弓を弾く左利き演奏とをみることができます。
鏡の中の姿だけ見ていますと、
素人の私には全く違和感なく、ふつうの「右利き演奏」に見えます。
でも、実際の左利き演奏の部分をみますと、
本来なら左右反転した演奏で、右利き演奏を見慣れた人から見れば、
当然違和感を抱いてもおかしくない映像でしょう。
ところが、左利きの私は、
なんとなくホッとするような、自然な演奏姿にみえる、
という気もするのです。
右利き演奏も特に違和感なく、左利き演奏も不思議に違和感なくみれる、
というのは、どういうことなのでしょうか。
私自身、あまりこういう手の楽器演奏を見慣れていない、
ということもひとつの原因かもしれませんけれど。
一方で、検索等でビデオやYouTubeなどの
左利きの芸能人や左利きの人の映像を好んでみている――
左利きの映像を見慣れている、ということもあるかもしれません。
●2007年の「左利きのチェリスト」より
この方の過去の記事――
2007/09/27「左利きのチェリスト」
http://ze.blog2.fc2.com/blog-entry-425.html
に、《左利きのチェリスト。初めて見ました!》とありました。
残念ながら、YouTubeの動画は削除されているそうです。
《(もちろんチェリストにも一定の割合で「左利き」はいるはずですが、
弓を左手で持つ「左弾き」のチェリストは
きわめてめずらしいというか、いないと思ってました。) 》
とありました。
コメント欄に、
「左手指をケガして左弾きに変えた」という話がありました。
左弾きの理由のひとつにそういうケースもあるようですね。
左利きの人だけが左弾きをするのではないのですね。
楽器は両手を使うといっても、
このように楽器演奏には、色々な状況があるということで、
そういう意味でも「左用の楽器」というものは必要になるのではないか、
と思います。
右利きの人でも手をケガをすることはあるのですから。
もちろん、左利きの人でも、ね。
もしケガをしても、両方のタイプの楽器があれば、
誰もが困らないわけですから。
左右両タイプを用意するということは、これからの時代、
楽器メーカーさんの義務といってもいいかもしれません。
・・・
[追記]に、チャップリンが自己流でバイオリンやチェロを左弾きしていた
とあり、証拠写真が掲載されています。
(画像:チャップリンの左弾きチェロ――「Oh! That Cello」のジャケット)
●宮澤賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」(1934年発表)
<まつのじんWEBSITE> 平和ねがいて 弦なりやまず
2019年7月27日
ゴーシュからの左右考
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%B7%A6%E5%8F%B3%E8%80%83/
に、宮澤賢治の童話『セロ弾きのゴーシュ』について書かれています。
(画像:宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」冒頭の部分――『もう一度読みたい宮沢賢治』別冊宝島編集部/編 宝島社文庫 2009/4/4 から)
昔若い頃に読んだときは、「ゴーシュ」の意味を知らず、
単に下手なチェロ弾きの若者が苦労して練習する話と思っていました。
ネット活動を始めてから、
「ゴーシュ」がフランス語で「左」を意味すると知り、
へえぇーと思ったことがありました。
今回改めてこの方の記事を読み、
「セロ弾きのゴーシュ」は、左利きのゴーシュが、
左利きゆえに、右手弾きがうまく演奏できず苦労した話
という解釈を知りました。
なるほど、ね。
賢治自身セロを弾いていたようで、
『新潮文学アルバム 宮沢賢治』のなかに、
東京へ行くときに持っていったというセロの写真と、
セロの本からの賢治自身の書いた写しが紹介されています。
上の記事でも、
「セロ弾きのゴーシュ」が賢治自身の経験によるものならば、
賢治も左利きだったのか? という記述があります。
*参考文献:
『宮沢賢治 新潮日本文学アルバム〈12〉』新潮社 1984/1/1
『もう一度読みたい宮沢賢治』別冊宝島編集部/編 宝島社文庫 2009/4/4
・・・
本日はこの辺で。
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手の役割について」と題して、今回も全紹介です。
世界は広く、人の数だけ、それぞれに生き方もあるものです。
調べてみればいらっしゃるものですね、左利きの、左弾きのチェリストさん。
ケガ等で右弾きから左弾きに転向された方もいらっしゃるでしょうけれど、本来の利き手に従って左弾きしている人もいるのでしょう。
私のような強度の偏りのある左利きの場合は、いつもいっていますように「利き手は心につながっている」という信念から、左弾きにこだわっている人もあるのでしょう。
左利きだから左弾きというのは、本来、当然のこと、自然なことなのですが、ね。
・・・
弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト-週刊ヒッキイ第637号
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第637号(No.637) 2023/3/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト」
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右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第637号(No.637) 2023/3/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト」
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前回は、利き手と非利き手の役割について考えてみました。
今回は、ネットから拾った左利きのチェリストを紹介しましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界 (10)
◆ 左利きのチェリスト ◆
~ Abner Jairo Ortiz Garcia(「善福寺手帳」より) ~
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●2018年の「左利きのチェリスト」より
以前、左利きのピアニストや、左利き用のフルート、
左利き用のヴァイオリンなどの話を紹介しました。
今回は、左利きのチェリスト、文字通り「左弾き」のチェリスト――
チョロ奏者のお話です。
・・・
「善福寺手帳」
https://ze.blog.fc2.com/
2018/ 09/ 02 (Sun)「左利きのチェリスト」
https://ze.blog.fc2.com/blog-entry-3520.html
に、
メキシコのチェリスト Abner Jairo Ortiz Garcia の演奏で
バッハの無伴奏チェロ組曲4番クーラント
というYouTubeの動画が紹介されています。
https://youtu.be/I-keglYcpgA
(画像:左弾きチェロ)
(画像:左弾きチェロと鏡のなか)
《これまでも左手に弓を持つ“左利き”のチェリストは
何人か動画で見たことがありますが、
ヨーロッパ以外では初めて見た気がします。》
また、
《途中、鏡に写ったシーンがあって、また彼の姿にカメラが戻ると、
なんだかとても不思議な感覚がしますね。》
とあります。
右利き演奏のように見える鏡のなかの映像と、
実際に左手で弓を弾く左利き演奏とをみることができます。
鏡の中の姿だけ見ていますと、
素人の私には全く違和感なく、ふつうの「右利き演奏」に見えます。
でも、実際の左利き演奏の部分をみますと、
本来なら左右反転した演奏で、右利き演奏を見慣れた人から見れば、
当然違和感を抱いてもおかしくない映像でしょう。
ところが、左利きの私は、
なんとなくホッとするような、自然な演奏姿にみえる、
という気もするのです。
右利き演奏も特に違和感なく、左利き演奏も不思議に違和感なくみれる、
というのは、どういうことなのでしょうか。
私自身、あまりこういう手の楽器演奏を見慣れていない、
ということもひとつの原因かもしれませんけれど。
一方で、検索等でビデオやYouTubeなどの
左利きの芸能人や左利きの人の映像を好んでみている――
左利きの映像を見慣れている、ということもあるかもしれません。
●2007年の「左利きのチェリスト」より
この方の過去の記事――
2007/09/27「左利きのチェリスト」
http://ze.blog2.fc2.com/blog-entry-425.html
に、《左利きのチェリスト。初めて見ました!》とありました。
残念ながら、YouTubeの動画は削除されているそうです。
《(もちろんチェリストにも一定の割合で「左利き」はいるはずですが、
弓を左手で持つ「左弾き」のチェリストは
きわめてめずらしいというか、いないと思ってました。) 》
とありました。
コメント欄に、
「左手指をケガして左弾きに変えた」という話がありました。
左弾きの理由のひとつにそういうケースもあるようですね。
左利きの人だけが左弾きをするのではないのですね。
楽器は両手を使うといっても、
このように楽器演奏には、色々な状況があるということで、
そういう意味でも「左用の楽器」というものは必要になるのではないか、
と思います。
右利きの人でも手をケガをすることはあるのですから。
もちろん、左利きの人でも、ね。
もしケガをしても、両方のタイプの楽器があれば、
誰もが困らないわけですから。
左右両タイプを用意するということは、これからの時代、
楽器メーカーさんの義務といってもいいかもしれません。
・・・
[追記]に、チャップリンが自己流でバイオリンやチェロを左弾きしていた
とあり、証拠写真が掲載されています。
(画像:チャップリンの左弾きチェロ――「Oh! That Cello」のジャケット)
●宮澤賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」(1934年発表)
<まつのじんWEBSITE> 平和ねがいて 弦なりやまず
2019年7月27日
ゴーシュからの左右考
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%B7%A6%E5%8F%B3%E8%80%83/
に、宮澤賢治の童話『セロ弾きのゴーシュ』について書かれています。
(画像:宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」冒頭の部分――『もう一度読みたい宮沢賢治』別冊宝島編集部/編 宝島社文庫 2009/4/4 から)
昔若い頃に読んだときは、「ゴーシュ」の意味を知らず、
単に下手なチェロ弾きの若者が苦労して練習する話と思っていました。
ネット活動を始めてから、
「ゴーシュ」がフランス語で「左」を意味すると知り、
へえぇーと思ったことがありました。
今回改めてこの方の記事を読み、
「セロ弾きのゴーシュ」は、左利きのゴーシュが、
左利きゆえに、右手弾きがうまく演奏できず苦労した話
という解釈を知りました。
なるほど、ね。
賢治自身セロを弾いていたようで、
『新潮文学アルバム 宮沢賢治』のなかに、
東京へ行くときに持っていったというセロの写真と、
セロの本からの賢治自身の書いた写しが紹介されています。
上の記事でも、
「セロ弾きのゴーシュ」が賢治自身の経験によるものならば、
賢治も左利きだったのか? という記述があります。
*参考文献:
『宮沢賢治 新潮日本文学アルバム〈12〉』新潮社 1984/1/1
『もう一度読みたい宮沢賢治』別冊宝島編集部/編 宝島社文庫 2009/4/4
・・・
本日はこの辺で。
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手の役割について」と題して、今回も全紹介です。
世界は広く、人の数だけ、それぞれに生き方もあるものです。
調べてみればいらっしゃるものですね、左利きの、左弾きのチェリストさん。
ケガ等で右弾きから左弾きに転向された方もいらっしゃるでしょうけれど、本来の利き手に従って左弾きしている人もいるのでしょう。
私のような強度の偏りのある左利きの場合は、いつもいっていますように「利き手は心につながっている」という信念から、左弾きにこだわっている人もあるのでしょう。
左利きだから左弾きというのは、本来、当然のこと、自然なことなのですが、ね。
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(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト-週刊ヒッキイ第637号
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